雇われオメガとご主人様

筍とるぞう

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※第三十二話 一緒に・3 ⭐︎イラストあり

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「そっか、セイラはこういうの、初めてなんだね」


「う……」


なにもかも初めてな僕は、言い当てられて口籠った。

ひとしきり笑い終えると、シグレさんは呼吸を整え、改めて僕に向き合った。


「大丈夫、お腹を壊したりはしないよ。それより、俺はまだ足りないかなぁ」


そう言って、シグレさんは再び僕に覆いかぶさり、自分のシャツのボタンをプチプチと外していく。

そして胸元が露になると、ただならぬ色気を感じて、僕はパッと目を逸らした。


「……っ」


「逸らさないで。ほら……ちゃんと見て?」


「や……っ」


顎を捉えられ、くいっと上向かされると、再び逞しい胸板が目に飛び込んできて、僕の頬はたちまち赤く染まっていく。


「セイラ……次は、一緒にしよ?」


「え……あ」


ジッと見つめられ、意味を理解すると、胸がドキドキと高鳴り始める。

一緒に、ということはやはり、一つになろうという意味だろう。


(シグレさんと……)


想像しただけで、身体が熱くなってくる。

それに、なんだろう……さっきから前だけでなく、後ろもトロトロに濡れてしまっている。

発情期に入ると、こういう現象はよく起こるのだが、ここまでトロトロになってしまうのは初めてかもしれない。


(これって、αと居るからだろうけど、やっぱり……)


もしかすると、シグレさんと僕が運命の番だから――かもしれない。


そう思うと、胸の奥がキュンと甘く疼く。

”運命の番”ばかりに拘るつもりもないのだけれど、やはりいいなと思う。

それに、ずっと引きずっていたN高校の彼への想いを越えられるのは、僕にとって大きな事だ。

僕はそっとシグレさんの首元に腕を回すと、甘えるようにぎゅっと抱きついた。


「僕……シグレさんと、したい、です」


「セイラ……ん、俺もだよ。本当に、可愛いな」


打ち明けると、シグレさんはそっと僕を引き離し、丁寧にベッドに寝かせた。




そして慈しむように、頬や耳、胸元に何度も何度も軽いキスを落とす。


「ん……っはぁ、あ」


「セイラ……綺麗だよ」


「あっ……」


胸の先をちゅうっと吸われ、強い快楽に腰元がビクンと跳ねあがる。


悶えるように身を捩れば、今度は内腿に指先が這わされ、もどかしい刺激が与えられた。


「あ、あっ、やぁ……」


「セイラ……ここ、凄く濡れてる。触ってもいい?」


「あ……っあの……」


もちろん、触れてほしい。

けど、それを口にするのが恥ずかしくて、僕は腕で目元を隠した。


「は、ずかしい……です」


「ふふ、OKってことかな。大丈夫、優しくするよ」


心地よい声が、耳も心も擽ってくる。

ドキドキして待っていると、足の付け根の辺りを長い指先がスルリと掠めていった。


「あっ、……っ」


「ん……いい反応。ここは?」


シグレさんは僕の反応を見ながら、今度はもっと上の方に触れてくる。

トロトロの秘部に指先が近付き、期待でヒクヒクとしてしまうのがまた恥ずかしい。


「……っ、も、やら……っ」


「ふ、かわいいね。じゃあ、そろそろ……」


そろそろ、と言われ、体が勝手に反応して仰け反ってしまう。

恥ずかしくて堪らないのに、やはり本能はシグレさんを強く求めているのだ。


(もう、我慢できない……っ)


とうとう僕は抑えが効かなくなり、シグレさんを求めるように、さらに腰元を仰け反らせた。


「お願い、です……っ早く、来て、下さい……っ」


「……!」


掠れた声を絞り出すと、すぐさま唇を奪われた。


「んぅ……」


息も出来ないほど深く口づけられ、身動ぎをすれば、今度はシグレさんの手が内腿から上へと這い上がってきた。


「んあっ、あんっ……!」


熱を感じ、そろりと見下ろせば、僕とシグレさんの昂りが一緒に握りこまれていた。


「ん……まずはこうして……少しづつ、動くよ?あ、声は少し抑えないと、隣の部屋に聞こえちゃうかも」


「……っ!」






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