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週末。
(はぁ、今日も終わったぁ……)
2限目の講義が終わり、俺は気持ちの良い伸びをする。
(さてと……今日はもう講義もないし、バイトも休み。この後どうすっか……)
今日は午後の講義が休講になったので、この後の予定はガラ空きになった。
バイトもないし、いつもなら優真に連絡して一緒にランチでもするのだが……。
(優真、バイトの面接上手くいったかな)
そう、優真は突如、バイトを始めると言い出したのだ。
少し前から、何やらパソコンで調べ物をよくしてるとは思ったのだが、おそらくバイト先を探していたのだろう。
今までは実家からの仕送りで賄えていたらしいのだが、最近少し出費が増えたからバイトをするのだそうだ。
(はぁぁ……つーか、絶対に俺の食事代とか服代とかだよな)
優真にツッコミを入れたら、気にしなくていいと言われたけれど、俺としては気になる。
だから、せめて光熱費ぐらいは払いたいのだが、当然のように断られてしまった。
(優真のやつ、無理しやがって)
そう思い、ため息をついていると、いきなりポンと肩を叩かれた。
「……あ、成瀬」
「や、陽斗君。ここに居たんだ」
振り向くと、視界に成瀬の爽やかな笑顔が飛び込んできて、俺は思わず目をそらす。
公園での事も脳裏に蘇ってきて、顔が熱くなってきた。
俺は目を逸らしたまま、小さく頷く。
「う。うん……えと、成瀬は、今日は後ろの方に居たのか?」
「うん、今日は講堂に着くのがギリギリになっちゃってさ。あ、それはそうと……」
「……?」
なんだろうと首を傾げると、成瀬は小さく咳払いをしてから言った。
「陽斗君、この後時間ある?もし良かったら、その……お昼ご飯、一緒に食べない?」
週末。
(はぁ、今日も終わったぁ……)
2限目の講義が終わり、俺は気持ちの良い伸びをする。
(さてと……今日はもう講義もないし、バイトも休み。この後どうすっか……)
今日は午後の講義が休講になったので、この後の予定はガラ空きになった。
バイトもないし、いつもなら優真に連絡して一緒にランチでもするのだが……。
(優真、バイトの面接上手くいったかな)
そう、優真は突如、バイトを始めると言い出したのだ。
少し前から、何やらパソコンで調べ物をよくしてるとは思ったのだが、おそらくバイト先を探していたのだろう。
今までは実家からの仕送りで賄えていたらしいのだが、最近少し出費が増えたからバイトをするのだそうだ。
(はぁぁ……つーか、絶対に俺の食事代とか服代とかだよな)
優真にツッコミを入れたら、気にしなくていいと言われたけれど、俺としては気になる。
だから、せめて光熱費ぐらいは払いたいのだが、当然のように断られてしまった。
(優真のやつ、無理しやがって)
そう思い、ため息をついていると、いきなりポンと肩を叩かれた。
「……あ、成瀬」
「や、陽斗君。ここに居たんだ」
振り向くと、視界に成瀬の爽やかな笑顔が飛び込んできて、俺は思わず目をそらす。
公園での事も脳裏に蘇ってきて、顔が熱くなってきた。
俺は目を逸らしたまま、小さく頷く。
「う。うん……えと、成瀬は、今日は後ろの方に居たのか?」
「うん、今日は講堂に着くのがギリギリになっちゃってさ。あ、それはそうと……」
「……?」
なんだろうと首を傾げると、成瀬は小さく咳払いをしてから言った。
「陽斗君、この後時間ある?もし良かったら、その……お昼ご飯、一緒に食べない?」
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