雇われオメガとご主人様

筍とるぞう

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※第四十八話

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「あ、ああ、あ……っ」


「は……っセイラ、凄い、よく締まる、ね……っ」


「んや……っ」


中がきゅうっと締まり、ゆっくりとシグレさんの昂りを飲み込んでいく。

この体勢では顔が見えないけれど、時折、シグレさんの色っぽい吐息が聞こえてきて、興奮でゾクゾクしてしまう。


「く……っ」


(シグレさん、気持ちよさそう……)


顔を見たくなり、僕は荒い息をつきながらチラリと後ろを振り返った。

すると、それに気付いたシグレさんは、僕の背中に覆いかぶさるように身を乗り出し、背中にチュッとキスを落とす。


「んぁっ……」


「かわい、セイラ……早く噛みたい」


「シグレさん……」


(あ……)


ふと、脳裏に先ほどのメモが浮かんできた。


――キス止まり?エドナ・アロシュ――


エドナ・アロシュとは、一体誰なのか。

シグレさんとはどういう関係なのだろう。

仕事関係の人?

友人?

ただの知り合い?

それとも……


(恋人……?)


思った瞬間、心の中が真っ暗になりそうで、慌てて妄想を打ち消す。

大丈夫、きっとそんな筈はない。

だって、シグレさんは今こうして僕を愛してくれているし、早く僕と番になりたいと言ってくれているのだから。

けれど、どうしてもあのメモの存在が気になってしまう。

シグレさんは浮気だとか、そういう事をする人には見えないけれど、これだけ外見も中身も整っていたら、言い寄ってくる女性は数知れずいるだろう。

例えば、シグレさんとちゃんとお付き合いをしているという訳ではなくても、いつか恋人になりたいと願い、傍にいる女性もいるかもしれない。

考えれば考えるほど不安は強まるばかりで、僕はせつない気持ちになり、顔を俯けた。


「……セイラ?」


「あ……っいえ、なんでも……」


「いや、その顔は何かあるな。ちょっと……」


どうやらバッチリ顔に出ていたらしく、シグレさんに勘付かれてしまった。

次の瞬間、僕の中から熱が引き抜かれ、ドッと寂しさが襲ってくる。


(抜けちゃった……)


切なくて見上げると、シグレさんも僅かに眉を寄せ、もどかしそうな表情を浮かべていた。


「おいで、セイラ」


「はい……」


ベッドの上で、シグレさんと僕は一旦隣合って座り、話をすることになった。


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