33 / 98
※第三十三話 一緒に・4
しおりを挟む
隣の部屋の存在なんて、今は全く忘れてしまっていた。
こんなあられもない声を、見ず知らずの人に聞かせるわけにはいかない。
「……っ」
僕は両手で口を塞いだ。
すると、シグレさんは悪戯っぽく笑う。
「ふふ、さて……我慢出来るかな?」
そう言うと、シグレさんは握っている手を僅かに動かし、濡れた先に指先でトン、と軽く触れた。
「ひ……っ」
「あ、ダメだよ、我慢しなきゃ」
「んんっ……」
僕は強く口元を抑え、耐え凌ぐ。
すると今度は、お互いの段差のところがヌチヌチと擦れ合い、僕はたまらず身を捩った。
(あ、あ……っ)
同時に、シグレさんの指先がまるで僕の良い所を知し尽くしているかのように動き、甘い刺激が全身を貫いていく。
緩急をつけて撫でられると、それだけで絶頂を迎えてしまいそうになり、僕は思わず口元から手を離してシグレさんの手を抑えた。
「だめ、だめ……っこんなの、もう、僕……」
「ん?もう我慢できなくなっちゃった?セイラの身体は感じやすいんだね……でも、まだこれからだよ」
「え……」
もうすでに限界だというのに、まだこれ以上気持ちよくなってしまったら、僕の身体はどうなってしまうのだろう。
未知の領域に踏み込みそうで、僕はフルフルと頭を横に振る。
「待ってください、僕、こわい……」
本当に、これ以上は想像もつかない。
今までずっと施設にいて、αに出会う事もなければ、触れられる事もなかった。
シグレさんと生活しているだけで毎日が新しい事だらけなのに、こんな、発情期にセックスなんて……乗り越えられる気がしない。
気持ちいい事なのは分かっているけれど、なんというか……
シグレさんに触れられると、気持ち良すぎるのだ。
贅沢な悩みなのかもしれないけれど、良すぎるゆえに怖い。
と、そんな事を思っていると、シグレさんは優しく僕の手を持ち上げ、甲にキスを落とした。
「大丈夫、緊張しないで?ゆっくり、優しくするから……」
シグレさんはこんな時も、相変わらず優しい。
だからこそ傷付けたくなくて、僕は正直に言う事にした。
「シグレさん……僕、その、気持ち良すぎて……怖いんです」
すると、シグレさんは「ああ」と言って頷いた。
「なるほどね。そうか……」
シグレさんは小さく微笑むと、僕の両足を持ってゆっくりと広げた。
「じゃあまずは、じっくりとセイラのここを慣らそうかな。大丈夫、俺に任せて」
「え……え!?」
突如、シグレさんが僕の足の間に入って来て、秘部に顔を近付けてくる。
何をされるのか分からず戸惑っていると、次の瞬間、シグレさんの顔が足の間に沈み、ぬるりとした感触と共に快楽が全身を貫いた。
「ふぁっ……!?あ、えっ、あの、シグレさ……あんっ」
「セイラのここ、ピンクでかわいいよ。今、ほぐしてあげるからね」
「ちょっ……あっ!」
止める事も出来ず、僕はされるがままに身体をくねらせる。
舌が浅い所で蠢き、もどかしくて、僕の秘部はもっと引き込もうとシグレさんの舌を咥え込んで離さない。
「あ、あ……もっと……ほし……っ」
ほとんど無意識でそう呟いていた。
すると、ぬるっと舌が引き抜かれ、今度は中指がゆっくりと挿入される。
「ひぁあっ……!」
「ああ、セイラ……えっちな子だね。そんな顔、他の奴には絶対に見せちゃダメだよ?」
先程の男達を思い出したのか、シグレさんの表情が僅かに歪む。
そして、指が二本に増やされた。
「んんっ」
「ああ、いいね……もう少し頑張って」
それから暫く、ユルユルと指が出し入れされ、三本まで増やされる。
そして――
「……そろそろ、いいかな」
こんなあられもない声を、見ず知らずの人に聞かせるわけにはいかない。
「……っ」
僕は両手で口を塞いだ。
すると、シグレさんは悪戯っぽく笑う。
「ふふ、さて……我慢出来るかな?」
そう言うと、シグレさんは握っている手を僅かに動かし、濡れた先に指先でトン、と軽く触れた。
「ひ……っ」
「あ、ダメだよ、我慢しなきゃ」
「んんっ……」
僕は強く口元を抑え、耐え凌ぐ。
すると今度は、お互いの段差のところがヌチヌチと擦れ合い、僕はたまらず身を捩った。
(あ、あ……っ)
同時に、シグレさんの指先がまるで僕の良い所を知し尽くしているかのように動き、甘い刺激が全身を貫いていく。
緩急をつけて撫でられると、それだけで絶頂を迎えてしまいそうになり、僕は思わず口元から手を離してシグレさんの手を抑えた。
「だめ、だめ……っこんなの、もう、僕……」
「ん?もう我慢できなくなっちゃった?セイラの身体は感じやすいんだね……でも、まだこれからだよ」
「え……」
もうすでに限界だというのに、まだこれ以上気持ちよくなってしまったら、僕の身体はどうなってしまうのだろう。
未知の領域に踏み込みそうで、僕はフルフルと頭を横に振る。
「待ってください、僕、こわい……」
本当に、これ以上は想像もつかない。
今までずっと施設にいて、αに出会う事もなければ、触れられる事もなかった。
シグレさんと生活しているだけで毎日が新しい事だらけなのに、こんな、発情期にセックスなんて……乗り越えられる気がしない。
気持ちいい事なのは分かっているけれど、なんというか……
シグレさんに触れられると、気持ち良すぎるのだ。
贅沢な悩みなのかもしれないけれど、良すぎるゆえに怖い。
と、そんな事を思っていると、シグレさんは優しく僕の手を持ち上げ、甲にキスを落とした。
「大丈夫、緊張しないで?ゆっくり、優しくするから……」
シグレさんはこんな時も、相変わらず優しい。
だからこそ傷付けたくなくて、僕は正直に言う事にした。
「シグレさん……僕、その、気持ち良すぎて……怖いんです」
すると、シグレさんは「ああ」と言って頷いた。
「なるほどね。そうか……」
シグレさんは小さく微笑むと、僕の両足を持ってゆっくりと広げた。
「じゃあまずは、じっくりとセイラのここを慣らそうかな。大丈夫、俺に任せて」
「え……え!?」
突如、シグレさんが僕の足の間に入って来て、秘部に顔を近付けてくる。
何をされるのか分からず戸惑っていると、次の瞬間、シグレさんの顔が足の間に沈み、ぬるりとした感触と共に快楽が全身を貫いた。
「ふぁっ……!?あ、えっ、あの、シグレさ……あんっ」
「セイラのここ、ピンクでかわいいよ。今、ほぐしてあげるからね」
「ちょっ……あっ!」
止める事も出来ず、僕はされるがままに身体をくねらせる。
舌が浅い所で蠢き、もどかしくて、僕の秘部はもっと引き込もうとシグレさんの舌を咥え込んで離さない。
「あ、あ……もっと……ほし……っ」
ほとんど無意識でそう呟いていた。
すると、ぬるっと舌が引き抜かれ、今度は中指がゆっくりと挿入される。
「ひぁあっ……!」
「ああ、セイラ……えっちな子だね。そんな顔、他の奴には絶対に見せちゃダメだよ?」
先程の男達を思い出したのか、シグレさんの表情が僅かに歪む。
そして、指が二本に増やされた。
「んんっ」
「ああ、いいね……もう少し頑張って」
それから暫く、ユルユルと指が出し入れされ、三本まで増やされる。
そして――
「……そろそろ、いいかな」
0
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説
スノードロップに触れられない
ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照
BL
*表紙*
題字&イラスト:niia 様
※ 表紙の持ち出しはご遠慮ください
(拡大版は1ページ目に挿入させていただいております!)
アルファだから評価され、アルファだから期待される世界。
先天性のアルファとして生まれた松葉瀬陸真(まつばせ りくま)は、根っからのアルファ嫌いだった。
そんな陸真の怒りを鎮めるのは、いつだって自分よりも可哀想な存在……オメガという人種だ。
しかし、その考えはある日突然……一変した。
『四月から入社しました、矢車菊臣(やぐるま きくおみ)です。一応……先に言っておきますけど、ボクはオメガ性でぇす。……あっ。だからって、襲ったりしないでくださいねぇ?』
自分よりも楽観的に生き、オメガであることをまるで長所のように語る後輩……菊臣との出会い。
『職場のセンパイとして、人生のセンパイとして。後輩オメガに、松葉瀬センパイが知ってる悪いこと……全部、教えてください』
挑発的に笑う菊臣との出会いが、陸真の人生を変えていく。
周りからの身勝手な評価にうんざりし、ひねくれてしまった青年アルファが、自分より弱い存在である筈の後輩オメガによって変わっていくお話です。
可哀想なのはオメガだけじゃないのかもしれない。そんな、他のオメガバース作品とは少し違うかもしれないお話です。
自分勝手で俺様なアルファ嫌いの先輩アルファ×飄々としているあざと可愛い毒舌後輩オメガ でございます!!
※ アダルト表現のあるページにはタイトルの後ろに * と表記しておりますので、読む時はお気を付けください!!
※ この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

たしかなこと
大波小波
BL
白洲 沙穂(しらす さほ)は、カフェでアルバイトをする平凡なオメガだ。
ある日カフェに現れたアルファ男性・源 真輝(みなもと まさき)が体調不良を訴えた。
彼を介抱し見送った沙穂だったが、再び現れた真輝が大富豪だと知る。
そんな彼が言うことには。
「すでに私たちは、恋人同士なのだから」
僕なんかすぐに飽きるよね、と考えていた沙穂だったが、やがて二人は深い愛情で結ばれてゆく……。

男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。

好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。
近況ボードをご覧下さい。

お世話したいαしか勝たん!
沙耶
BL
神崎斗真はオメガである。総合病院でオメガ科の医師として働くうちに、ヒートが悪化。次のヒートは抑制剤無しで迎えなさいと言われてしまった。
悩んでいるときに相談に乗ってくれたα、立花優翔が、「俺と一緒にヒートを過ごさない?」と言ってくれた…?
優しい彼に乗せられて一緒に過ごすことになったけど、彼はΩをお世話したい系αだった?!
※完結設定にしていますが、番外編を突如として投稿することがございます。ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる