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バイトをいつも通りこなし、上がりの時間。

「お疲れ様でーす」

引き継ぎと退勤作業を終え、レジから出る。

(あ、プリン……!)

そういえば買って帰ろうと思っていたのを思い出し、俺は急遽デザートコーナーへ回る。

(えっと……あった!良かったー、ちょうど2個残ってる)

このプリンは、俺のお気に入りなのだ。

たまに休憩中に食べると、程よい甘さに癒される。

俺は2つ手に取ると、いそいそとレジに向かった。

レジにはバイトの女の子が入っており、俺だと気付いて笑顔になる。

「いらっしゃいま……あ、宮原さん!お疲れ様です」

「お疲れ様です。これ、よろしく」

カウンターにプリンを2個並べると、女の子は嬉しそうに目を輝かせた。

「このプリン、美味しいですよね。誰かにお土産ですか?」

「あ、うんまぁ、ちょっと……」

まさか聞かれると思っていなかったので、俺はつい頬を赤らめ、鼻の頭を指先でかいた。

すると、女の子はすかさずツッコミを入れてくる。

「あ~っ、絶対彼女ですね!その反応は~っ」

「ち、ちが……!彼女じゃねーよ!」

彼女じゃなくて、彼氏……

なんて思ってしまい、俺はますます赤くなる。

あーもー俺のバカ。

こうして、俺は散々冷やかされながら店を後にした。

そして駅に向かって暫く歩いていくと、前から見知った人影が。

(あれ?あれは……)

間違いない、あれは成瀬大和だ。

相変わらずの長い足に、サラサラストレートの髪が靡いて、夜道でも目立っている。

成瀬とすれ違う女性達が振り返ってはきゃあきゃあ言っているのを見ると、やはり成瀬はモテるのだろう。

(まぁ、優真の方がカッコイイけど)

密かに思い、うっかりニヤニヤしていると、前から声を掛けられた。

「あれ、陽斗君?」

「あ……」

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