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「……てことだから、俺は別に成瀬を好きだとか、浮気したとか、そういうんじゃねぇから」
「うー……」
あれから、優真が落ち着くのを待って、俺は一連の出来事をなるべく丁寧に話した。
しかし、優真はまだ納得いっていない様子。
「……優真?」
「……分かった。けど、僕は納得いかないよ」
そう言って、優真は俺の手を両手でぎゅっと握った。
「陽斗は僕の恋人だろう?なのに、なんで成瀬君は潔く諦めないんだ?陽斗だって、成瀬君じゃなくて僕が好きなのに」
「お、おう……」
確かに、この先もまだまだ諦めずに迫られるのかと思うと、優真としても気が気じゃないだろう。
(でも、成瀬は俺の気持ちを分かってはいるし、要は、俺がブレなければいいんだよな)
そう、俺の気持ちが優真に向いているなら大丈夫なはずだ。
ただ、優真と喧嘩とかした場合は、それを成瀬に悟られないよう気を付けないといけないかもしれない。
(はぁ、友達になるにはいい奴なのにな)
出来る事なら、俺は成瀬と普通の友達になりたかった。
けれど、気持ちを打ち明けられてしまったからには、それもなかなか難しいだろう。
と、俯いて考えていると、優真に顔を覗き込まれる。
「陽斗……ごめん、また嫉妬して」
「う……」
「分かってるよ、陽斗だって辛いんだよね。成瀬君とは……普通の友達になりたい気持ちも、あるんだろう?」
「優真……」
さっきまで子供みたいに泣いていたのに、今はまるでお兄さんの顔をしている。
そんな優真の顔をじっと見つめると、クスッと笑われ、唇にチュッとキスをされる。
「好きだよ、陽斗。大丈夫、成瀬君ともいい友人関係になれるかもしれない。それに……」
ふいに、身体を引き寄せられたかと思うと、耳元に唇が寄せられた。
「離さないよ」
「っ……」
耳の縁に吐息がかかり、ゾクリとして体が僅かに仰け反る。
するとそのまま、優真の腕に抱き締められた。
「……てことだから、俺は別に成瀬を好きだとか、浮気したとか、そういうんじゃねぇから」
「うー……」
あれから、優真が落ち着くのを待って、俺は一連の出来事をなるべく丁寧に話した。
しかし、優真はまだ納得いっていない様子。
「……優真?」
「……分かった。けど、僕は納得いかないよ」
そう言って、優真は俺の手を両手でぎゅっと握った。
「陽斗は僕の恋人だろう?なのに、なんで成瀬君は潔く諦めないんだ?陽斗だって、成瀬君じゃなくて僕が好きなのに」
「お、おう……」
確かに、この先もまだまだ諦めずに迫られるのかと思うと、優真としても気が気じゃないだろう。
(でも、成瀬は俺の気持ちを分かってはいるし、要は、俺がブレなければいいんだよな)
そう、俺の気持ちが優真に向いているなら大丈夫なはずだ。
ただ、優真と喧嘩とかした場合は、それを成瀬に悟られないよう気を付けないといけないかもしれない。
(はぁ、友達になるにはいい奴なのにな)
出来る事なら、俺は成瀬と普通の友達になりたかった。
けれど、気持ちを打ち明けられてしまったからには、それもなかなか難しいだろう。
と、俯いて考えていると、優真に顔を覗き込まれる。
「陽斗……ごめん、また嫉妬して」
「う……」
「分かってるよ、陽斗だって辛いんだよね。成瀬君とは……普通の友達になりたい気持ちも、あるんだろう?」
「優真……」
さっきまで子供みたいに泣いていたのに、今はまるでお兄さんの顔をしている。
そんな優真の顔をじっと見つめると、クスッと笑われ、唇にチュッとキスをされる。
「好きだよ、陽斗。大丈夫、成瀬君ともいい友人関係になれるかもしれない。それに……」
ふいに、身体を引き寄せられたかと思うと、耳元に唇が寄せられた。
「離さないよ」
「っ……」
耳の縁に吐息がかかり、ゾクリとして体が僅かに仰け反る。
するとそのまま、優真の腕に抱き締められた。
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