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「どう?あったかい?それとも……ドキドキする?」
「あっ……」
絶対、わざとだ。
優真のやつ、俺が耳弱いって分かっててやってんだろ。
耳元で”ドキドキする?”なんて囁かれたら、キュンキュンとゾクゾクでどうにかなりそうだ。
俺は無駄と知りつつも、腕から逃れようと身を捩った。
「は、なせ……っ」
「ん~?本当に離してもいいのかな?」
「~~っ!」
離して……欲しくない。
こうして抵抗しても、ぎゅうってしてて欲しい。
そこんとこ、分かってくれよ。
いや、きっと優真は分かっているだろう。
だからこそ、こうして俺が暴れようが、文句言おうが、抱きしめてくれている。
(うぅ、好き……この体温も、匂いも、肌の感触も……)
俺を包み込む全てが、好き。
(特に、優真の匂いっていい匂いなんだよな……爽やか系の柔軟剤でも使ってんのかな)
俺を抱く腕に鼻先を近付け、くんくんしてみる。
すると、優真がクスクスと笑った。
「く、くすぐったいよ、陽斗君……っ」
「んー……だって優真、いい匂いするから……てか、陽斗”君”、じゃないだろ?」
敏感に君付けに反応し、チラリと睨みをきかせると、優真がハッとしたように目を見開いた。
「あ、そうだった」
そして「よいしょ」と体勢を整えると、改めて俺を腕の中に収め、耳元に唇を寄せた。
「あっ……」
絶対、わざとだ。
優真のやつ、俺が耳弱いって分かっててやってんだろ。
耳元で”ドキドキする?”なんて囁かれたら、キュンキュンとゾクゾクでどうにかなりそうだ。
俺は無駄と知りつつも、腕から逃れようと身を捩った。
「は、なせ……っ」
「ん~?本当に離してもいいのかな?」
「~~っ!」
離して……欲しくない。
こうして抵抗しても、ぎゅうってしてて欲しい。
そこんとこ、分かってくれよ。
いや、きっと優真は分かっているだろう。
だからこそ、こうして俺が暴れようが、文句言おうが、抱きしめてくれている。
(うぅ、好き……この体温も、匂いも、肌の感触も……)
俺を包み込む全てが、好き。
(特に、優真の匂いっていい匂いなんだよな……爽やか系の柔軟剤でも使ってんのかな)
俺を抱く腕に鼻先を近付け、くんくんしてみる。
すると、優真がクスクスと笑った。
「く、くすぐったいよ、陽斗君……っ」
「んー……だって優真、いい匂いするから……てか、陽斗”君”、じゃないだろ?」
敏感に君付けに反応し、チラリと睨みをきかせると、優真がハッとしたように目を見開いた。
「あ、そうだった」
そして「よいしょ」と体勢を整えると、改めて俺を腕の中に収め、耳元に唇を寄せた。
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