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45 デートの約束
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・・・
その後、パフェはなんだかんだで食べ終わり、帰る時間が迫ってきていた。
とはいえ、お互いもう大人で一人暮らしなのだから、泊まるという選択肢もあるのだけれど。
(ていうか、この前既に泊まってるしな)
前回のことを思い出すと、また頬が熱くなってくる。
今日はまだエロい展開にはあまりなっていないけれど、このまま泊まったら絶対にそういう雰囲気になってしまう。
(うぅ、別に嫌じゃないかもだけど、心の準備が……っ)
俺はいつも蒼井のペースに巻き込まれている気がする。
だから今日は一旦帰って、一人の時間が欲しい、とか言ってカッコつけたいところだ。
そう思い、チラリと蒼井の方を見ると、満面の笑みで微笑まれた。
「今日、泊まってくよね?」
「……っ」
ったくこいつは。
俺はすくっと立ち上がると、ジロリと蒼井を見下ろした。
「今日は帰る。ちょっと……今日はまだ、心の準備とか……」
ボソボソと言い訳を並べていると、蒼井は見兼ねたように立ち上がり、後ろからぎゅうっと俺の身体を抱き締めてきた。
「……」
……嫌じゃない。
嫌じゃないっていうかむしろ好きなんだけど、そういう事じゃなくて。
嬉しいと感じつつも、俺はモゾモゾと蒼井の腕から逃れた。
「……っ離せって! あのさ、俺、お前の事好きだけど、その……展開はや過ぎて、色々こう……一旦、落ち着きたい」
「んー……」
俺の意見に、蒼井はしばし黙る。
そして、少し拗ねたような声で言った。
「でもさ……そう言うのって、冷静になったらやっぱ好きじゃなかったー、とかにならない?」
「な、なんねーよっ! 別に、そういう意味で一旦落ち着きたい訳じゃねぇし……んだよ、心配なのか?」
「ん……颯太の気持ち、繋ぎ止めておきたいから心配。だから……今日は一緒に居たいんだけど、だめ?」
「だめ」
つい、即答してしまった。
とりあえず、なんか今日は帰ったほうが良い気がするのだ。
このままお泊まりだと、絶対にエロい展開になるだろうし、そういうのは……なんか違う、と思う。
(……そうだ)
ふと、良いことを思いついた。
これなら蒼井も納得するのではないだろうか。
俺は振り向くと、ぴっと人差し指を突き立てた。
「なぁ、今度一緒にどこか行かねぇ? ほら、蒼井が言ってた新しく出来たケーキ屋とか」
「え? ああ……いいけど。それって、デートってこと?」
「う、うん……っ」
我ながら恥ずかしくて真っ赤になりながら頷くと、頭にポンと手を乗せられた。
チラリと見上げると、蒼井は困ったような笑みを浮かべている。
「はぁ、颯太は本当に純粋というか真面目というか……いいよ、まずはデートね?」
「いいの……?」
「いーよ。ただし、デートの日はお泊まりも考えておいて?」
「う……っわ、分かった……」
「ん、よし」
……そんなこんなで。
この日、俺は蒼井とデートの約束をして、無事自宅へ帰る事になった。
と、それは良かったのだが。
(はぁ……今日もキス、しちゃった……次はデートかぁ)
帰る道すがら、俺の頭の中はすっかり蒼井一色。
そのせいで、俺はこの後、Kに返事をするのを忘れたまま過ごしたのだったーー。
その後、パフェはなんだかんだで食べ終わり、帰る時間が迫ってきていた。
とはいえ、お互いもう大人で一人暮らしなのだから、泊まるという選択肢もあるのだけれど。
(ていうか、この前既に泊まってるしな)
前回のことを思い出すと、また頬が熱くなってくる。
今日はまだエロい展開にはあまりなっていないけれど、このまま泊まったら絶対にそういう雰囲気になってしまう。
(うぅ、別に嫌じゃないかもだけど、心の準備が……っ)
俺はいつも蒼井のペースに巻き込まれている気がする。
だから今日は一旦帰って、一人の時間が欲しい、とか言ってカッコつけたいところだ。
そう思い、チラリと蒼井の方を見ると、満面の笑みで微笑まれた。
「今日、泊まってくよね?」
「……っ」
ったくこいつは。
俺はすくっと立ち上がると、ジロリと蒼井を見下ろした。
「今日は帰る。ちょっと……今日はまだ、心の準備とか……」
ボソボソと言い訳を並べていると、蒼井は見兼ねたように立ち上がり、後ろからぎゅうっと俺の身体を抱き締めてきた。
「……」
……嫌じゃない。
嫌じゃないっていうかむしろ好きなんだけど、そういう事じゃなくて。
嬉しいと感じつつも、俺はモゾモゾと蒼井の腕から逃れた。
「……っ離せって! あのさ、俺、お前の事好きだけど、その……展開はや過ぎて、色々こう……一旦、落ち着きたい」
「んー……」
俺の意見に、蒼井はしばし黙る。
そして、少し拗ねたような声で言った。
「でもさ……そう言うのって、冷静になったらやっぱ好きじゃなかったー、とかにならない?」
「な、なんねーよっ! 別に、そういう意味で一旦落ち着きたい訳じゃねぇし……んだよ、心配なのか?」
「ん……颯太の気持ち、繋ぎ止めておきたいから心配。だから……今日は一緒に居たいんだけど、だめ?」
「だめ」
つい、即答してしまった。
とりあえず、なんか今日は帰ったほうが良い気がするのだ。
このままお泊まりだと、絶対にエロい展開になるだろうし、そういうのは……なんか違う、と思う。
(……そうだ)
ふと、良いことを思いついた。
これなら蒼井も納得するのではないだろうか。
俺は振り向くと、ぴっと人差し指を突き立てた。
「なぁ、今度一緒にどこか行かねぇ? ほら、蒼井が言ってた新しく出来たケーキ屋とか」
「え? ああ……いいけど。それって、デートってこと?」
「う、うん……っ」
我ながら恥ずかしくて真っ赤になりながら頷くと、頭にポンと手を乗せられた。
チラリと見上げると、蒼井は困ったような笑みを浮かべている。
「はぁ、颯太は本当に純粋というか真面目というか……いいよ、まずはデートね?」
「いいの……?」
「いーよ。ただし、デートの日はお泊まりも考えておいて?」
「う……っわ、分かった……」
「ん、よし」
……そんなこんなで。
この日、俺は蒼井とデートの約束をして、無事自宅へ帰る事になった。
と、それは良かったのだが。
(はぁ……今日もキス、しちゃった……次はデートかぁ)
帰る道すがら、俺の頭の中はすっかり蒼井一色。
そのせいで、俺はこの後、Kに返事をするのを忘れたまま過ごしたのだったーー。
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