【BL】キス魔の先輩に困ってます

筍とるぞう

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(わ……)

切れ長の目に、長い睫毛、少し潤んだ瞳……そして、滑らかな肌。

さらに言えば、ただならぬフェロモンのようなものまで感じる。

なんというか、今の優真は普段より更に、数倍の色気があるのだ。

そう、これはきっと、優真が俺にだけ見せる顔なのだろう。

(かっ……こいい)

俺はすっかり見とれてしまった。

暫し見つめていると、チュッとおでこにキスをされた。

「ふふ、見とれ過ぎだよ、エンジェル?」

「……!べ、べつにそんなんじゃ……っ」

「ん~?じゃあなにかな?僕の顔に、何かついてる?」

「そ……それは……」

問い詰められ、俺は口ごもる。

答えに詰まっていると、優真はクスッと笑い、サイドテーブルの上からスポーツドリンクのペットボトルを取った。

「さてと。僕はこれを飲みたいな。陽斗、よろしくね♡」

「ま……マジでやんのか?」

「マジです♡」

優真はベッドの上に座り、俺を抱いたままペットボトルの蓋を開けると、俺の体を少し引き離す。

そして、目の前にペットボトルを差し出してきた。

「まずは陽斗のお口に含んで、それから飲ませて?」

「ば……っむ、無理だって!そんなの……」

正直、恥ずかしさもあるけれど、なにより、上手くできるか分からない。

今までの人生で、誰かに口移しで飲ませるなんてしたことが無い。

(うぅ、どうしよう……)

戸惑っていると、優真が小さくため息をついた。

「やれやれ、そんなに緊張してしまうとはね。なら、まずは僕がお手本を示そうか」

「え……?」

まさかの展開にドキリとして見上げると、優真はグイッとペットボトルの中身をあおった。
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