【BL】キス魔の先輩に困ってます

筍とるぞう

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「……!」

やっと、分かってくれたようだ。

けれど、なかなか優真の手は動かない。

俺は、まだかまだかとドキドキしながら待ち続ける。

と、その時……

「あ……っ」

胸元から手が離れ、すぐさま服の裾から差し込まれた。

「や……っ」

「こういうこと、だよね?」

「……っ」

素肌を指先で弄られ、俺は思わず優真の手を掴んで止める。

「あ……っゆぅま……っ」

「……っ、か、かわいい……!陽斗君!!」

「うわっ……!?」

突如、手首を掴まれ、床に押し倒された。

そして目の前に、熱を帯びた瞳が迫ってくる。

「なんて……なんて可愛い反応をするんだ……それに、その声……その声を僕に聞かせる為に、あんな大胆なことをしたのかい?」

「……っそ、れは」

そっと手を取られ、甲に口づけられると、くすぐったいような刺激に体がビクッと反応してしまう。

熱い視線に負けそうになっていると、優真が小さく息を吐いた。

「はぁ……その顔も、声も……僕だけのものにしたい。だから……お願い、他の人に見せたり、しないでくれる?」

「え……う、うん……わかった」

他の人に見せないでほしい……優真にもそういう感覚があったのか。

(嬉しい……)

俺は手を伸ばし、優真の頬に触れた。

「お前以外に……見せたり、聞かせたり、しないから」

「……っ」

潤んだ瞳で見つめながら伝えると、優真は堪らないといった様子で、俺の唇を塞いだ。

「ん……」

甘いキスはどんどん深くなり、頭の芯が蕩けそうになる。

暫く酔いしれていると、ふいに、服の中に手が差し込まれた。

「……っ」


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