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49 カラオケ
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カラオケボックスは、駅前から少し歩いた場所にある綺麗なビルの中にあり、4時間の歌い放題コースにした。
部屋にはマイク等の機材が全て揃っており、ソファーも座り心地が良く、歌わなかったら昼寝してしまいそうなぐらい快適な空間だ。
ソファーに座ると、蒼井は早速タブレットを手に取り、選曲に取り掛かった。
「んー……颯太、一緒に歌わない?」
「え、いや、蒼井が先に歌えって」
確かに、発声練習になって良いかもしれないけれど、俺はなんとなく遠慮してしまった。
しかし、蒼井は強引に話を推し進めてくる。
「遠慮すんなって。そうだなー……あ、これ! 俺、実はここに来る前から颯太と歌おうと思ってたんだよね」
「えっ……」
ここに来る前からって、そんなこと言われたら断れないではないか。
(も、もう……っ)
歩いている時まで自分との事を考えてくれていたのかと思うと、なんだかくすぐったい気分になる。
俺は自分の服の裾をギュッと掴み、頬を赤らめながら言った。
「い、一緒に、歌ってやっても、いいけど?」
「……っ!」
やや上目遣いで言うと、蒼井はなぜか頬を赤くして向こうを向いてしまった。
そして何やら小声で呟く。
「可愛すぎなんだよ……っ」
「え? 何?」
「っなんでもない。じゃ、曲入れるよ?」
蒼井は何かを振り切るように前髪をわしゃわしゃかき乱してから、タブレットを手早く操作して曲を送信した。
すると少しして、曲のイントロがジャーンと流れてきた。
マイクを手渡され待っていると、蒼井から「先に歌え」と促される。
「え、やだ。蒼井が先に歌えよっ」
「えー、颯太の歌、早く聞きたいんだけどなぁ」
「じゃあ二人で同時に入ればいいだろ。ほら、せーの……」
歌が入るタイミングで掛け声をかけ、俺は恥ずかしながらも声を出した。
が、しかし。
蒼井は口パクだけすると、ニヤニヤしながらこちらを見た。
「颯太、うまいじゃん」
「~~っ!」
見られながら歌うの、恥ずかしすぎる。
耐えられず、俺は真っ赤になりながらマイクをソファーの上に放り投げた。
「ばか! 蒼井もちゃんと歌えよっ」
ムカついたので正面からポカポカ殴りかかると、パシッとその手を捕まれ、そのまま引き寄せられてしまった。
急に距離が近付き、思わずドキッとしてしまう。
「……っな、なに?」
「はぁ~~……四時間も歌い放題とか、やっぱ無理かも」
「え?」
カラオケボックスは、駅前から少し歩いた場所にある綺麗なビルの中にあり、4時間の歌い放題コースにした。
部屋にはマイク等の機材が全て揃っており、ソファーも座り心地が良く、歌わなかったら昼寝してしまいそうなぐらい快適な空間だ。
ソファーに座ると、蒼井は早速タブレットを手に取り、選曲に取り掛かった。
「んー……颯太、一緒に歌わない?」
「え、いや、蒼井が先に歌えって」
確かに、発声練習になって良いかもしれないけれど、俺はなんとなく遠慮してしまった。
しかし、蒼井は強引に話を推し進めてくる。
「遠慮すんなって。そうだなー……あ、これ! 俺、実はここに来る前から颯太と歌おうと思ってたんだよね」
「えっ……」
ここに来る前からって、そんなこと言われたら断れないではないか。
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歩いている時まで自分との事を考えてくれていたのかと思うと、なんだかくすぐったい気分になる。
俺は自分の服の裾をギュッと掴み、頬を赤らめながら言った。
「い、一緒に、歌ってやっても、いいけど?」
「……っ!」
やや上目遣いで言うと、蒼井はなぜか頬を赤くして向こうを向いてしまった。
そして何やら小声で呟く。
「可愛すぎなんだよ……っ」
「え? 何?」
「っなんでもない。じゃ、曲入れるよ?」
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すると少しして、曲のイントロがジャーンと流れてきた。
マイクを手渡され待っていると、蒼井から「先に歌え」と促される。
「え、やだ。蒼井が先に歌えよっ」
「えー、颯太の歌、早く聞きたいんだけどなぁ」
「じゃあ二人で同時に入ればいいだろ。ほら、せーの……」
歌が入るタイミングで掛け声をかけ、俺は恥ずかしながらも声を出した。
が、しかし。
蒼井は口パクだけすると、ニヤニヤしながらこちらを見た。
「颯太、うまいじゃん」
「~~っ!」
見られながら歌うの、恥ずかしすぎる。
耐えられず、俺は真っ赤になりながらマイクをソファーの上に放り投げた。
「ばか! 蒼井もちゃんと歌えよっ」
ムカついたので正面からポカポカ殴りかかると、パシッとその手を捕まれ、そのまま引き寄せられてしまった。
急に距離が近付き、思わずドキッとしてしまう。
「……っな、なに?」
「はぁ~~……四時間も歌い放題とか、やっぱ無理かも」
「え?」
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2022/04/15を持って、こちらの短編集は完結とさせていただきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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前作に
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・下剋上っぽい関係
短編集も完結してるで、プロフィールからぜひ!
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