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「優真?大丈夫か?」
「え……ああ、大丈夫だよ。なんだか、少し眠くなってきてしまってね……こほっ」
「おい……顔赤いけど、まさか」
明らかに優真の様子がおかしい。
俺は慌てて優真のおでこに手を当てた。
「……っすごい熱!あの、藤野先輩」
見上げると、藤野先輩は真剣な顔で頷いた。
「うん、そうね。東条君、今日は帰って寝てた方が良さそう。大丈夫、あとは私が皆の意見とかまとめておくから、ね」
「……ありがとうございます!」
藤野先輩はすぐに察してくれて、俺と優真の身支度を手伝ってくれた。
全員が見守る中、優真はなんとか立ち上がると、俺に支えられながら部屋を出た。
そして見送りに来た藤野先輩をはじめとするメンバー達にペコリと頭を下げる。
「藤野先輩、みんな……今日はすみません。なんか、珍しく風邪をひいたようで……けほけほっ」
優真が咳き込むと、全員が少し前のめりになる。
心配で手を出したいのだろうが、俺が居るからな……ふ。
と、それはさておき、藤野先輩は気前よく笑ってみせた。
「いいから、気にしないで?ほら、早く帰って体調整えないと、長引くわよ?」
「ありがとうございます……」
お礼を言う優真に続き、俺もちょこんと頭を下げる。
こうして、俺達はゆっくりとアパートへ向かった。
「え……ああ、大丈夫だよ。なんだか、少し眠くなってきてしまってね……こほっ」
「おい……顔赤いけど、まさか」
明らかに優真の様子がおかしい。
俺は慌てて優真のおでこに手を当てた。
「……っすごい熱!あの、藤野先輩」
見上げると、藤野先輩は真剣な顔で頷いた。
「うん、そうね。東条君、今日は帰って寝てた方が良さそう。大丈夫、あとは私が皆の意見とかまとめておくから、ね」
「……ありがとうございます!」
藤野先輩はすぐに察してくれて、俺と優真の身支度を手伝ってくれた。
全員が見守る中、優真はなんとか立ち上がると、俺に支えられながら部屋を出た。
そして見送りに来た藤野先輩をはじめとするメンバー達にペコリと頭を下げる。
「藤野先輩、みんな……今日はすみません。なんか、珍しく風邪をひいたようで……けほけほっ」
優真が咳き込むと、全員が少し前のめりになる。
心配で手を出したいのだろうが、俺が居るからな……ふ。
と、それはさておき、藤野先輩は気前よく笑ってみせた。
「いいから、気にしないで?ほら、早く帰って体調整えないと、長引くわよ?」
「ありがとうございます……」
お礼を言う優真に続き、俺もちょこんと頭を下げる。
こうして、俺達はゆっくりとアパートへ向かった。
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