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※54 一緒に
しおりを挟む「あっ、そこなに……っ?」
蒼井の中指の腹が、ピンク色の小さな窄まりにトン、と触れる。
ジンと痺れるような、未知の感触。
ぐっぐっと指先で押される度に身体の奥の方が甘く疼き、俺はフルフルと首を横に振った。
「な、なんか…… っそれ、やば……ぃ……んっ」
「ふ、こっちも良さそうだな。でも……」
蒼井は少し切なげに微笑むと、スッと指先を離した。
「蒼井……?」
「ん、ここはまた今度ゆっくり、な。今日はこっち」
「え……あっ!」
尻に触れていた蒼井の手が離れたかと思うと、今度はお互いの自身を包み込んだ。
僅かにヌチヌチと上下に動かされると、痺れるような快楽に声が漏れる。
「あっ、んっ、待っ……」
「はっ、やば……これ、ローション足したらどうなるんだろ」
「ろー……しょん……」
蕩けるような快楽にすっかりトロンとなってしまいながら見上げると、蒼井はサイドテーブルの引き出しから何かを取り出した。
そしてキャップを押し上げて開けると、トロリとローションを手のひらに落とした。
「これ、敏感になる成分が入ってるんだって。ちょっと試してみよ」
「え、ええっ!?」
敏感になる成分てなんだ。
混乱している間にも、蒼井は手のひらについたローションを二人の竿全体に塗り広げていく。
「あっ、んぁ……っ冷た」
「んっ……少し、馴染むまで我慢して」
俺を宥めながら、蒼井はヌルヌルとローションを広げていく。
「んぁっ、や、ああっ」
わざとなのか、蒼井は指先で表面をゆっくりとなぞるように触れてくる。
そうされると気持ち良すぎて、俺は思い切り身を捩った。
「ああっ、それ、やっ……蒼井……っ」
「は、えっろ。颯太、そんなに大きい声だしたら、両隣の人に聞こえちゃうよ?」
「んんっ……!」
そういえば、蒼井の部屋は壁が薄いんだっけ。
思い出し、俺は慌てて口元を手で覆おう。
けれど、抑えようとすればするほど中心をいやらしく攻め立てられ、たまらない。
それなのに、暫くするとローションの成分も手伝って、ますます身体が敏感になってしまった。
肌に成分が浸透し、少し触れられただけでも甘い快楽が腰元を襲う。
「あっ!? や、な、んか……っんぁっ……は、きもちぃ……っ」
「ふ、やば……っく、これ、結構効くな」
蒼井も気持ちいいのか、僅かに眉を寄せて小さく喘いでいる。
(蒼井も、気持ちぃ……んだ)
二人のが擦れ合って、グチグチといやらしい音が部屋に響く。
その音だけでもエロくて堪らないのに、蒼井はワザと手を焦らすように動かしながら、指先で先端をクルクルと撫で回す。
「あっ、それらめっ、やぁっ、んんっ」
「颯太……かわい」
「あっ、耳、だめぇ……っ」
耳元で囁かれ、俺はビクビクと肩を振るわせて微かな抵抗を示す。
けれど蒼井の手は止まらないし、更に甘く囁かれて、どんどん追い詰められていく。
「好きだよ、颯太……好き」
告白と共に、今度は首筋にキスをされる。
「んんっ、あ、俺、も……俺も、好きぃ……っ」
「ん、かわい…… っ、は、颯太、もう、やばい……っ止まんねぇかも」
「んぁ……っ蒼井、俺も……イ、きそ……っ」
蒼井の手の動きがより一層速まり、一気に高められていく。
ーーそして。
「ああっ、あーー……っ」
「く……っ」
溜め込まれた快楽が一気に解き放たれ、目の前が真っ白になる。
(蒼井……)
先端から勢いよく精を吐き出し、二人の吐息だけが部屋に響く。
トロンとした目で見つめると、優しく唇を奪われ、舌が絡み合った。
「ん……」
……幸せ。
俺たちはその後も暫くキスを堪能し、甘い余韻に浸ったのだった。
・・・
ーー翌日。
「ん……」
朝、目が覚めると、窓から明るい陽の光が差し込んでいた。
目を擦りつつスマホで時間を確認すると、現在朝の七時。
「ん~……ねむ」
結局、明け方までイチャイチャしていたので、まだ眠くて起き上がる気になれない。
それに、ローションの効果がまだ持続していて、布団が擦れただけで気持ちいい。
俺はゴロンと寝返りを打ち、まだスヤスヤ眠っている蒼井の顔を見つめた。
(へへ、寝顔はなんか、可愛いのな)
いつものように整った顔立ちなのは変わらないけれど、こうして眠っている姿は無防備であどけなく見える。
いつまでも見ていられると思い見つめていると、蒼井が薄らと目を開いた。
「……おはよ」
「お、おはよ……っ」
寝起きの色っぽい声に、つい戸惑ってしまう。
顔を赤らめ目を逸らしていると、腰元をぐいっと引き寄せられた。
「……っ」
「んー……朝起きたら颯太がいる。夢みたい」
「ば……っ夢じゃねぇし」
照れ隠しに言うと、蒼井はもう一度ぎゅっとしてから腕の力を緩めた。
そして俺の顔を覗き込み……。
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