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(そーっと……)

今度は、さりげなく優真の脚に自分の脚を近付けてみる。

膝をくっつけるのは難しいので、つま先の方を寄せていく。

そして、触れるか触れないぐらいの際どい位置で一旦止めた。

(ここからは慎重に……)

と、そう思った、その時。

「ひーなーと?」

「……っ!」

名前を呼ばれた瞬間、俺は全ての行動がバレていたのだと悟り、頬を赤く染めた。

優真はヤレヤレとため息を1つつくと、コントローラーの一時停止ボタンを押した。

「あ……」

あんなに真剣に見ていたのに、なんだか申し訳なくなる。

いくら構って欲しかったからといっても、優真の事を思えば我慢するべきだったのではないか。

後悔の念が押し寄せ、俺は慌てて謝った。

「……っごめん、邪魔する気は無かったんだけど……俺……あの……」

言葉に詰まって戸惑っていると、クスッと笑う声が聞こえて、俺は顔を上げた。

「優真……?」

「いや、笑ってすまない。その、陽斗があまりにも……」

「……なんだよ?」

「……はぁ。それは、映画が終わってから伝えた方がいいかな」

「な、なんで……今じゃダメなのか?」

「今は……」

優真は甘く微笑むと、俺の頬に手を添えて言った。

「ダメ。今伝えたら、僕は映画どころじゃなくなるだろうからね」

「……っそれって……」

優真の言葉に、つい期待が膨らむ。

それって、優真も俺の事が気になってしまっていて、今すぐにでもイチャイチャしたいってことかもしれない……?

(そ、そうだったら嬉しいかも……っ)

勝手に妄想して勝手に喜ぶ俺。

しかし、優真の手はスルリと離れていった。

「あ……」

「ほら、今は映画を見るよ」

「……」

ぴしゃりと言われ、俺は僅かに頬を膨らませて前を向いた。

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