single tear drop

ななもりあや

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焼きもち妬きの彼

焼きもち妬きの彼

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「だから、ここは未知と俺の寝室」

「私にはお構い無く。どうぞイチャついてください」

「未知が恥ずかしがりやなんだ。頼むから二人きりにしてくれ」

彼が懇願すると、

「では、未知さんたちの件、了解で宜しいですね?」

つかさず橘さんに交換条件を提示され、彼、渋々ながらもオーケーしてくれた。

「橘、もしかしてお前も未知に付いていく気か?」

「いけませんか?未知さんは私にとって、大事な人です。仕事はどこでも出来ます」

「あのな……」

悪びれる様子もなくしれっとして答える橘さんに、さすがの彼も頭を抱え込んでしまった。

「一人占めは許しませんよ。未知さんはあなただけのモノではありませんからね」

しっかりと釘をさして、部屋を後にする橘さん。

「俺よりお前の方が焼きもち妬きだろう。独占欲も、嫉妬深さも……」

溜め息まじりに呟く彼。
そんな彼と何気に目が合った。

「ナオと楽しそうに話しをしていただろ?」

急に話題を変え、むっつりした表情を浮かべ、唇をつまむ彼。

「のけ者にされているようで嫌だった」

ギュッと腕に力がこめられたのが分かった。
焼きもち妬きで甘えん方の彼。
僕が大好きな人だもの、のけ者なんかにする訳ないのに。

背中に腕を回し逞しい胸にしがみついた。
彼の匂いそして温もりがやっぱり一番落ち着く。

「み、未知!」

彼が急に慌ててそわそわし始めた。



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