雇われオメガとご主人様

筍とるぞう

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※第十一話☆挿絵あり

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「あの……?」


「セイラ……俺はさっきから、飲ませて欲しいって言ってるんだよ」


「の、飲ませるって……だからこれを……」


手のひらに薬を乗せたまま、僕は困り果てて首を傾げた。

そんな僕に、シグレさんはヤレヤレとため息をつく。


「わからない?困った使用人だ……貸してごらん、こうするんだよ」


シグレさんは僕の手から抑性剤を一錠だけ取ると、何故か僕の口に含ませた。


「…………?」


「ん。それじゃあ、いただきます」


「え……んっ!?」


瞬間、後ろ頭をグイッと引き寄せられ、強引に口付けられる。そしてすぐにシグレさんの熱い舌が唇を割り開き、ぬるりと侵入してきた。





「んむっ!は……ふぁ……っ」


「……ほら……もっと口、開けて?」


「あ、はぁ……っ」


頭を押さえ付けられ、口腔を縦横無尽に犯される。

強引過ぎるキスに、僕はつい目的を忘れてぼうっとなってしまい、暫くしてから、抑性剤をシグレさんの口へ移す任務を思い出す。


「ん、んん……っ」


恥ずかしいながらも、この任務を終えなければ解放して貰えないと悟り、僕は自らシグレさんの唇に自分の唇を押し付けて、抑性剤がシグレさんの口の中へ移るように押し出していく。


「ん、む……」


「……は、セイラ……いいね。その調子で、もう一錠もよろしく」


「あ……」


やっと一錠飲ませたと思ったのに、まだあと一錠ある。

僕は乱れた息を整えつつ、フルフルと力無く首を横に振った。


「も……無理です……っ腰が……」


「腰?」


「……っ」


つい、本音をもらしてしまい、僕は一気に頬を赤く染め上げた。


(だって……だってαとこんな……キスなんてしたら……っ)


実は、シグレさんと長いキスを交わしたせいで、すっかり腰が砕けてしまい、中心も大きく勃ち上がってしまっていた。

今はシグレさんも発情しているから、さっきまでよりもシグレさんの甘ったるい匂いを感じるし、もはや、膝の上に座っているのもやっとで、僕は半ば無意識にシグレさんの襟元にしがみついてしまっている。


「セイラ……いけないな、こんなに大きくして……」


「あっ……だめ……!   触らないで下さ……っ」


シグレさんはそんな僕の様子をすぐに把握したようで、ズボン越しにスルリと触れてきた。


「あっ、やっ……」


「ん、可愛い声。セイラ、もっと力を抜いて」


「だめです……っシグレさ……」


恥じらいと気持ち良さで、すっかり潤んでしまった瞳で見上げると、シグレさんは僕を膝から下ろし、ゆっくりとベッドに押し倒すようにして寝かせた。


「セイラ、これも使用人の役目だよ。今夜は、俺と一緒に寝る事。いいね?」


「え……っ!?   でも……っ」

半ば青ざめて抵抗を示すと、シグレさんはまた少し冷静さを取り戻したのか、落ち着いた声音で言う。


「大丈夫、項は噛まないよ。それに、いやらしいこともしないから。抑性剤も一錠飲ませてもらったし、それぐらいの自制は効く……というか、理性を保つ為にも、もう一錠も飲ませてくれる?」


「シグレさん……あの…………はい、わ……かり、ました……」


そう言われてしまっては、反抗する事は出来ない。

僕は頷くと、シグレさんの手からもう一つの抑制剤を受け取った。



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