雇われオメガとご主人様

筍とるぞう

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※第五十七話 君の前では・5

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切なげに目を細め、シグレさんはローションが付いた手を下へと這わせていく。

ひんやりとした感覚がきて、僕は身を震わせた。


「ひゃっ……」


「っと、ごめん、まだ少し冷たかったね。じゃあ……少しずつ、んっ……馴染ませるよ……」


ゆっくりと手を動かしながら、シグレさんも色っぽい吐息を漏らす。

そんな姿がまた愛おしくて、僕はとろんとした目でシグレさんを見つめた。

その間にも、中心では二つの熱が手の中で擦れ合い、いい所をかすめられる度に先端から蜜が溢れ出てくる。

時折、シグレさんの長い指がいやらしく動き、僕は堪らず声を上げた。


「あ、あっ……」


身体もどんどん解れていって、快楽の波が押し寄せてくる。


「は……っ気持ちいい?セイラ」


「あっ、やぁんっ……きもちぃ……っ」


「そか……っ俺も、ヤバい……っ」


お互い、体調を気遣って我慢していたせいか、いつもより敏感になっている気がする。

シグレさんの手が上下に動くたび、身体の中心がきゅうっと甘く疼き、熱が高められていく。


「ああっ、あっ、も、ダメ……っ」


ぬめった段差の所が擦れ、根元から先端に向かって指先でなぞられると気持ち良過ぎて、僕はシーツをぎゅうっと握り締めた。


「んっ、セイラ……っ俺も、もう……っ」


「い、あああ――っ……」


次の瞬間、目の前が真っ白になり、二人同時に吐き出した欲望が混ざり合った。

気持ちよすぎて、暫く身体が痙攣を続ける。

その後、一気に力が抜け落ちてぐったりすると、熱いキスで唇を塞がれた。


「ん……っ、シグレさん……だめ、まだ身体が……っ」


「は……っん、俺もだよ……セイラ、ほんと、かわいいね」


「シ……ん、ぁ」


名前を呼ぶ前にキスで遮られてしまい、僕はされるがまま応えていった。

それから暫く、僕たちは舌を絡ませて甘いキスを堪能し、ようやく力尽きてベッドに横になった。

そして、逞しい腕に頭を乗せ、うっとりと目を閉じながら言う。


「シグレさん……あとで、おかゆ……食べて下さいね」


「ん……もちろん、食べるよ。セイラのおかゆ、たのしみ……」


「ふふ……」


「ん……」


それからほどなくして、僕たちは寄り添ったまま眠りに落ちていった。

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