33 / 175
4
33
しおりを挟む
「……っくしゅ!」
上半身が露になると、俺は肩を震わせクシャミをひとつ。
やはり、まだまだ体調は悪いようだ。
そんな俺を見て、東条は素早くルームウェアを広げて俺に着させる。
「ああ、いけない。早くこれを」
「っ……あ、あったかい」
東条が選んだのは、裏起毛のあるトレーナーだった。
結局、こういうのが一番暖かい気がする。
「……ありがと」
「ふ、礼には及ばないよ。さてと、今日はここでもう一眠りしていいからね。僕は夕飯に向けてお粥を作っておくよ」
「……待って」
颯爽と立ち上がる東条の服の裾を、俺は咄嗟に掴んだ。
……聞いてみたい。
前にも聞いたことがあるけれど、もっと、ちゃんと、理由を知りたい。
どうして、”俺に”ここまでしてくれるのか。
「あ、のさ……」
「ん、どうしたの?」
「あの……前にも聞いたかも、だけど……どうしてここまでしてくれんだよ?その、半分以上お前の性分だってのは、分かってるけどさ」
「え……」
言ってるうちに恥ずかしくなり、俺はだんだん声が小さくなった。
東条はそんな俺をキョトンと見下ろし、動かない。
答えを考えているのか、困っているのか、その表情からは分からない。
(なんだよ、なんか言えよ……っ)
なかなか返事が貰えず、恥ずかしくなってくる。
と、東条が静かに口を開いた。
上半身が露になると、俺は肩を震わせクシャミをひとつ。
やはり、まだまだ体調は悪いようだ。
そんな俺を見て、東条は素早くルームウェアを広げて俺に着させる。
「ああ、いけない。早くこれを」
「っ……あ、あったかい」
東条が選んだのは、裏起毛のあるトレーナーだった。
結局、こういうのが一番暖かい気がする。
「……ありがと」
「ふ、礼には及ばないよ。さてと、今日はここでもう一眠りしていいからね。僕は夕飯に向けてお粥を作っておくよ」
「……待って」
颯爽と立ち上がる東条の服の裾を、俺は咄嗟に掴んだ。
……聞いてみたい。
前にも聞いたことがあるけれど、もっと、ちゃんと、理由を知りたい。
どうして、”俺に”ここまでしてくれるのか。
「あ、のさ……」
「ん、どうしたの?」
「あの……前にも聞いたかも、だけど……どうしてここまでしてくれんだよ?その、半分以上お前の性分だってのは、分かってるけどさ」
「え……」
言ってるうちに恥ずかしくなり、俺はだんだん声が小さくなった。
東条はそんな俺をキョトンと見下ろし、動かない。
答えを考えているのか、困っているのか、その表情からは分からない。
(なんだよ、なんか言えよ……っ)
なかなか返事が貰えず、恥ずかしくなってくる。
と、東条が静かに口を開いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
35
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる