【BL】キス魔の先輩に困ってます

筍とるぞう

文字の大きさ
上 下
148 / 175
13

148

しおりを挟む
感じるどころか、余裕で笑っている優真に腹が立つ。

どーせ俺は不器用ですよっ。

つーか、少しぐらい気持ちよさそうにしてくれたっていいじゃないか。

ムカついてきて、俺は優真の上に乗ったまま、フンッとそっぽを向き腕組みをした。

「少しは気持ちいいとかなんとか言えよなっ」

「あ、怒った?」

「見て分かんねーのかよっ」

「ん、分かるよ。ごめんね?」

「……」

「ごーめーん」

「……」

「……うりゃっ!」

「うわっ……!?」

意地を張って目を合わせずにツンツンしていたら、突然抱き寄せられ、気付けば俺はベッドに仰向けになっていた。

「は、はなせよ!」

「やだ。陽斗、可愛いから離してあげないよ。その代わり、いい事を教えてあげよう」

「い、いい事?」

なんだろうと思いキョトンとすると、優真は俺の耳元に囁いた。

「正しい耳の弄り方、だよ」

「……っ!」

確かにそれは有難いが。

耳に吐息を感じて、俺は腰元をビクンと跳ねさせた。

「ゆ、ゆーま……っや、離せよ」

「だめだって。陽斗、今から教えてあげるから、ちゃんと覚えるんだよ?」

「や、やめ……」

抵抗するものの、手首はしっかりと押さえつけられていてビクともしない。

そうこうしているうちに、優真の鼻先が俺の耳元に触れた。

「ひーなーと?」

「あっ、やだ……!」

拘束されて耳を攻められる状況にゾクゾクし過ぎて、全身が震え上がる。

逃れたいのか、このままもっと攻めて欲しいのか、もはや分からない。

そんな俺を見て、優真は楽しそうに続ける。

「陽斗の耳、ほんとに敏感だね?」

「やっ……喋るな……っ」

「じゃあ……舐めてあげるね」

そう言って、優真は俺の耳の縁をペロリと舐め上げた。

「やぁっ……も、もう、分かった、分かった、から……っ」

耐えきれず降伏すると、優真はそっと唇を離してクスクス笑った。

「どう?陽斗、これで覚えたかい?」

「うぅ……覚えたし」

素直に頷くと、優真は俺の頭を満足そうにヨシヨシと撫でる。

「そうか、良かった。じゃあ、おさらいも兼ねて、やってもらおうかな」

「え……」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

人体実験サークル

狼姿の化猫ゆっと
恋愛
人間に対する興味や好奇心が強い人達、ようこそ。ここは『人体実験サークル』です。お互いに実験し合って自由に過ごしましょう。 《注意事項》 ・同意無しで相手の心身を傷つけてはならない ・散らかしたり汚したら片付けと掃除をする [SM要素満載となっております。閲覧にはご注意ください。SとMであり、男と女ではありません。TL・BL・GL関係なしです。 ストーリー編以外はM視点とS視点の両方を載せています。 プロローグ以外はほぼフィクションです。あとがきもお楽しみください。]

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

何故か超絶美少女に嫌われる日常

やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。 しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。

美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない

すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。 実の親子による禁断の関係です。

俺様上司と複雑な関係〜初恋相手で憧れの先輩〜

せいとも
恋愛
高校時代バスケ部のキャプテンとして活躍する蒼空先輩は、マネージャーだった凛花の初恋相手。 当時の蒼空先輩はモテモテにもかかわらず、クールで女子を寄せ付けないオーラを出していた。 凛花は、先輩に一番近い女子だったが恋に発展することなく先輩は卒業してしまう。 IT企業に就職して恋とは縁がないが充実した毎日を送る凛花の元に、なんと蒼空先輩がヘッドハンティングされて上司としてやってきた。 高校の先輩で、上司で、後から入社の後輩⁇ 複雑な関係だが、蒼空は凛花に『はじめまして』と挨拶してきた。 知り合いだと知られたくない? 凛花は傷ついたが割り切って上司として蒼空と接する。 蒼空が凛花と同じ会社で働きだして2年経ったある日、突然ふたりの関係が動き出したのだ。 初恋相手の先輩で上司の複雑な関係のふたりはどうなる? 表紙はイラストAC様よりお借りしております。

処理中です...