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「やれやれ、本当に照れ屋さんだね、陽斗は。ま、そこが可愛いんだけど♡」

「……っ」

引き寄せられ、こめかみにチュッとキスをされると、なにも言い返せなくなる。

頬を赤く染めて顔をそらしていると、今度は肩の後ろ辺りにキスが落とされた。

「あっ……!ば、ばか、どこにしてんだよっ!?」

「んん?肩だよ。あ、背中もいいな。陽斗の背中は綺麗だからね」

「えっ、ちょ……ひゃあっ」

ビクッと背中を震わせるものの、優真は構わずキスを降らせてくる。

背中、腕、頬、そして……また耳に。

「んっ……やぁ」

「ふふ、朝からこういうのも、恋人らしくていいものだね。さて……今日も大学へ行かなくては。僕は講義を受けた後、またサークルに顔を出すのだけど……陽斗君は今日、バイトがあるのかな?」

「今日は……いや、今日はシフト入ってないな」

「そうか……こほっ、けほ」

「……大丈夫か?」

「ああ、すまないね。大丈夫」

「そか……ならいいけど」

俺はこの時、気付かなかった。

まさか、自分の風邪が優真にうつっていたとは。

その後、俺たちはもう少しだけイチャついてから、のそのそと着替えをして、大学へと向かったのだった。

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