雇われオメガとご主人様

筍とるぞう

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※第三十三話 一緒に・4

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隣の部屋の存在なんて、今は全く忘れてしまっていた。

こんなあられもない声を、見ず知らずの人に聞かせるわけにはいかない。


「……っ」


僕は両手で口を塞いだ。

すると、シグレさんは悪戯っぽく笑う。


「ふふ、さて……我慢出来るかな?」


そう言うと、シグレさんは握っている手を僅かに動かし、濡れた先に指先でトン、と軽く触れた。


「ひ……っ」


「あ、ダメだよ、我慢しなきゃ」


「んんっ……」


僕は強く口元を抑え、耐え凌ぐ。

すると今度は、お互いの段差のところがヌチヌチと擦れ合い、僕はたまらず身を捩った。


(あ、あ……っ)


同時に、シグレさんの指先がまるで僕の良い所を知し尽くしているかのように動き、甘い刺激が全身を貫いていく。

緩急をつけて撫でられると、それだけで絶頂を迎えてしまいそうになり、僕は思わず口元から手を離してシグレさんの手を抑えた。


「だめ、だめ……っこんなの、もう、僕……」


「ん?もう我慢できなくなっちゃった?セイラの身体は感じやすいんだね……でも、まだこれからだよ」


「え……」


もうすでに限界だというのに、まだこれ以上気持ちよくなってしまったら、僕の身体はどうなってしまうのだろう。


未知の領域に踏み込みそうで、僕はフルフルと頭を横に振る。


「待ってください、僕、こわい……」


本当に、これ以上は想像もつかない。

今までずっと施設にいて、αに出会う事もなければ、触れられる事もなかった。

シグレさんと生活しているだけで毎日が新しい事だらけなのに、こんな、発情期にセックスなんて……乗り越えられる気がしない。

気持ちいい事なのは分かっているけれど、なんというか……

シグレさんに触れられると、気持ち良すぎるのだ。

贅沢な悩みなのかもしれないけれど、良すぎるゆえに怖い。


と、そんな事を思っていると、シグレさんは優しく僕の手を持ち上げ、甲にキスを落とした。


「大丈夫、緊張しないで?ゆっくり、優しくするから……」


シグレさんはこんな時も、相変わらず優しい。

だからこそ傷付けたくなくて、僕は正直に言う事にした。


「シグレさん……僕、その、気持ち良すぎて……怖いんです」


すると、シグレさんは「ああ」と言って頷いた。


「なるほどね。そうか……」


シグレさんは小さく微笑むと、僕の両足を持ってゆっくりと広げた。


「じゃあまずは、じっくりとセイラのここを慣らそうかな。大丈夫、俺に任せて」


「え……え!?」


突如、シグレさんが僕の足の間に入って来て、秘部に顔を近付けてくる。

何をされるのか分からず戸惑っていると、次の瞬間、シグレさんの顔が足の間に沈み、ぬるりとした感触と共に快楽が全身を貫いた。


「ふぁっ……!?あ、えっ、あの、シグレさ……あんっ」


「セイラのここ、ピンクでかわいいよ。今、ほぐしてあげるからね」


「ちょっ……あっ!」


止める事も出来ず、僕はされるがままに身体をくねらせる。

舌が浅い所で蠢き、もどかしくて、僕の秘部はもっと引き込もうとシグレさんの舌を咥え込んで離さない。


「あ、あ……もっと……ほし……っ」


ほとんど無意識でそう呟いていた。

すると、ぬるっと舌が引き抜かれ、今度は中指がゆっくりと挿入される。


「ひぁあっ……!」


「ああ、セイラ……えっちな子だね。そんな顔、他の奴には絶対に見せちゃダメだよ?」


先程の男達を思い出したのか、シグレさんの表情が僅かに歪む。

そして、指が二本に増やされた。


「んんっ」


「ああ、いいね……もう少し頑張って」


それから暫く、ユルユルと指が出し入れされ、三本まで増やされる。


そして――


「……そろそろ、いいかな」


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