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第九十六話 首筋に……
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・・・
「では、お大事に。また様子がおかしければ、改めて受診して下さい」
「はい、ありがとうございました」
「では、私はこれで」
玄関で、医師は挨拶をして、いそいそと出ていった。
あの後、熱を測ったら39度ほどあったので、すぐに薬を服用した。
お陰で、今は少し楽になってきている。
シグレさんは医師を見送ると、ドアを閉めてベッドサイドへ戻ってきた。
「……ふぅ。セイラ、先生は帰られたよ」
「そうですか……シグレさん、対応してくれて、ありがとうございました」
お礼を言うと、シグレさんはフルフルと首を横に振って、ベッドサイドにある椅子に腰を下ろした。
「いや、気にしないで。それより、体調は?」
「はい、少し楽になってきました。あの……」
「ん?」
俯くと、シグレさんが首を傾げる。
僕は俯いたまま、頬を赤く染めた。
なぜかというと、それは……
「……少しだけ、抱きしめてくれませんか?」
「えっ……」
「……っ」
実は、先ほどから身体がウズウズしてしまっていたのだ。
医師も、性交渉をした方が身体に良いと言っていたので、その言葉が刺激になっているのもあるけれど、それよりも、母さんのお見舞いに行ってからあまりシグレさんと触れ合っていなかったので、身体が限界を迎えてしまったのかもしれない。
僕はすがるような目でシグレさんを見つめた。
すると、ふわりと温かな腕に抱き締められる。
「もう……二人きりになった途端に、それはズルイな」
「……っすみません」
慌てて謝ると、僅かに身体が離され、見つめ合う。
「ふふ、いいよ。あー……可愛い、俺のセイラ」
僕の髪に指先を通しながら甘い声で言い、シグレさんは目を細める。
「ん……」
唇が重なり、グッとキスが深まると、そこからはもう止められない。
「んん、ぁ……っ」
「セイラ……はぁ、ダメだ。今日は特に……抑えが効きそうにない」
「シグレさん……っ僕も……!」
首元に抱きつくと、そのままベッドに押し倒される。
それからまた熱いキスを繰り返し、お互いの服を脱がせていく。
「セイラ、下も脱がして?」
「あ……は、ずかしいです……」
「大丈夫、俺もセイラの…………」
「……? シグレさん?」
一瞬、ピタリとシグレさんの動きが止まったので、僕はなんだろうと首を傾げた。
シグレさんは何故か、僕の首筋の辺りを凝視している。
(なんだろう……何かついてる?)
と思った、その時。
突如、ぎゅうっと抱き締められ、僕は驚きに目を見開く。
「え、え!? どうしたんですか……っ?」
「セイラ……ああ、セイラ、大好きだよ」
「え、あの……それは僕も……あの、シグレさん?」
本当に、どうしたというのだろう。
訳がわからず混乱していると、掠れる声が耳元で響いた。
「では、お大事に。また様子がおかしければ、改めて受診して下さい」
「はい、ありがとうございました」
「では、私はこれで」
玄関で、医師は挨拶をして、いそいそと出ていった。
あの後、熱を測ったら39度ほどあったので、すぐに薬を服用した。
お陰で、今は少し楽になってきている。
シグレさんは医師を見送ると、ドアを閉めてベッドサイドへ戻ってきた。
「……ふぅ。セイラ、先生は帰られたよ」
「そうですか……シグレさん、対応してくれて、ありがとうございました」
お礼を言うと、シグレさんはフルフルと首を横に振って、ベッドサイドにある椅子に腰を下ろした。
「いや、気にしないで。それより、体調は?」
「はい、少し楽になってきました。あの……」
「ん?」
俯くと、シグレさんが首を傾げる。
僕は俯いたまま、頬を赤く染めた。
なぜかというと、それは……
「……少しだけ、抱きしめてくれませんか?」
「えっ……」
「……っ」
実は、先ほどから身体がウズウズしてしまっていたのだ。
医師も、性交渉をした方が身体に良いと言っていたので、その言葉が刺激になっているのもあるけれど、それよりも、母さんのお見舞いに行ってからあまりシグレさんと触れ合っていなかったので、身体が限界を迎えてしまったのかもしれない。
僕はすがるような目でシグレさんを見つめた。
すると、ふわりと温かな腕に抱き締められる。
「もう……二人きりになった途端に、それはズルイな」
「……っすみません」
慌てて謝ると、僅かに身体が離され、見つめ合う。
「ふふ、いいよ。あー……可愛い、俺のセイラ」
僕の髪に指先を通しながら甘い声で言い、シグレさんは目を細める。
「ん……」
唇が重なり、グッとキスが深まると、そこからはもう止められない。
「んん、ぁ……っ」
「セイラ……はぁ、ダメだ。今日は特に……抑えが効きそうにない」
「シグレさん……っ僕も……!」
首元に抱きつくと、そのままベッドに押し倒される。
それからまた熱いキスを繰り返し、お互いの服を脱がせていく。
「セイラ、下も脱がして?」
「あ……は、ずかしいです……」
「大丈夫、俺もセイラの…………」
「……? シグレさん?」
一瞬、ピタリとシグレさんの動きが止まったので、僕はなんだろうと首を傾げた。
シグレさんは何故か、僕の首筋の辺りを凝視している。
(なんだろう……何かついてる?)
と思った、その時。
突如、ぎゅうっと抱き締められ、僕は驚きに目を見開く。
「え、え!? どうしたんですか……っ?」
「セイラ……ああ、セイラ、大好きだよ」
「え、あの……それは僕も……あの、シグレさん?」
本当に、どうしたというのだろう。
訳がわからず混乱していると、掠れる声が耳元で響いた。
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