single tear drop

ななもりあや

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彼に愛されて※

彼に愛されて※

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「未知、こっちを向くんだ」

彼の膝の上にちょこんと座り、抱き寄せられて向かい合った。
恥ずかしくて目のやり場に困り、視線が宙をさ迷う。

「嫌いになったか?」

頬を両手で包まれ彼と目が合った。

「嫉妬深いし、焼きもち妬きだし」

自嘲する彼。
均等の取れた肢体が眩しい。

「わりぃな、未知があまりにもかわいくて、抑えが効かなくなるんだ」

ぶんぶんと首を横に振った。

「未知は優しいな」

欲情に濡れた真剣な眼差しでじっと覗きこまれ、心拍数が一気に跳ね上がった。

ゆっくりと顔が近付いてきて。
目を閉じると、静かに口唇が唇に重ねられた。

今までのキスとは違う。
啄むような口付けから、貪るような濃密な口付けに変わっていった。

「最後までしたい・・・ダメか?」

口付けの合間に甘い声で愛を囁かれ、耳朶に軽くキスをされた。

「未知・・・」

熱っぽい濡れた眼差しで見つめられて。
ドクン、ドクン
胸の鼓動が高鳴り、全身が痺れたようになって蕩けるくらい甘く疼きはじめた。

卯月さんの手によってあっという間に一糸纏わぬ姿にされた。
こんな姿、一太には決して見せられない。

「可愛いな、未知は。普段よりもっと可愛らしく見える。頬も紅いし」

からかうように言われ、ますます頬が赤くなった。

「ママの時間はとりあえず終わり。愛してるよ未知」

頤を掬われ、艶めいた声で囁かれ、再びキスをされた。

【んっ・・・】

押し入ってきた舌に口内を探られ、舌に舌をからめられてねぶられ、背筋がぞくぞくと震える。

彼とは何度も口付けをしたのに。
軽く触れ合うだけで頭の中が真っ白になり、体が溶けてしまいそうになった。


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