雇われオメガとご主人様

筍とるぞう

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※第四十話 外していい?

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(あ……)


一瞬、僕は目を見開いた。

けれど、以前のように身構えるような事はなかった。

今は発情期なのもあるけれど、もう気持ちは定まっているのだし、シグレさんになら項を差し出せるだろう。


(でも、やっぱり緊張する……っ)


心は決まっていても、やはりドキドキしてしまい、僕はきゅっと目を瞑った。

すると暫くして、ふっと笑うのが聞こえ、チョーカーから手が離された。


「あ……」


「今は、まだ我慢するよ。セイラと約束したし、俺も……今セイラと番になってしまったら、本当に仕事が手につかなくなっちゃうからね。これでも、今日は抑制剤をいつもの倍の量、飲んでるんだよ」


「え……!?そ、そんなに……」


なんということだ。

抑制剤は特に体に害を及ぼすものではないけれど、飲み過ぎて良いものでもない。

僕はシグレさんの身体が心配で、そっと逞しい胸板の少し下辺りに触れた。


「知らなかったです……すみません」


「いや、謝らないで。俺が我慢出来ないのがいけないんだから。なにせ、仕事しなきゃだからね。でも……」


シグレさんは諦めたように微笑むと、お互いの指を絡めてぎゅっと握った。


「今夜はもう、セイラと過ごす事に決めたから、覚悟してね」


「……っ」


息を呑むと同時に、唇を奪われる。

何度も角度を変えて深まるキスは、徐々に首筋、胸元へと下りていった。


「ひあっ、んんっ……!」


敏感なところをぺろりと舐められ、更に舌の先で突かれれば、変な声が出てしまう。

僕は咄嗟に口元を手で覆った。


「ふ……っん、んっ」


「あー……かわいい。もっと、下の方も舐めてあげるね」


シグレさんは僕の反応を愉しむように、肌に甘いキスを落としながら腰元まで降りていく。


「あ……あっ、やぁっ……!」


擽ったくて身を捩ると、動かないよう腰を捕まえられてしまった。


そして今度は、臍の辺りをぐるりと舌が這い、その更に下の熱い部分へと焦らすように移動していく。


「んぁっ……や、だめ……っ」


「ふ……こんなに濡らして。気持ちいい?」


言いながら、シグレさんは僕のいいところに舌を這わせ、ゆっくりと何度も往復させる。


「あ、あっ、そ、んな……だめ、っ、ああっ……!」


腰元を拘束されながら舐められるという状況に、僕の身体はすっかり興奮してしまっている。

胸のドキドキも有り得ないぐらい激しくなり、舌の動きが速められると、僕は身を震わせてあっけなく果ててしまった。

それを見て、シグレさんは熱い息を吐きながら、下着の中から自身を取り出した。


「ああ、ヤバイな……かわいい……セイラ、今からもっと気持ちよくなろうね」


「……っ」


まだ身体がビクビクして収まらないのに、熱いものがあてがわれ、ぬぷりと入ってくる。


「ああっ、待っ……」


「んっ……セイラ、すごい、いいよ……」


「シグレさ……っ」


止める事も出来ず、僕はされるがままに受け入れ、揺さぶられる。


「あ、あっ、そこ、や、……っシグレさん……っすき……っ」


気持ちよくて、愛おしくて、僕はうわ言のように言いながらシーツを握り締めた。

シグレさんも切なげに眉を寄せ、暫くすると、ブルッと身を震わせる。


「セイラ……好きだよ……っく……!」


「……っあ、あっ」


次の瞬間、今までに感じたことのない程の強い快楽が全身を襲う。

脚が突っ張り、全身が痙攣して、身体の力が抜け落ちていく。


「はぁ、はぁ……っ」


「セイラ……ああ、ホントにかわいいね。愛してるよ」


「シグレさん……僕も、愛してます……」


互いの気持ちを確かめ合うように、僕たちは暫く抱き合い、キスを交わした。

そしていつの間にか、夢の中へ落ちていった。


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