14 / 58
第二章 甲羅村修行編
友徳と麗子の通力レッスン
しおりを挟む
体育館に戻った三人は、倉庫からマットを持ち出し、敷いてからそこに座った。
「よし、今日の最後のメニューはレスリングだ!ちょうどジョンさんもいるから参加してもらうぞ!じゃあはじめ!」
体育座りの友徳はジョンを見上げた。それに気づいたジョンは笑みを返した。
マットではまず、善至とジョンが手本を示した。相手の掴み方、脇を閉めて守ること、素早く相手の足に向かって倒れ込み、体重を預けてしまうタックル、そしてタックルからの持ち上げ。
「よし、友徳、正道やってみろ。後、正道!お前はかなり力強いから手加減しろよ!」
友徳は正道と相対して腰を屈めて脇を閉めてから、腕を掴み合った。彼は自分の力が正道に及ばないことを早々に気づいたが、腕をむしゃくしゃに振り回して不利にならないように頑張った。
差し腕の駆け引きに集中した彼に、正道は一瞬で身を屈めてから、バネのように一気に掴み掛かり、友徳をぐいっと持ち上げた。
「よし。いいぞ。友徳も頑張れ!」
気を取り直した友徳は正道の腕を強く握りしめ、腕がもつれ込み、胴と胴の押し合いになると、汗を流しながら離すまいと歯を食いしばった。しかし何度やっても友徳は疲れを感じた瞬間、簡単にタックルを許し、軽々と持ち上げられてしまう……息を切らせ、汗を大量に流しながら彼らは掴み合った……
5回はすでに持ち上げられたであろう彼はニュートラルの時、さっきの火の通力を思い起こした。身体の熱という熱に対して、命令を下すと彼の肌から大汗が吹き出し、細い腕はちょびっと盛り上がった。
イケる!と思った彼はさっきとは打って変わってすばしっこくタックルを繰り返した。正道は防御に必死でなんとか押し退けるという風体だ、と彼は手応えを感じた。
まるでバッタのよう……そう感じた跳躍で正道の脚に掴み掛かった友徳は、1秒後にはマットに沈み込まされていた。タックルを見事に切られたのだ。
「よし!いい感じだな……じゃあ最後にお前らにサプライズ。ジョン先生に通力を披露してもらうか。正道、ジョン先生に渾身の……いやそしたら怪我するか。ちょっと加減してタックルしてみろ」
ジョンは靴を脱いでからマットに乗り「じゃあ披露するよ。がんばりますよ!」と言ってレスリングの力強い防御的な構えをした。「遠慮しなくて……いや、ちょっと加減してね?本気でやったらどっちかが怪我するから」
正道は腰をかがめてから素早く倒れ込むぴょんぴょん飛ぶウサギを彷彿させるタックルをジョンに放った。ジョンは一歩も動じず、逆にタックルした正道は跳ね返されて、軽く転んだ。
「正道くん、どうだった?地の通力は」
「すげぇ、まじで動かない……どうして?」
友徳には子供が大きな大人に跳ね返されただけに見えた。感嘆の眼差しでジョンを見上げる正道に満足を表した善至は「地の元素はな、身体強化としてはまず、骨を強化できる。筋肉が元からあって、そこに骨を適度に強化すれば、とんでもなく強靭になれるんだ。後、武器を地の元素でエンチャントしたり、地面の土をめちゃくちゃ硬くして鈍器にしたりできる人もいるな」
「まじ、すごい山みたいに動かないよ、友徳」
「友徳くんもやってみえる?」とジョン。
「正道が敵わないなら俺はいいや……」
「確かに今の友徳ならタックルした瞬間全身骨折しかねんな」と善至。
それから正道は何度か挑戦した。しかし一度も、そして一歩もジョンを動かすことはできなかった。
この日家に帰ったら友徳は、すぐさまシャワーを浴びてからソファに寝転んだ。そこに千華子がキンキンに冷えたサイダーが注がれたコップを持ってきた。
「お母さん、ありがとう!」
「今日は、通力の授業があったらしいわね?どうだった?」
「すごく疲れたよ……」
「今日は早く寝て明日に備えなさいよー。あ、夜ご飯は今日もとものりの好きなポテサラだよ」
「嬉しい!でも、ちょっと寝る……」
夕日の燃えあがるようなオレンジの光子の中で友徳は眠りに落ちた。
次の日、昼起きて支度していると、今日の授業の先生である麗子が玄関まで迎えにきた。
「友徳くん、迎えにきたよ。今日も結構厳しいから、ちゃんと眠気とって!ほら!」と麗子は寝ぼけて目をしょぼつかせた友徳を励ました。
今日は昼過ぎからの授業だった。昨日の眠りは昼まで続いたようで、友徳はポテサラをブランチにすることになってしまった。
彼は修行場までの道のりをハイキングコースに沿って歩いて行った。真横からでも麗子の整った顔立ちと意思の強い目つきに友徳は内心ビクビクする思いだった。
「昨日、ここで練習したんだって?」と土手道を長い足で便りなさげに先に進む麗子は振り返って尋ねた。
「そうです。疲れたよ……本当!」
「今日はそういう体力勝負のことはしないから安心してね」
「どこで練習するの?」
「今日はね、古民家まで行くよ。そこで薪を燃やす練習」
麗子は後ろを振り向き友徳を見守るようでいながら、高い位置にある尻から伸びた足はしきりに石に蹴躓き、泥濘で滑りそうになった。
「先生、ちょっと大丈夫?」
「あ、ごめん、ごめん。ちょっと昨日飛鳥くんと愛華さんを教えるのに張り切りすぎちゃってね、疲れてて……」
「通力って身体に堪えたりするの?」
「うん。人によるけど通力に向かない体ってあるんだよ。私はそのタイプ……キャァ!!」麗子は地下水の染み込んだ部分で石につまづいて後ろに倒れ込んだ。友徳はすかさず麗子の肩を抱き、沈み込む身体を持ち上げるために太ももをガッツリと掴み、ひょいと腕に抱いた。
「あん!……あ、ちょっと!」と普段の強気とは打って変わって麗子の眉は垂れて口元は歪んだ。
「あ、ごめん。ちょっと先生、大丈夫?」
「ごめんね、友徳くん!あ、そこに降ろして」
友徳は濡れてない岩の陰に麗子をゆっくりと置いた。抱いてから置くまで彼は少しだけドキドキした。
「先生、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫……練習は私は口で教えるだけにするから。てか、本当にありがとうね」と麗子はわざとらしいすまし顔で友徳を見上げた。
「あ、大丈夫だよ」
「じゃ、そろそろだから行こか」
彼らは中央の鉄橋よりも二つ手前の橋の部分で、道路に上り、西側に渡ってから古民家を訪れた。戸を開けると土間があり、その部屋には囲炉裏もあった。そして驚くことに村人が三人座っていた。
その中の二人は友徳と麗子を見ると快活な笑みを浮かべて立ち上がり、おはよう!と挨拶をした。友徳が西の門について聞いた警官もいた。
土間で靴を脱いだ友徳は囲炉裏の脇に座り、同じく横に座って男みたいに足を開いている麗子の言葉を待った。
囲炉裏にはすでに薪と鉄板が用意され、横には肉や海老、お好み焼きのタネがあった。
「今日は、子供達がご馳走してくれるそうで……」と正座する老婆。
「いやぁ、もちろん今日は朝飯抜きですからね!楽しみですなぁ」と警官が一言。
もう一人の若者は猫背のあぐら姿でスマホをいじり始めた。この男はさっき挨拶した時も首を回したり頭を書いたりして落ち着きがなかった。
「それじゃあ、友徳くん。まず手を洗いに行くよ……」
お皿みたいな洗面台で手を洗い、顔を洗った友徳は麗子と共にまた囲炉裏に戻った。
「じゃあ説明するね。友徳くん、君は火の元素をある程度操作できます。昨日は、善至先生と一緒に身体を鍛えて身体の火の元素を発見しましたね?今日は、外の火の元素を操作します。方法は簡単です。この鉄板の下の薪に、念じて火をつけてください。いい?それだけです。みんな朝飯抜きではらぺこ。私たちの昼食はあなたにかかっています!」
「え、まじで?」
「私が肉と海老、お好み焼きを乗せるのでそしたら友徳くん、始めてください」
「いやぁ、今日は世界の不思議に触れることができるわけですからな。友徳くん、頑張ってくれ!」と警官。
「いや嬉しいねぇ、人生80年。神様のお力と出会うことができるとは思ってなかったよ」とおばあさん。
若者は今度も何も話さず、薪だけを不機嫌に睨んでいた。
麗子は油をテッシュで引いてから肉と海老を置き、ついでにタネの入ったオタマを鉄板に注げた。友徳は木炭を人差し指で指して念じ始めた。——何も起きない。
「言葉で念じると集中できることもあるよ!」と麗子のアドバイスに友徳は従った。
てんで薪は燃え上がることはなく、板敷の上で皆の衆黙り込んだ。若者は示威的に身体をゆすったり、舌打ちをしたりで、大いに友徳の集中を削いだ。
「なんか、ごめんなさい」と友徳は肩を竦めて一言。
「大丈夫!つべこべ言わずに集中!」
「あ、はい」
「いやぁ、ほんと、期待してるんですよ!友徳くん!」と警官。
「私も長く生きてきましたから……気長に待ちますよ」と饅頭の皮みたいな顔に優しさを浮かべたおばあさんが一言。
それでもちっとも火はつかない……友徳が姿勢を変えて鉄板下覗き込みながら指を向けても、横着して指だけ薪のほうに向けても薪は燃え上がらない。レスリングでもジョギングでも正道に負け、薪に火をつけることもできない……劣等感は胸を痛めて、彼は次第に集中力を失っていき、最後には泣いてしまった。
「友徳くん、大丈夫?」
「はい……」
「火を起こすには、集中力がいるからね。慈悲の瞑想の時を思い浮かべて見て」
友徳は涙を拭って目を閉じて、再び指先を薪に向けた。慈悲の瞑想——彼をいつも元気づけてくれる言葉。念じると友徳の胸からムカムカは引いたものの、いまだ火はつかない。
「ほら。みんなに美味しいご飯が配られてるところを想像して見て。みんな幸福な姿を」と麗子。
友徳は想像を巡らせるまでもなく、色々な場面がゆっくりと脳裏に浮かび言葉に爽やかな風が乗るのを感じた。みんな笑顔、動物も人間も昆虫も神霊さえも——幸福に不自由することなくニコニコ、争うこともない——そして一つ善いアイディアが心を橙色に輝かせた。——生命は言葉を聞くことで読むことで心を輝かせる。——善であれ、悪であれ身体の力は弱々しい。逆に言葉の威力は地球を宇宙を覆う。釈尊の説法で多くの人や神が流れに達したように。
喜びに打ち震えた友徳の指先の鉄板の下から小さな煙が立ち始めた。それは次第に大きくなり、薪は確かに炎を上げている……
しばらくしてから彼が顔を上げると、他の三人は少しずつ勢いを増す炎をにこやかに見つめていた。麗子は笑みを崩さず友徳を見やって「おめでとう、友徳くん!」
村の人も喜びと驚きを上げて小さく拍手し、友徳に笑みを注いだ。イライラしていた若者ですら迫真の様子。
炎は玄関から差し込む光と混ざり合って板敷を穏やかに照らした。
「おお、すごい!友徳くん!おお!!」と警官は肩を開きながらも手のひらはコンパクトな拍手をしながら褒めた。
「あなた小さい子なのにすごいねぇ。おばあさん、感心したよ」
「じゃあ、みんな!鉄板焼きとお好み焼きをどうぞ!」と自信満々に友徳。
「友徳くん?今火ついたばっかりだからまだ焼けてないよ?」
一同は抜けている友徳に爆笑した。
火がついてからは、世話焼きをしたがる麗子を押し除けて友徳は鉄板焼き奉行となって、お好み焼き、海老、肉、キャベツ、玉ねぎなどを焼いてみんなに分けた。
「美味しい!ありがとね。友徳くん」
「僕は、火をつけただけだよ。ほらみんなもどうぞ!」
「しかし通力焼きは格別だなぁ!それと友徳くん!後でちょっとインタビューさせてくれ!」と警官。
「え、いいけど。なんですか?」
「いやいや、世の中こんな不思議があるんだからね、君と先生方にはいろいろ聞きたいことがあるんだよ!先生も是非!」
「答えれる範囲でお願いしますよ」と麗子。
突然、若者は皿を置いてから「俺も聞きたいことはある」といってコップの水を流し込んだ。
「あ、はい。後これもどうぞ!」と友徳はイカを若者の皿に乗せた。
後片付けが終わった後、囲炉裏を囲んでいる一同の中で、警官は友徳に若干食いついている様子。彼ほどではないものの若者も同様。おばあさんちょこっと小さく佇んでいる。
「まず、聞きたいことはいろいろありますが……宇宙人、いわゆるNHIを見たことありますかな?」と警官は聞いた。そして「あ、その前に自己紹介!おじさんの名前は亀山博!」
「え?!えっと……あ!」と渋谷での出来事を思い出した友徳は麗子の方へ視線を向けた。麗子は察したようで「大丈夫?話せる?」
「あの、ここの村に来る前に一度見ました!すごいでかいやつで……牛の顔した巨人です」
「てことは、ミノタウルスのことかな?」
「はい。多分……てかどうしてそういうこと気になるんですか?」
「お、よくぞ聞いてくれました!実はね、この前君は西森村の宇宙人について私に聞いたわけなのだけど。確かにあそこでは変なことが起きて廃村になったんだ。私の同僚も調査しに行ったら行方不明になってな。それからいわゆるオカルトを真剣に調査するのが生き甲斐になったんだよ!それとほら、和子さん!義人くん!もうひとりのコジー!」
「なんで今その話なんすか」と義人らしい若者が目を鋭くして一言。
「あれも不思議でしたねぇ」と和子らしいおばあさん。
「ごめん、義人くん。でもこの村も、隣の西森村も不思議なことがよく起きるんだよ。それから調査していくと世の中どうやら魔法?超能力?って言うのかな?そういうのを扱える人間がいてそのことがNHIとも無関係ではないって話が、おじさんが読んだUFO本に書いてあってさ……だから、ちょっと変な質問をしちゃったんだ。ごめんね」
「いいですよ、そのくらい」
「俺はもっと真面目な質問がある」と若者。
「義人くん、お手柔らかに、ね?」と亀山。
「友徳くん?だっけか?ここにいる大人なら知ってると思うが……俺は首相を射殺した男だ。お、その様子なら思い出したかな?」
友徳は一時期ニュースを騒がしていた男……望月義人が目の前にいることにいまさら気づいた。義人の切れ長な目は敵意と悲しみを同時に湛えているかのように濁り始めた。
「俺の村、西森村は君達と違って愛国的でな。教育勅語をみんなで唱えたり、神社参拝は欠かさず、上京して靖国神社に参拝するような家族が多い村だった。みんな幸せに暮らしてたし、子供の頃は朝鮮人を殺してやる!って息巻いていたよ。戦争ごっこではやられ役はいつも朝鮮人でみんなで森で拾った棒切れでタコ殴りしてたな……」
「義人くん、そう言う話をおよし」と文子は一寸の曇りのない穏やかさに光る表情で叱った。
「ああ、わかった。簡潔に話す。俺も博さんと同じで変な体験はいくつかしてる。親父がこの川の洪水の時に俺を渓谷まで連れて行ったことがある。その時はすでに西森村は、廃村していて俺たちは移住していたんだが。それで親父は入水自殺をした。その時に親父のすぐそばに、もうひとりの俺、もしくはもう一人の親父……みたいなのがいたんだよ。夢だと思ったが他にも目撃者がいた。ここにいる博さんも和子婆さんもそのひとりだ。俺はその意味をずっと考えてきた……」
「それで博さんと同じで、不思議に関心を持ったんですか?」と友徳。
「そうだ。そしてもう一つ。俺は留置場にいた時にJRLのクズどもに半ば強引に助けられて娑婆に出たんだ。そしてこの村に軟禁されることになってな。その助け出される時、JRLの武装は銃じゃなかったんだよ……サーベルやら刀に槍だ。それでどうやって留置所を守る機動隊を排除したと思う?俺が見たのは、彼らが武器を触媒に衝撃波や火を放ち、鉄格子を尖った槍に変形させてそれを投擲させる。そんな人間離れした技だ。それがどう言う意味か、京極先生と友徳くんにはわかるか?」
「え?」
「俺はな、今日お前たちの超能力を見にきたのは、尋伺小学校とJRLの関係を疑ってだ。高邑勇魚は卒業生らしいな?週刊誌でもお前らとJRLの関係、朝鮮の関係はよく持ち上がる。それを確認しにきたんだよ。しかしこれでわかった!お前らは反日朝鮮人の連中の予備校だったんだな!それで——」と次第に饒舌さをます義人は、身体を張った博に遮られた。
「ちょっと、義人くん。子供に言うことじゃないと思いますが!それに私は警官だが——」
「離せや!まだ言いたいことはある!おい、ガキ!」と麗子に促されて土間に逃げ込んだ友徳に義人は追撃しようとした。
「俺の母さんはな、おい!お前らの国のカルト宗教に入って人生めちゃくちゃになったんや!おい!京極!お前の学校では従軍慰安婦は無理やり連れてかれたって教えてるらしいな!お前らのその嘘で俺の母さんはな、そのカルトから金を巻き上げられたんや!そして今はJRLみたいなクズで日本を!おいガキ!お前が反日になるなら——」
友徳は怒号が飛び出す古民家を後に大急ぎで家に帰った。
思考はたいてい妄想、頭に巡らせてはいけない、仏教をそう理解していた友徳は、惨めさで緩みに緩んだ手足を回転させて祖母の家まで走った。思考を排除しようと思っても悲痛は胸を締め付けた。
いつものハイキングコースに彼は入れなかった。民間と小さな定食屋の横道の隣を走りすぎた。
家に着いた時、彼は手も洗わず母や文子にただいまも言わずに自室に入って戸を閉めずに、ベッドに飛び込んだ。
「よし、今日の最後のメニューはレスリングだ!ちょうどジョンさんもいるから参加してもらうぞ!じゃあはじめ!」
体育座りの友徳はジョンを見上げた。それに気づいたジョンは笑みを返した。
マットではまず、善至とジョンが手本を示した。相手の掴み方、脇を閉めて守ること、素早く相手の足に向かって倒れ込み、体重を預けてしまうタックル、そしてタックルからの持ち上げ。
「よし、友徳、正道やってみろ。後、正道!お前はかなり力強いから手加減しろよ!」
友徳は正道と相対して腰を屈めて脇を閉めてから、腕を掴み合った。彼は自分の力が正道に及ばないことを早々に気づいたが、腕をむしゃくしゃに振り回して不利にならないように頑張った。
差し腕の駆け引きに集中した彼に、正道は一瞬で身を屈めてから、バネのように一気に掴み掛かり、友徳をぐいっと持ち上げた。
「よし。いいぞ。友徳も頑張れ!」
気を取り直した友徳は正道の腕を強く握りしめ、腕がもつれ込み、胴と胴の押し合いになると、汗を流しながら離すまいと歯を食いしばった。しかし何度やっても友徳は疲れを感じた瞬間、簡単にタックルを許し、軽々と持ち上げられてしまう……息を切らせ、汗を大量に流しながら彼らは掴み合った……
5回はすでに持ち上げられたであろう彼はニュートラルの時、さっきの火の通力を思い起こした。身体の熱という熱に対して、命令を下すと彼の肌から大汗が吹き出し、細い腕はちょびっと盛り上がった。
イケる!と思った彼はさっきとは打って変わってすばしっこくタックルを繰り返した。正道は防御に必死でなんとか押し退けるという風体だ、と彼は手応えを感じた。
まるでバッタのよう……そう感じた跳躍で正道の脚に掴み掛かった友徳は、1秒後にはマットに沈み込まされていた。タックルを見事に切られたのだ。
「よし!いい感じだな……じゃあ最後にお前らにサプライズ。ジョン先生に通力を披露してもらうか。正道、ジョン先生に渾身の……いやそしたら怪我するか。ちょっと加減してタックルしてみろ」
ジョンは靴を脱いでからマットに乗り「じゃあ披露するよ。がんばりますよ!」と言ってレスリングの力強い防御的な構えをした。「遠慮しなくて……いや、ちょっと加減してね?本気でやったらどっちかが怪我するから」
正道は腰をかがめてから素早く倒れ込むぴょんぴょん飛ぶウサギを彷彿させるタックルをジョンに放った。ジョンは一歩も動じず、逆にタックルした正道は跳ね返されて、軽く転んだ。
「正道くん、どうだった?地の通力は」
「すげぇ、まじで動かない……どうして?」
友徳には子供が大きな大人に跳ね返されただけに見えた。感嘆の眼差しでジョンを見上げる正道に満足を表した善至は「地の元素はな、身体強化としてはまず、骨を強化できる。筋肉が元からあって、そこに骨を適度に強化すれば、とんでもなく強靭になれるんだ。後、武器を地の元素でエンチャントしたり、地面の土をめちゃくちゃ硬くして鈍器にしたりできる人もいるな」
「まじ、すごい山みたいに動かないよ、友徳」
「友徳くんもやってみえる?」とジョン。
「正道が敵わないなら俺はいいや……」
「確かに今の友徳ならタックルした瞬間全身骨折しかねんな」と善至。
それから正道は何度か挑戦した。しかし一度も、そして一歩もジョンを動かすことはできなかった。
この日家に帰ったら友徳は、すぐさまシャワーを浴びてからソファに寝転んだ。そこに千華子がキンキンに冷えたサイダーが注がれたコップを持ってきた。
「お母さん、ありがとう!」
「今日は、通力の授業があったらしいわね?どうだった?」
「すごく疲れたよ……」
「今日は早く寝て明日に備えなさいよー。あ、夜ご飯は今日もとものりの好きなポテサラだよ」
「嬉しい!でも、ちょっと寝る……」
夕日の燃えあがるようなオレンジの光子の中で友徳は眠りに落ちた。
次の日、昼起きて支度していると、今日の授業の先生である麗子が玄関まで迎えにきた。
「友徳くん、迎えにきたよ。今日も結構厳しいから、ちゃんと眠気とって!ほら!」と麗子は寝ぼけて目をしょぼつかせた友徳を励ました。
今日は昼過ぎからの授業だった。昨日の眠りは昼まで続いたようで、友徳はポテサラをブランチにすることになってしまった。
彼は修行場までの道のりをハイキングコースに沿って歩いて行った。真横からでも麗子の整った顔立ちと意思の強い目つきに友徳は内心ビクビクする思いだった。
「昨日、ここで練習したんだって?」と土手道を長い足で便りなさげに先に進む麗子は振り返って尋ねた。
「そうです。疲れたよ……本当!」
「今日はそういう体力勝負のことはしないから安心してね」
「どこで練習するの?」
「今日はね、古民家まで行くよ。そこで薪を燃やす練習」
麗子は後ろを振り向き友徳を見守るようでいながら、高い位置にある尻から伸びた足はしきりに石に蹴躓き、泥濘で滑りそうになった。
「先生、ちょっと大丈夫?」
「あ、ごめん、ごめん。ちょっと昨日飛鳥くんと愛華さんを教えるのに張り切りすぎちゃってね、疲れてて……」
「通力って身体に堪えたりするの?」
「うん。人によるけど通力に向かない体ってあるんだよ。私はそのタイプ……キャァ!!」麗子は地下水の染み込んだ部分で石につまづいて後ろに倒れ込んだ。友徳はすかさず麗子の肩を抱き、沈み込む身体を持ち上げるために太ももをガッツリと掴み、ひょいと腕に抱いた。
「あん!……あ、ちょっと!」と普段の強気とは打って変わって麗子の眉は垂れて口元は歪んだ。
「あ、ごめん。ちょっと先生、大丈夫?」
「ごめんね、友徳くん!あ、そこに降ろして」
友徳は濡れてない岩の陰に麗子をゆっくりと置いた。抱いてから置くまで彼は少しだけドキドキした。
「先生、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫……練習は私は口で教えるだけにするから。てか、本当にありがとうね」と麗子はわざとらしいすまし顔で友徳を見上げた。
「あ、大丈夫だよ」
「じゃ、そろそろだから行こか」
彼らは中央の鉄橋よりも二つ手前の橋の部分で、道路に上り、西側に渡ってから古民家を訪れた。戸を開けると土間があり、その部屋には囲炉裏もあった。そして驚くことに村人が三人座っていた。
その中の二人は友徳と麗子を見ると快活な笑みを浮かべて立ち上がり、おはよう!と挨拶をした。友徳が西の門について聞いた警官もいた。
土間で靴を脱いだ友徳は囲炉裏の脇に座り、同じく横に座って男みたいに足を開いている麗子の言葉を待った。
囲炉裏にはすでに薪と鉄板が用意され、横には肉や海老、お好み焼きのタネがあった。
「今日は、子供達がご馳走してくれるそうで……」と正座する老婆。
「いやぁ、もちろん今日は朝飯抜きですからね!楽しみですなぁ」と警官が一言。
もう一人の若者は猫背のあぐら姿でスマホをいじり始めた。この男はさっき挨拶した時も首を回したり頭を書いたりして落ち着きがなかった。
「それじゃあ、友徳くん。まず手を洗いに行くよ……」
お皿みたいな洗面台で手を洗い、顔を洗った友徳は麗子と共にまた囲炉裏に戻った。
「じゃあ説明するね。友徳くん、君は火の元素をある程度操作できます。昨日は、善至先生と一緒に身体を鍛えて身体の火の元素を発見しましたね?今日は、外の火の元素を操作します。方法は簡単です。この鉄板の下の薪に、念じて火をつけてください。いい?それだけです。みんな朝飯抜きではらぺこ。私たちの昼食はあなたにかかっています!」
「え、まじで?」
「私が肉と海老、お好み焼きを乗せるのでそしたら友徳くん、始めてください」
「いやぁ、今日は世界の不思議に触れることができるわけですからな。友徳くん、頑張ってくれ!」と警官。
「いや嬉しいねぇ、人生80年。神様のお力と出会うことができるとは思ってなかったよ」とおばあさん。
若者は今度も何も話さず、薪だけを不機嫌に睨んでいた。
麗子は油をテッシュで引いてから肉と海老を置き、ついでにタネの入ったオタマを鉄板に注げた。友徳は木炭を人差し指で指して念じ始めた。——何も起きない。
「言葉で念じると集中できることもあるよ!」と麗子のアドバイスに友徳は従った。
てんで薪は燃え上がることはなく、板敷の上で皆の衆黙り込んだ。若者は示威的に身体をゆすったり、舌打ちをしたりで、大いに友徳の集中を削いだ。
「なんか、ごめんなさい」と友徳は肩を竦めて一言。
「大丈夫!つべこべ言わずに集中!」
「あ、はい」
「いやぁ、ほんと、期待してるんですよ!友徳くん!」と警官。
「私も長く生きてきましたから……気長に待ちますよ」と饅頭の皮みたいな顔に優しさを浮かべたおばあさんが一言。
それでもちっとも火はつかない……友徳が姿勢を変えて鉄板下覗き込みながら指を向けても、横着して指だけ薪のほうに向けても薪は燃え上がらない。レスリングでもジョギングでも正道に負け、薪に火をつけることもできない……劣等感は胸を痛めて、彼は次第に集中力を失っていき、最後には泣いてしまった。
「友徳くん、大丈夫?」
「はい……」
「火を起こすには、集中力がいるからね。慈悲の瞑想の時を思い浮かべて見て」
友徳は涙を拭って目を閉じて、再び指先を薪に向けた。慈悲の瞑想——彼をいつも元気づけてくれる言葉。念じると友徳の胸からムカムカは引いたものの、いまだ火はつかない。
「ほら。みんなに美味しいご飯が配られてるところを想像して見て。みんな幸福な姿を」と麗子。
友徳は想像を巡らせるまでもなく、色々な場面がゆっくりと脳裏に浮かび言葉に爽やかな風が乗るのを感じた。みんな笑顔、動物も人間も昆虫も神霊さえも——幸福に不自由することなくニコニコ、争うこともない——そして一つ善いアイディアが心を橙色に輝かせた。——生命は言葉を聞くことで読むことで心を輝かせる。——善であれ、悪であれ身体の力は弱々しい。逆に言葉の威力は地球を宇宙を覆う。釈尊の説法で多くの人や神が流れに達したように。
喜びに打ち震えた友徳の指先の鉄板の下から小さな煙が立ち始めた。それは次第に大きくなり、薪は確かに炎を上げている……
しばらくしてから彼が顔を上げると、他の三人は少しずつ勢いを増す炎をにこやかに見つめていた。麗子は笑みを崩さず友徳を見やって「おめでとう、友徳くん!」
村の人も喜びと驚きを上げて小さく拍手し、友徳に笑みを注いだ。イライラしていた若者ですら迫真の様子。
炎は玄関から差し込む光と混ざり合って板敷を穏やかに照らした。
「おお、すごい!友徳くん!おお!!」と警官は肩を開きながらも手のひらはコンパクトな拍手をしながら褒めた。
「あなた小さい子なのにすごいねぇ。おばあさん、感心したよ」
「じゃあ、みんな!鉄板焼きとお好み焼きをどうぞ!」と自信満々に友徳。
「友徳くん?今火ついたばっかりだからまだ焼けてないよ?」
一同は抜けている友徳に爆笑した。
火がついてからは、世話焼きをしたがる麗子を押し除けて友徳は鉄板焼き奉行となって、お好み焼き、海老、肉、キャベツ、玉ねぎなどを焼いてみんなに分けた。
「美味しい!ありがとね。友徳くん」
「僕は、火をつけただけだよ。ほらみんなもどうぞ!」
「しかし通力焼きは格別だなぁ!それと友徳くん!後でちょっとインタビューさせてくれ!」と警官。
「え、いいけど。なんですか?」
「いやいや、世の中こんな不思議があるんだからね、君と先生方にはいろいろ聞きたいことがあるんだよ!先生も是非!」
「答えれる範囲でお願いしますよ」と麗子。
突然、若者は皿を置いてから「俺も聞きたいことはある」といってコップの水を流し込んだ。
「あ、はい。後これもどうぞ!」と友徳はイカを若者の皿に乗せた。
後片付けが終わった後、囲炉裏を囲んでいる一同の中で、警官は友徳に若干食いついている様子。彼ほどではないものの若者も同様。おばあさんちょこっと小さく佇んでいる。
「まず、聞きたいことはいろいろありますが……宇宙人、いわゆるNHIを見たことありますかな?」と警官は聞いた。そして「あ、その前に自己紹介!おじさんの名前は亀山博!」
「え?!えっと……あ!」と渋谷での出来事を思い出した友徳は麗子の方へ視線を向けた。麗子は察したようで「大丈夫?話せる?」
「あの、ここの村に来る前に一度見ました!すごいでかいやつで……牛の顔した巨人です」
「てことは、ミノタウルスのことかな?」
「はい。多分……てかどうしてそういうこと気になるんですか?」
「お、よくぞ聞いてくれました!実はね、この前君は西森村の宇宙人について私に聞いたわけなのだけど。確かにあそこでは変なことが起きて廃村になったんだ。私の同僚も調査しに行ったら行方不明になってな。それからいわゆるオカルトを真剣に調査するのが生き甲斐になったんだよ!それとほら、和子さん!義人くん!もうひとりのコジー!」
「なんで今その話なんすか」と義人らしい若者が目を鋭くして一言。
「あれも不思議でしたねぇ」と和子らしいおばあさん。
「ごめん、義人くん。でもこの村も、隣の西森村も不思議なことがよく起きるんだよ。それから調査していくと世の中どうやら魔法?超能力?って言うのかな?そういうのを扱える人間がいてそのことがNHIとも無関係ではないって話が、おじさんが読んだUFO本に書いてあってさ……だから、ちょっと変な質問をしちゃったんだ。ごめんね」
「いいですよ、そのくらい」
「俺はもっと真面目な質問がある」と若者。
「義人くん、お手柔らかに、ね?」と亀山。
「友徳くん?だっけか?ここにいる大人なら知ってると思うが……俺は首相を射殺した男だ。お、その様子なら思い出したかな?」
友徳は一時期ニュースを騒がしていた男……望月義人が目の前にいることにいまさら気づいた。義人の切れ長な目は敵意と悲しみを同時に湛えているかのように濁り始めた。
「俺の村、西森村は君達と違って愛国的でな。教育勅語をみんなで唱えたり、神社参拝は欠かさず、上京して靖国神社に参拝するような家族が多い村だった。みんな幸せに暮らしてたし、子供の頃は朝鮮人を殺してやる!って息巻いていたよ。戦争ごっこではやられ役はいつも朝鮮人でみんなで森で拾った棒切れでタコ殴りしてたな……」
「義人くん、そう言う話をおよし」と文子は一寸の曇りのない穏やかさに光る表情で叱った。
「ああ、わかった。簡潔に話す。俺も博さんと同じで変な体験はいくつかしてる。親父がこの川の洪水の時に俺を渓谷まで連れて行ったことがある。その時はすでに西森村は、廃村していて俺たちは移住していたんだが。それで親父は入水自殺をした。その時に親父のすぐそばに、もうひとりの俺、もしくはもう一人の親父……みたいなのがいたんだよ。夢だと思ったが他にも目撃者がいた。ここにいる博さんも和子婆さんもそのひとりだ。俺はその意味をずっと考えてきた……」
「それで博さんと同じで、不思議に関心を持ったんですか?」と友徳。
「そうだ。そしてもう一つ。俺は留置場にいた時にJRLのクズどもに半ば強引に助けられて娑婆に出たんだ。そしてこの村に軟禁されることになってな。その助け出される時、JRLの武装は銃じゃなかったんだよ……サーベルやら刀に槍だ。それでどうやって留置所を守る機動隊を排除したと思う?俺が見たのは、彼らが武器を触媒に衝撃波や火を放ち、鉄格子を尖った槍に変形させてそれを投擲させる。そんな人間離れした技だ。それがどう言う意味か、京極先生と友徳くんにはわかるか?」
「え?」
「俺はな、今日お前たちの超能力を見にきたのは、尋伺小学校とJRLの関係を疑ってだ。高邑勇魚は卒業生らしいな?週刊誌でもお前らとJRLの関係、朝鮮の関係はよく持ち上がる。それを確認しにきたんだよ。しかしこれでわかった!お前らは反日朝鮮人の連中の予備校だったんだな!それで——」と次第に饒舌さをます義人は、身体を張った博に遮られた。
「ちょっと、義人くん。子供に言うことじゃないと思いますが!それに私は警官だが——」
「離せや!まだ言いたいことはある!おい、ガキ!」と麗子に促されて土間に逃げ込んだ友徳に義人は追撃しようとした。
「俺の母さんはな、おい!お前らの国のカルト宗教に入って人生めちゃくちゃになったんや!おい!京極!お前の学校では従軍慰安婦は無理やり連れてかれたって教えてるらしいな!お前らのその嘘で俺の母さんはな、そのカルトから金を巻き上げられたんや!そして今はJRLみたいなクズで日本を!おいガキ!お前が反日になるなら——」
友徳は怒号が飛び出す古民家を後に大急ぎで家に帰った。
思考はたいてい妄想、頭に巡らせてはいけない、仏教をそう理解していた友徳は、惨めさで緩みに緩んだ手足を回転させて祖母の家まで走った。思考を排除しようと思っても悲痛は胸を締め付けた。
いつものハイキングコースに彼は入れなかった。民間と小さな定食屋の横道の隣を走りすぎた。
家に着いた時、彼は手も洗わず母や文子にただいまも言わずに自室に入って戸を閉めずに、ベッドに飛び込んだ。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異国の地で奴隷として売られた巨乳美少女”朋美”
アダルト小説家 迎夕紀
青春
無実の罪を着せられ、性欲処理奴隷に身を落とした巨乳美少女の物語。
-----------------------------
人生初の海外旅行でセライビア共和国を訪れた朋美。
ところが税関で身に覚えのない覚せい剤が荷物から発見された。
執拗な拷〇に屈して罪を認めてしまい、そのまま灼熱地獄の刑務所へ送られた朋美。
灼熱の地で過酷な重労働。夜になれば汚い男達に毎日犯され続ける地獄の日々に終わりは来るのか・・・。
-----------------
主人公の女の子:朋美(ともみ)
職業:女学生
身長:167cm
スリーサイズ:B101 W:59 H:94
-----------------
*こちらは表現を抑えた少ない話数の一般公開版です。大幅に加筆し、より過激な表現を含む全編35話(プロローグ16話、本編19話)を読みたい方は以下のURLをご参照下さい。
https://note.com/adult_mukaiyuki/m/m3c9da6af445b
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる