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目を閉じてじっとしている優真に、俺はそっと顔を近付ける。

そして、チュッっと軽く唇にキスをした。

「え……」

「ふふ、驚いたか?」

パっと目を開けた優真に、俺は悪戯っぽく笑ってみせる。

本当はちょっとドキドキしているのだけれど、それは内緒ってことで。

俺は自分を落ち着かせる為にも、はぁ、と息を吐き、改めて優真と向き合った。

「あのさ……こういうのは、少しずつ進んでいけばいいと思う。その、俺……俺も、優真の事……」

……言え、俺!

頑張れ俺!

緊張しつつ、軽く息を吸い込み、俺は優真に告げた。

「好き、だから」

「……」

「……おい、聞いてたかよ?」

「……き」

(”き”?)

疑問に思っていると、優真は突如、自分の顔を両手で覆い隠した。

そして……

「きゃーーーーあ!!」

「!?!?」

いや、”きゃーあ”て。

女子か。

ハリセン取り出したい。

優真は顔を真っ赤に染め、女子の如くきゃーきゃーと落ち着かない。

(……っっったく)

半ば呆れつつも、温かく見守る俺。神。

と、暫くして、突如ガシッと手を握られた。

優真は目をキラッキラに輝かせて今の気持ちを表現する。

「陽斗君……!僕は今、最高に興奮しているよ!!ああ、すごいね……!好きな人から”好き”って言われるのって……まさに、天にも昇る気分だよ……っ」

「そ、それは、良かったな」

「うん、うん!」

あーあ、俺はもうちょっと落ち着いてイチャイチャしたいのに、こうもテンションが上がるとは。

(でも、憎めないんだよなー……)

優真にとっては、今の気持ちはきっと凄く新鮮なものだろう。

だから無下に、この興奮状態を止める事も出来ないのだが……

(くそ、イチャイチャしてーんだよ、こっちはっ!)

今はガマンして見守った方がいいのは分かっている。

けど……

普通、両想いになったらキスしたり、体まさぐりあったり……するよな?

(っあーーーーもう!)

神・陽斗はここで崩壊した。



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