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(はぁぁあ!?うそだろ!?)
驚きを隠せない。
それはそうだ。
あの鬱陶しいイケメンが、まさかの、隣の部屋の住人だったのだから。
いや、もしかしたら友達の部屋に遊びに来た説もあるかもしれないが、あの様子はどう見ても……
(自分の部屋って感じ、だったよな……)
俺は電信柱の影から出ると、ゆっくりと歩みを進めた。
自分の部屋のドアの前まで来ると、なるべく物音をさせないように、そっと鍵を開けて中へ滑り込む。
(いやほんと、どうするよ……!?)
先が思いやられて、俺はヘナヘナと床に座り込んでしまった。
(きっと、バレるのも時間の問題だよな。けど、引っ越しなんて金もかかるし、ここのアパートはわりと気に入ってるし……ああああああああぁぁぁ)
考えた末、暫くはお隣さんとしてやっていくしかない、という結論に至る。
(向こうが引っ越しでもしない限り、無理だよな……はぁ)
静かな部屋に、重苦しいため息が響く。
これは試練だ。
(……よし、それならせめて……)
更に思考を巡らせ、俺は今できる限りの対策をしようと心に誓ったのだった。
驚きを隠せない。
それはそうだ。
あの鬱陶しいイケメンが、まさかの、隣の部屋の住人だったのだから。
いや、もしかしたら友達の部屋に遊びに来た説もあるかもしれないが、あの様子はどう見ても……
(自分の部屋って感じ、だったよな……)
俺は電信柱の影から出ると、ゆっくりと歩みを進めた。
自分の部屋のドアの前まで来ると、なるべく物音をさせないように、そっと鍵を開けて中へ滑り込む。
(いやほんと、どうするよ……!?)
先が思いやられて、俺はヘナヘナと床に座り込んでしまった。
(きっと、バレるのも時間の問題だよな。けど、引っ越しなんて金もかかるし、ここのアパートはわりと気に入ってるし……ああああああああぁぁぁ)
考えた末、暫くはお隣さんとしてやっていくしかない、という結論に至る。
(向こうが引っ越しでもしない限り、無理だよな……はぁ)
静かな部屋に、重苦しいため息が響く。
これは試練だ。
(……よし、それならせめて……)
更に思考を巡らせ、俺は今できる限りの対策をしようと心に誓ったのだった。
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