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第四章 「普通」の「日本人」VS「パヨク」編

慎吾らの集団はやばすぎる

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園谷家とも縁ができて、友徳は正道や飛鳥とも通力を用いた格闘術で汗を流す日々を送っていた。
朝食はトーストと目玉焼きと一本のウインナーと最近の中では大盤振る舞いで、友徳はウインナーを少しづつ齧りながら喉に水を流し込んだ。

テレビでは日本軍派の放送局は日本軍の躍進と反日に対する制裁を猛々しく写しているだけ、JRL派に至っては延々とレイプシーンや殺害シーンを流して戦果報告、という感じなのでもはや中捨家はリモコンのスイッチを押すのは、ゲームをしたりブルーレイを見るときだけになっていた。

「そうだ、友徳。近頃この村で小さい女の子を襲う痴漢が出ているらしい。お前も気をつけろよ」と友三郎は、村に日報に目を落として謹直にいう。

「そうそう、あの東の原生林の入り口らへんでよく起きるらしいのよ。小さい子だけじゃなくて大人の女性も襲われてるって」と千華子は腕を大きく回してフライパンを濯ぎながらいった。

「それの事件に託けてか知らないが、村の右翼青年たちが自警団を結成してね。友徳、気をつけた方がいいぞ。その青年たちは弥勒救世軍や尋伺小学校の影響で犯罪が多発しているんだ、という主張でね。なんでも、アシャンティ村を襲撃したのは日本軍ではなく……」

「ちょっと!あなた!友徳の前でいうことではないでしょう!」

「ごめん。母さん。とにかく村は今ね、そういう犯罪以外にも乱闘だとか強盗が多発してるんだよ。青年たちがお国のために酒や煙草、贅沢品を徴収するって押しかけたりな」

「お父さんの言う通りだから。今後学校以外で外出するときは大人と一緒じゃなきゃダメよ。友徳!」

「ふぁーい」

友徳は皿を出してから、テッシュで口元を拭いて、二階に上がって行った。カーテンが閉まり切って淡い光が浮かび上がる部屋に入って、ノートパソコンを開き、メールをチェック。小学生Xのメールをチェック。

——友徳くん。この前はありがとう。すごく楽しかったです。でも、まだプレゼントをあげていません。今度あげます。

非常に素っ気ないメール文……そのとき、チャイムが鳴った。友徳は大急ぎでスリープさせて、ベッドから飛び起き、ドタバタと階段を降りていく。

玄関を開けると、開けられた戸をクイっと避けてこちらを見据える麗子と、その脇の下へ飛鳥と愛華がお化けみたいに突然に姿を現した。

「やっほー。友徳ぃー。覚えてる?今日は通力の練習の日だよー」と飛鳥はいい、麗子を背後に戸を支えている。

「覚えてるよ。じゃ、行こうか」

麗子が千華子と挨拶をし終えてから、飛鳥を先頭に四人は出発。愛華も飛鳥について行き、彼に谷間に降りて河川敷を歩くことを提案。

ちょっと気後れしている飛鳥はその提案を受け入れて、横幅のある道路沿いにある階段を降りていった。友徳と麗子はその後をゆっくりと追う。

麗子がアシャンティ村で何をされたかは気がかりだった……聡美と千明はその後友徳たちの前には姿を現さず、恵は何故だか元気に友徳を看病してくれた。麗子も同様。

それでもあの松永が麗子に酷いことをしていないとは考えられない。

友徳はそっと麗子の顔を見上げた。彼女の目鼻立ちがはっきりして、顎のラインがくっきりとしていることで自尊心が浮かび上がる表情に彼は見惚れた。

彼が正道と違うところは、麗子を可愛いと思うかどうかだった。可愛い女性を見るとこっちに寄せたい、と友徳は思うのだが、麗子の時は逆で自分が麗子に蟻地獄ように吸い込まれてしまいそう……

このかっこよさを支える彼女の心が松永にボロボロにされたのなら友徳は許せない!とすら思う。彼は麗子の動きや佇まいをしっかり観察していく。

麗子は友徳に視線を落とすと、眉をあげて鋭い目に優しい潤いを含めて笑った。そして「友徳くん、ほら、階段降りないと」

麗子の万華鏡のように微細な変化に満ちている美しい顔を見上げ、千鳥足になっていた友徳は自分の左手に階段があることを気付かなかった。階段をゆっくり降り、コンクリートの河川敷になると友徳は先行する飛鳥と愛華を追った。

彼が後ろを振り返って微笑むと、麗子も何やら察したようで、香織と同じスーパーカーみたいな美しいフォームでこちらを追ってくる。麗子は再び子供達と合流すると友徳の横についた。

川幅は少しづつ狭まり、河川敷は砂利道を経由して土手となり、小道は川から逸れて左右から夏の全てと同盟して濃い緑を繁茂させる潅木に囲まれている。四人は一列縦隊となって、時に川に近づき、時に大きく離れる小径を進んでいく。

渓谷と大きな道路を繋ぐ斜面には樹木にしろ雑草にしろ緑一片。その彩のグラデーションに生命の強きと弱きが表れているように友徳は思う。

そのまま、彼らは村の中央の橋の下で階段を上がり、その橋を西に向かって渡ると、スーパーマーケットや料屋を越えて小さな公園にたどり着いた。

「よし!ここでまず、準備体操するよ」と麗子は声を低めていう。

「先生!今日はどう言う訓練?」

「今日はね、ジョギング!みんな得意な通力で基礎体力作りだよ」

「ええーー!!!」

三人の子供たちは落胆。

「ちなみに正道くんと智咲は何してるの?」

「あの子たちはね、祝福術と加護術の訓練」

「まじか……プスとかピーターのやつじゃん。いいなぁ」

麗子はトルコアイスのように腕や足を大きく伸び縮みさせて、ハキハキと体操をする。子供たちは見まねで続いて体操。

「じゃ、これから十五分間ジョギングね!その前に大事なものがありまーす!これ!」

麗子は担いでいたスポーツバッグからペットボトルを取り出した。

「あー!それ私と飛鳥くんが一緒に作ったスポドリじゃーん!」と愛華はまさか自分が飲むことになるとはという意を含んでいるようにいった。

一人ずつスポドリを飲む。市販物よりも甘みは抑えられていて量もお茶碗いっぱい程度。

「これ飲めば、高張性熱中症を防げるのよ」

麗子を先頭に子供達は公園から飛び出した。

生垣に咲く花や、庭先の美しいタブノキや小ぶりな松などに囲まれて麗子ジョギング団は斜面を降り、大きな通りに出ると、北方を目指した。たまに行く針広混交の広場に行くに違いない、と友徳は思う。

流石に火の元素の活躍の場ではないくらい暑いので、肺の圧迫感や腹が重みを増す感覚を確認しながら友徳は足を回転させた。太陽がまだ少しだけ山に隠れていることもあり、朝焼けの車道を進んでいく。

広場まで最後の坂道に達したとき、飛鳥と愛華が友徳を抜き、麗子と並んだ。まだ、こんな体力が?!友徳は歯を食いしばり、腕の回転を強めるが、姿勢が崩れ、足がふらつき、しまいには呼吸を整えるためにスピードダウンすることに。

麗子のスマートな後ろ姿と母グマに従う小熊のような二人はどんどん遠ざかっていく。

広場に着く時は、どべで到着してしまった。膝に手をついて息を整え、適当にぶらぶらして身体の風通しをよくしている友徳と対照的に、飛鳥と愛華は汗は流しているが背筋を伸ばして元気そのもの。

「飛鳥と愛華、つかれんの?」

「うん、僕たち水の元素使いでしょ?汗に働きかけて、水の結合を強めると……結構楽なんだ」
「すごーい」と友徳はやっと息を整えた。

スポドリを飲んだ後は現地解散。麗子先生はここですることがあるから先に帰っていて……という。ここは弥勒救世軍とあった場所……麗子先生は関係があるんだろうか?

余力を残している飛鳥と愛華は一緒にジョギングで帰っていった。蝉がほとんどなかない、しかも高い梢を見上げると空のオレンジと青のグレデーションが見えるこの広場で友徳は首が痛くなるほど空を見上げてからゆっくり帰路についた。

東側の斜面を登りながらなるたけ日陰が色濃い地域を経由して歩いていたが、その途中あの慎吾らの一段が北方に向かっているのを友徳は見た。

何やら嫌な予感……慎吾は達也と亮介を引き連れている。達也は背は麗子より少し小さい程度だが、肩幅が広く、おまけにデブ。三人は早送りのテープみたいに忙しなく人工林の方へ向かっていく。

友徳は彼らの後を追い、途中で追い抜いて、広場のちょうど広葉樹の下生えに身を寄せて、慎吾らが訪れるか待ち構えた。友徳には歩き方やお菓子を前の幼児のように顔を不自然に弛緩させる慎吾の表情に不穏なものを感じとっていたのだ。

そしてその直感は当たった。彼らは広場に入ると、一斉に走り出して腐食に踏み込んだ。

友徳は気疲れないように、忍足で後ろを取りながら木の影を次々に移動する。そしてとうとうベンチの様子を目の当たりにした。

麗子と三人の少年は向かい合っていた。ちょうどこちら側は麗子の顔が見える。今の彼女は強張り、明らかに怯えている。

「麗子……とりあえずこれがブルーレイだけど」と慎吾は言い、袋から煌めく円盤を出した。

麗子は腰のは入っていない指と腕の動きだけでそれを奪おうとしたが、慎吾はサッとかわした。

「おっと……まずは前払いだよ。麗子。じゃあ、こっちこい!」と慎吾は言い、麗子のシャツを摘み上げた。麗子はその手を払いのけながら、地団駄を踏む幼稚園児みたいに前へ踏み出した。

慎吾は麗子の横に並び腰を抱いて、リードしながらベンチに向かい、彼女を座らせた。ベンチに座ることで麗子と慎吾の横顔が友徳に見えるようになる。

慎吾は麗子の頭を撫でたり、頬を両側からつねっている。麗子は慎吾を見上げて、その瞳は初めて蕾を広げた花のような恥じらいで満ちている。

「とりあえず、今日はさ……言ったよね?あれとあれ。で、次の日はエッチ。いいよね?」

「麗子、答えなきゃわかんないよ?」と達也が初めて口を開いた。真後ろから麗子を睨め付ける彼の細い目と上向く口角による薄笑いは皮膚の下で鉱石のように固まっている。

「本当に、動画を削除してくれるの?」と麗子は表情に似合わない強気な声で言ったが、友徳にはキャンキャン吠える子犬ほど弱々しく見える。

「おう。でも、エッチは絶対。それも三人一人ずつな。で、今日はパンツとキス!」

もう見ていられない……友徳は草むらから出て行った。おい!と怒鳴り声。四人は一斉に彼を向いた。

「おい!麗子!お前裏切ったのか!」と慎吾は言った後、麗子の頬を思い切り打った。

友徳は少しずつ間合いを詰めていく……慎吾たちの表情が少しづつ現実逃避の無知に歪んでいくのを感じながら。

「たく、しょうがねぇな!達也!亮介!あれでいくぞ!」

「でも僕たちはまだレベル1……」

「ウッセーな!こいつにはこれくらいしないと勝てねんだよ!」

慎吾はUSBメモリのようなものをポケットから出すと、シャツをずらして首筋を見せた。そこには何かの宗教的な刻印のようなものがある。そして「おい反日!よく見てろよ!」

彼は刻印にスティックを差し込んだ。叫び声と同時に周辺に光り輝く粒子のようなものが流れ込み、彼はその渦に巻き込まれる。

光が消え去った後慎吾が立っていた場所には、皺くちゃな老人と猿を組み合わせたような怪人が現れた。バルガルに似ている……が、彼よりも明らかに悍ましい。身長も2メートル近くある。

「よっしゃああああ!!!」

その怪人は直立姿勢を崩して走り込み、一秒も立たず友徳の目の前に到達した。尻餅をつき、震え上がっている友徳を彼は無表情に見下ろした。

「まだやるかい?」と怪人。

「ちょっと、やめてよ!この子は関係ないでしょう?私の問題!」と麗子は涙声でこちらに現れて怪人の肩に泣きついた。

「このガキがチクるかどうかだな……」と怪人は意地悪な老人の声でいう。

「わかったわ。ねぇ、友徳くん?あんた見たことを誰にも言っちゃダメよ?私の問題なんだから……いい?」

友徳は雑草を掴み、麗子を見上げたが口を動かすことはできなかった。

「ほら?友徳くん。わかった?これは私が解決するから」と麗子の声音に怒気が含まれていく。

「小僧、麗子に誓え」

友徳は横で自分を覗き込み、説得してくる麗子に何度か首を縦に振った。彼は麗子に抱きしめられる。

「じゃあ、帰りなさい」

「待て」と慎吾はいう

「せっかくだから見てもらおう」

達也と亮介に友徳は抑えられ、ただベンチにいる慎吾と麗子を見せつけられた。目を背けようとも達也に髪の毛を引っ張られるのだった。

まず慎吾は麗子の耳元で囁き、彼女のシャツの裾を捲った。麗子はすんなりと応じて黒のブラジャーを見せる。

取り除かれる服がまだ腕に引っかかっている途中で慎吾は麗子に抱きつき、そのまま強引な手つきでシャツを奪い、探るような唇を突き出した。慎吾は立膝で高さの優位を取ると、抱き寄せた麗子の頭を撫で回しながら彼女の唇を吸っている。

麗子が慎吾を抱き寄せようとすると、ピシャリと平手打ちが飛んだ。再び唇が離れると、慎吾は慣らすような平手打ちを麗子にピシャリ、ピシャリと打ち込んでいく。

察したのか、麗子が自分から唇を吸いに行こうとすると、慎吾は強く彼女を打った。そして驚いている彼女の耳元で何かを囁く。

不満げに目尻が下がり頬を赤らめる麗子はゆっくりと舌を出した。慎吾はその舌を犬のように大きな動作で舐める。麗子が泣きそうになりながら引っ込めると、再びピシャリ。

麗子はされるがままに接吻され続け、まるでおままごとの人形のよう。跪くように命令された麗子は風に戦ぐ塵よりも従順に跪いく。慎吾はズボンとパンツを落とした。

友徳はここの場面を見ていたくなかった。あまりにも欲望的で自分がこのような欲望を人に向かって放射したことは一度もないと感じたからだ。

それでも髪は掴み上げられる。麗子も慎吾に髪を掴み上げられ、木彫りのように浮かび上がる表情を貢ぎ物のようにして慎吾に向ける。

慎吾の匙加減で麗子は頭を上下させられ、何度か打たれた。こんな状況なのに麗子は一切抵抗しない。

慎吾が目を閉じた後、陰部は引き抜かれ、締めに麗子は再び打たれた。そして三人は代わりばんこに麗子に同じことをさせたのだった。

最後、麗子は黒のブラとパンティを脱がされ、裸で女の子座りしているところを再び、慎吾に囁かれ、最後に舐めるような愛撫を頭に受けてから解放された。三人が広場を後にすると、麗子は啜り泣く。

友徳はこの場があまりにも恐ろしく、自分の体とは思えないほど自由が効かない足で帰路についた……
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