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24 BL好きなの?
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退出ボタンに伸ばしていた指先を引っ込め、俺はKに向けて挨拶文を打った。
『K>こんにちは!ここで会うなんて偶然だな!』
すると、少ししてKから返事が来た。
『SS>こんにちは。BL好きなのか?初耳』
(う……)
別に嫌いなわけではないけれど、好きかと問われれば、よく分からない。
まぁ、BLといえば、男同士のイチャイチャだろうという事ぐらいは流石に分かるけど。
(あ……)
しかし、BLで思い当たる事があり、俺は僅かに目を見開いた。
男同士のイチャイチャ、俺はまさに体験したばかりではないか。
蒼井との事を思い出し、一気に顔が熱くなる。
(言われてみれば、あれってまさにBLなんじゃ……っ)
イチャイチャどころか、キス以上のエロい事までされてしまった。
しかも、めちゃくちゃ気持ちよくて……。
(って、何思い出してんだ俺はっ!!)
正気を取り戻し、Kとの会話に集中する。
俺はKにチャットの返事を返した。
『K>まぁな。あ、あのさ、ちょっと相談したい事があんだけど、移動いい?』
すると、すぐにKから返事がくる。
『SS>いいよ。この前、約束したもんな』
『K>さんきゅー! んじゃ、今日はこっちでいい?』
こっちというのは、サロン上にある俺の部屋の事だ。
Kは二つ返事でOKしてくれた。
そんなわけで移動することになってホッと一息……ついたのも束の間、エリアに居た腐女子達が俺達のやりとりを放っておく訳がなかった。
『うおおおおおおリアル!!リアルBL尊い!!』
『お二人とも、ごごごごゆっくりぃぃぃいい!』
(お、おう……)
どうやら、俺達のやりとりは腐女子にとってはご褒美だったらしい。
俺はまた適当に返事を返すと、BLエリアを後にした。
・・・
俺の部屋に移動すると、Kもすぐに移動してきた。
『お待たせ。SS、すっかり騒がれてたけど大丈夫だった? 俺、無視しちゃった』
確かに、Kは腐女子達を見事に無視していた。
俺はというと、あの後『ゆっくりしてくるわ!』と、いかにも腐男子っぽい返事をして、後腐れなく退出したのだった。
やはり、せっかく入ったオンラインサロンなので、人間関係は円滑にいきたい。
そんなわけで、俺はKにチャットを返す。
『大丈夫、いい感じに返事しといたから』
『そっか。あのさ……やっぱ、そういうのって大事?』
(え……)
なんだか、Kのイメージに合わない質問をされ、少しだけ戸惑う。
もしかすると俺の勝手な想像なのかもしれないけれど、Kはそういう挨拶とか細かい事は全然気にしていないと思っていた。
俺は意外に思いつつ、Kの問いに答えた。
『まぁ、大事かも? 俺、オンラインサロンって初めてだし、ここではなるべく、みんなと仲良くしたいと思っててさ』
するとKからも返事がきた。
『そっか。まぁ、俺も初めてだし、次は気をつけるわ』
Kは短くそう打つと、その後またすぐにチャットを送ってきた。
『なぁ、もう一個だけ質問なんだけど』
(ん?)
なんだろうと、俺も返事を打つ。
『ん?どした??』
聞くと、Kは暫くしてから返事を返してきた。
『すまん。その……SSは、気を許せるという意味で、気を遣わなくていい相手とか、好きな相手が目の前にいる時、どういう風に接する?』
「へ……?」
スマホを見つめながら、思わず声が漏れてしまった。
なんだろう、この質問は。
もしかして、以前話していたKが好きな相手の事だろうか。
(気を遣わなくていい相手とか、好きな相手……)
そう思った瞬間、なぜか蒼井の顔が思い浮かぶ。
(……っ)
俺はブンブンと頭を横に振り、冷静に答えを考え直す。
(そうだな……俺なら)
落ち着きを取り戻し、俺は思いついた答えをチャット欄に打ち込んでいった。
SS『俺だったら、気を許せる相手には好き嫌いとかハッキリ言うかも。気を許してるなら、やっぱ本音で話すだろ? でも、好きな相手が目の前に居たら……分かんないけど、照れて上手く話せないとかかなぁ?』
正直、好きな相手というのは経験が無さ過ぎて想像が出来ない。
(好きな、相手……)
心を落ち着けて想像を広げてみる。
と、またしても蒼井の顔が浮かんできて、胸がドキドキと音を立て始めた。
(な、なんで蒼井っ!? しっしっ!)
まったく、今はKとチャット中だというのに、いやらしい気持ちになりそうになり、俺は想像の世界から慌てて蒼井を追い払った。
K『そっか、そうだよな。うん、ありがとう。ごめん、SSの悩み聞くよ』
SS『もういいのか?』
K『おけ』
Kは何かスッキリしたのか、もう俺の悩みに移行して良いらしい。
Kなりに気を使って、短く切り上げたのだろう。
と、そんなわけで。
俺は改めて、相談したい事を画面に打ち込んでいった。
『K>こんにちは!ここで会うなんて偶然だな!』
すると、少ししてKから返事が来た。
『SS>こんにちは。BL好きなのか?初耳』
(う……)
別に嫌いなわけではないけれど、好きかと問われれば、よく分からない。
まぁ、BLといえば、男同士のイチャイチャだろうという事ぐらいは流石に分かるけど。
(あ……)
しかし、BLで思い当たる事があり、俺は僅かに目を見開いた。
男同士のイチャイチャ、俺はまさに体験したばかりではないか。
蒼井との事を思い出し、一気に顔が熱くなる。
(言われてみれば、あれってまさにBLなんじゃ……っ)
イチャイチャどころか、キス以上のエロい事までされてしまった。
しかも、めちゃくちゃ気持ちよくて……。
(って、何思い出してんだ俺はっ!!)
正気を取り戻し、Kとの会話に集中する。
俺はKにチャットの返事を返した。
『K>まぁな。あ、あのさ、ちょっと相談したい事があんだけど、移動いい?』
すると、すぐにKから返事がくる。
『SS>いいよ。この前、約束したもんな』
『K>さんきゅー! んじゃ、今日はこっちでいい?』
こっちというのは、サロン上にある俺の部屋の事だ。
Kは二つ返事でOKしてくれた。
そんなわけで移動することになってホッと一息……ついたのも束の間、エリアに居た腐女子達が俺達のやりとりを放っておく訳がなかった。
『うおおおおおおリアル!!リアルBL尊い!!』
『お二人とも、ごごごごゆっくりぃぃぃいい!』
(お、おう……)
どうやら、俺達のやりとりは腐女子にとってはご褒美だったらしい。
俺はまた適当に返事を返すと、BLエリアを後にした。
・・・
俺の部屋に移動すると、Kもすぐに移動してきた。
『お待たせ。SS、すっかり騒がれてたけど大丈夫だった? 俺、無視しちゃった』
確かに、Kは腐女子達を見事に無視していた。
俺はというと、あの後『ゆっくりしてくるわ!』と、いかにも腐男子っぽい返事をして、後腐れなく退出したのだった。
やはり、せっかく入ったオンラインサロンなので、人間関係は円滑にいきたい。
そんなわけで、俺はKにチャットを返す。
『大丈夫、いい感じに返事しといたから』
『そっか。あのさ……やっぱ、そういうのって大事?』
(え……)
なんだか、Kのイメージに合わない質問をされ、少しだけ戸惑う。
もしかすると俺の勝手な想像なのかもしれないけれど、Kはそういう挨拶とか細かい事は全然気にしていないと思っていた。
俺は意外に思いつつ、Kの問いに答えた。
『まぁ、大事かも? 俺、オンラインサロンって初めてだし、ここではなるべく、みんなと仲良くしたいと思っててさ』
するとKからも返事がきた。
『そっか。まぁ、俺も初めてだし、次は気をつけるわ』
Kは短くそう打つと、その後またすぐにチャットを送ってきた。
『なぁ、もう一個だけ質問なんだけど』
(ん?)
なんだろうと、俺も返事を打つ。
『ん?どした??』
聞くと、Kは暫くしてから返事を返してきた。
『すまん。その……SSは、気を許せるという意味で、気を遣わなくていい相手とか、好きな相手が目の前にいる時、どういう風に接する?』
「へ……?」
スマホを見つめながら、思わず声が漏れてしまった。
なんだろう、この質問は。
もしかして、以前話していたKが好きな相手の事だろうか。
(気を遣わなくていい相手とか、好きな相手……)
そう思った瞬間、なぜか蒼井の顔が思い浮かぶ。
(……っ)
俺はブンブンと頭を横に振り、冷静に答えを考え直す。
(そうだな……俺なら)
落ち着きを取り戻し、俺は思いついた答えをチャット欄に打ち込んでいった。
SS『俺だったら、気を許せる相手には好き嫌いとかハッキリ言うかも。気を許してるなら、やっぱ本音で話すだろ? でも、好きな相手が目の前に居たら……分かんないけど、照れて上手く話せないとかかなぁ?』
正直、好きな相手というのは経験が無さ過ぎて想像が出来ない。
(好きな、相手……)
心を落ち着けて想像を広げてみる。
と、またしても蒼井の顔が浮かんできて、胸がドキドキと音を立て始めた。
(な、なんで蒼井っ!? しっしっ!)
まったく、今はKとチャット中だというのに、いやらしい気持ちになりそうになり、俺は想像の世界から慌てて蒼井を追い払った。
K『そっか、そうだよな。うん、ありがとう。ごめん、SSの悩み聞くよ』
SS『もういいのか?』
K『おけ』
Kは何かスッキリしたのか、もう俺の悩みに移行して良いらしい。
Kなりに気を使って、短く切り上げたのだろう。
と、そんなわけで。
俺は改めて、相談したい事を画面に打ち込んでいった。
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