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36☆イラストあり
しおりを挟む「……っ」
熱く揺れる瞳に捕らえられ、俺は僅かに目を見開く。
キスって……今、ここで?
そんな疑問が頭を過ぎる。
が、そうであることは聞くまでもないだろう。
(ど、どうしよう……)
戸惑うものの、そこまで嫌じゃない自分がいる。
いや、嫌じゃないどころか……
(俺、ちょっと喜んでる、かも……)
興奮すら覚え、俺は頬を更に赤く染めあげた。
以前のキスを思い出すと、それだけで心拍数が上がる。
気持ちよくて、全身が蕩けるような、あの感覚。
アレを今、また体験出来るのかと思うと、興奮しない訳が無い。
けれどそんな事、東条に悟られたくはない。
と、様々な想いが錯綜し、俺は顔を俯けて黙り込んだ。
すると、ふいに顎に手がかかり、掬い上げられる。
「あ……っ」
東条とバッチリ目が合い、咄嗟に逸らす。
しかし、逃さないとでも言うかのように、東条の顔が迫ってきた。
「……っ」
鼻先が触れそうな距離で、じっとみつめられると、もうそれだけで全身に甘い痺れが走る。
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