【BL】キス魔の先輩に困ってます

筍とるぞう

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「それはそうと、陽斗君。こんな物があるんだけど……」

「……?」

ゴソゴソと、優真は絹の袋に入っている何かを取り出した。

「これ、なんだか分かるかい?」

「さぁ……?」

「これはね、サークルメンバー全員で話し合いながら作った、愛のスゴロク・ゲームなんだ」

「あ、愛のスゴロクゲーム……?」

……また斬新なものを。

しかも手作りとなると、ちょっと興味深い。

俺は中身を見てみたくなり、絹の袋を見つめた。

「よくわかんねーけど、面白いのかよ?」

「もっちろん!僕が保証しよう!最初は市販のものでもいいと思ったんだけどね、やっぱり我が恋愛サークルによりふさわしい内容の物があるといいなと思ったんだよ」

優真は自信満々に言うと、チラリと俺を見る。

「陽斗君……これを、今日の夕飯の後に、一緒にやらないかい?」

「え……」

これはまた、予想外のお誘いだ。

純粋に、俺は嬉しくてつい、ソッコーでOKしてしまった。

「い、いいけど?」

「良かった!じゃあ、早く帰って夕飯を用意しよう。楽しみだなぁ。これで、陽斗君とも恋愛について一緒に学べるというものだよ」

優真は心底嬉しそうな顔をすると、俺を連れて足早に自宅へと向かった。

(愛のスゴロク・ゲーム……一体どんな内容なんだろ)

確かに、こういうのはネット通販とかで売っているのを見たことはあるが、手作りというのは初めてお目にかかる。

(……ちょっと楽しみ)

一緒にアパートへ向かいながら、俺は密かに心を弾ませた。


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