【BL】キス魔の先輩に困ってます

筍とるぞう

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「……っ」

こんなにくっついていたら、ボタンなんて外せない。

戸惑っていると、優真がクスッと笑みを漏らした。

「困った顔の陽斗も、可愛いね」

「う、うるせぇっ!お前、病人だろ!?悪化しても知らねーからな!」

俺は思わず優真の肩を叩いた。

しかし、打撃は与えられなかったようで……

「ふふ、そんな萌え袖で可愛く叩かれても、痛くないよ」

「く……っ!優真が捕まえてるから袖が伸びてきちゃったんだろ!?もー、離せよ」

「やだね」

抵抗するものの、逆効果で。

俺は完全に捕らえられてしまった。

「……もう。着替えなくていーのかよ」

「んん……。それより今は、癒しが欲しいんだ……そう、可憐な花のようなエンジェルの癒しがね……」

「可憐な花は却下!」

……はぁ。

こんな時までコントになりそうだ。

それにしても、こうして抱き抱えられていると、服越しに優真の熱い息を感じる。

やはり、かなり熱があるらしい。

この状態も悪くは無いが、今はちゃんと休ませなければ。

俺はそっと優真の髪を撫で、静かに口を開いた。

「……なんか、飲み物とか買ってくるから、大人しく待ってろよ」

「んー……飲み物ならある。冷蔵庫に……炭酸も、野菜ジュースも、お茶……けほ、こほ」

「だぁあっ!ちっげーだろ!?こういう時は、スポーツドリンクが必須なんだよっ!あんのか?」

「……ある」

「うそつけ」

ソッコーで見破ると、優真は最後にギュッと俺の腰を抱き締めた。
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