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私と最愛の魔法使い~王女様、私の夫に惚れられても困ります!~
分岐点12 発覚
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「────以上で報告は終わります。」
ジークリートの発言と共に、本日議題であった内容は終了した。今日は定例の上層会議があった為、各属性の上級魔法使いとアッシュ、もちろんウィルもセントラルに集まっていた。
アッシュはここ最近はボーッとすることが多くなり、定例会議でも特に発言はせず、報告内容も聞いているのか聞いていないのか曖昧な様子であった。
そらぞれが帰り支度をしていた際、ジークリートが思い出したように声を上げた。
「そういえば、風の噂で聞いたんだが、ウィル!結婚したそうだな!おめでとう。」
カイザーやイースはウィルの結婚のことを知らなかったようで、とても意外そうにしていた。
「ええ?若いのにすごいな。お前の家はうるさそうだしな······どこの令嬢と?」
カイザーが何気なく聞いてきたので、ウィルは答えた。結婚のことは大っぴらにするつもりもなかったが、特に隠すつもりもなかった。いずれ分かることだ。
「いえ、魔法使いではない女性です。」
それを聞いたイースは笑い出した。
「はは!ウィルは突然上級になったり、魔力なしと結婚したり、意外に突拍子もない男だな!政治より愛に生きるのか。俺は好きだぞそういうの。」
イースに茶化されたウィルは苦笑した。
アッシュはその話に全く興味が無さそうにしていたが、席を立とうと立ち上がった瞬間動きを止め、何かを考えながらウィルをじっと見てきた。
「···········結婚相手の名前は?」
突然のアッシュの問い掛けに周囲がシーンとする中、ウィルははっきりと答えた。
「ナタリーです。」
ジークリートとカイザーが、「え?ナ、ナタリー?」と聞き返していた。ナタリーがアッシュとの仲がこじれ、侍女を辞めたことは誰もが知っていた。
「·············ナタリー?俺の知るナタリーとは別のナタリーという人間がいるのか?」アッシュが低い声で聞き返した。
「いえ。アッシュ様の知るナタリーと結婚しました。」
ウィルの返事に、異様な事態になると踏んだジークリートは慌てて席を立ち、話題を揉み消そうと大きな声を出した。
「関係のない話しはこまでにしましょう!!ほら、みんな帰ってください!ウィル早く帰れ!!」
ジークリートの足掻きも虚しく、アッシュはそのままウィルに近付いていき、胸ぐらを掴んだ。
「お前ふざけてるのか?表へ出ろ。」
ここまできたアッシュを止めることは誰もできず、ウィルが連れ出されるのを皆黙って見ていた。よりにもよってナタリーに手を出すなど、アッシュの側近であれば絶対にしないことだ。ウィルは死にたいか、死ぬのが怖くないかどちらかなんだろうと皆思った。
魔法塔の外に連れ出されたウィルは、勢いよく地面に転がされた。
「··········お前どういうつもりだ?俺の命令に従っているふりをして俺を騙していたのか?」
「───いえ。ナタリーと近しくなったのは、アッシュ様からの任が解けた後です。個人的に遊びにきて欲しいと言われていて、その内に仲良くなりました。それに、僕はアッシュ様に先に確認しました。」
「··········何だと?」
「アッシュ様は僕にはっきりおっしゃいましたよね?『ナタリーに対しては愛でも恋でもなく、結婚するつもりもない、特別な意味で触れたくなったことはない』と。僕がナタリーと結婚して、何がいけないのか分かりません。」
「───お前の戯言はもういい。覚悟しろよ。」
アッシュはウィルを許すことなど到底出来なかった。この手八丁口八丁で男慣れしていないナタリーを翻弄したんだろう。彼女を初めて抱いたのがこの男など、考えることも嫌だった。何よりアッシュが許せなかったのは自分自身だ。ナタリーの元にウィルを遣わせたことがきっかけで2人が近付いてしまったことが、悔やんでも悔やみきれなかったし、この男の誘導通りに動いた自分が馬鹿だった。
アッシュがウィルに向かって一歩踏み込んだその時、少し離れたところから声がした。
「あれ?ウィル!······とアッシュ?2人して何をしてるんですか?」
なぜか現れたナタリーに2人とも驚き、アッシュはウィルに向かって出しかけた手を握りしめ下ろした。
地面から立ち上がり、服に付いた土をはたいたウィルはナタリーに近付いていった。
「ナタリー。アッシュ様とちょっと話があって。それよりどうしたの?屋敷にいたんじゃ?」
「うん。お義兄さんが用事があるからって一緒に連れてきてもらったの。久しぶりにここに来たくなって。あなたを待ってビックリさせようと思ったのよ。」
「······兄と話したことあったっけ?───迎えに来てくれて嬉しいよ。帰ろう。」
ウィルがナタリーを連れて立ち去ろうとするのを、アッシュが呼び止めようとしたちょうどその時、エステルが小走りでやってきて、アッシュの腕に絡み付いた。
「アッシュ様!探しましたよ。会議が終わったら私の部屋に来てくださいって言ったじゃないですか!」
しがみついたエステルの腕を振り払おうとした時、エステルの腕に力が入り、ナタリーとウィルには聞こえないような小さな声でエステルはアッシュに言った。
「アッシュ様、これで良かったんです。」
意味深なエステルの言葉を表情にアッシュが気を取られている隙に、ナタリーとウィルは一礼をして去ってしまった。
アッシュはエステルの腕を振り払い、忌々しそうに怒鳴った。
「どういう意味だ!?よくも邪魔を····!」
「アッシュ様。今のあなたは魔力が不安定でしょう?ナタリーが近くにいれば、彼女を害しますよ。今はアッシュ様は彼女といるべきではありません。」
「···············帰る。」
アッシュは自信の状態をよく分かっていた。そしてそれから3日間、アッシュは部屋にこもり、外に出てくることはなかった。
エステルはアッシュに嘘をついた。アッシュの魔力が不安定なのは事実だが、今はエステルが調節をしているし、ナタリーの影響でさらにアッシュの状態が悪くなることは考えにくい。
初めてナタリーに会った日、彼女の災いがはっきりと見えた。しかも、ナタリー一人ではなく、アッシュも共に巻き込まれる運命だった。
だから、あの時ナタリーに対して、失礼を承知でなじったのだった。波風を立てたことで、案の定ナタリーに心境の変化が生まれ、自らアッシュから離れるという選択をしてくれた。
『周りを不幸にしてしまう人間』というのは、稀有だが存在する。呪われているのか、その者の性質なのか分からないが、エステルは過去に一人だけそういう類いの人間に会ったことがある。その人物は平民で、エステルの故郷にある街のごく普通の家の一人娘だった。ナタリーのように、特に目立つタイプではなく、大人しい印象だった。何が起こったのかは分からないが、小さな街で、隣り合った家同士3家族が、一晩で殺し合いをした。祖父母、両親、子どもや赤ん坊もいた。生き残ったのはその娘たった一人で、翌日の早朝、何人もの人間が横たわっている血の海の中で、震えながら踞っているのを発見された。そして数日後、その少女は自ら命を絶った。
アッシュに災いが見えたことを伝えれば、自身がどうなろうとなりふり構わず、ナタリーを側におこうとするはずだ。エステルとしては、それは避けたいことだった。
ウィルは気の毒だと思うが、自分で彼女を選んだのだから仕方がない。それが人生というものだ。
(アッシュ、私を恨まないでね········)
エステルはわずかに残った良心が傷付いたが、何事もなかったかのようにいつもの美しい笑顔を浮かべた。
ジークリートの発言と共に、本日議題であった内容は終了した。今日は定例の上層会議があった為、各属性の上級魔法使いとアッシュ、もちろんウィルもセントラルに集まっていた。
アッシュはここ最近はボーッとすることが多くなり、定例会議でも特に発言はせず、報告内容も聞いているのか聞いていないのか曖昧な様子であった。
そらぞれが帰り支度をしていた際、ジークリートが思い出したように声を上げた。
「そういえば、風の噂で聞いたんだが、ウィル!結婚したそうだな!おめでとう。」
カイザーやイースはウィルの結婚のことを知らなかったようで、とても意外そうにしていた。
「ええ?若いのにすごいな。お前の家はうるさそうだしな······どこの令嬢と?」
カイザーが何気なく聞いてきたので、ウィルは答えた。結婚のことは大っぴらにするつもりもなかったが、特に隠すつもりもなかった。いずれ分かることだ。
「いえ、魔法使いではない女性です。」
それを聞いたイースは笑い出した。
「はは!ウィルは突然上級になったり、魔力なしと結婚したり、意外に突拍子もない男だな!政治より愛に生きるのか。俺は好きだぞそういうの。」
イースに茶化されたウィルは苦笑した。
アッシュはその話に全く興味が無さそうにしていたが、席を立とうと立ち上がった瞬間動きを止め、何かを考えながらウィルをじっと見てきた。
「···········結婚相手の名前は?」
突然のアッシュの問い掛けに周囲がシーンとする中、ウィルははっきりと答えた。
「ナタリーです。」
ジークリートとカイザーが、「え?ナ、ナタリー?」と聞き返していた。ナタリーがアッシュとの仲がこじれ、侍女を辞めたことは誰もが知っていた。
「·············ナタリー?俺の知るナタリーとは別のナタリーという人間がいるのか?」アッシュが低い声で聞き返した。
「いえ。アッシュ様の知るナタリーと結婚しました。」
ウィルの返事に、異様な事態になると踏んだジークリートは慌てて席を立ち、話題を揉み消そうと大きな声を出した。
「関係のない話しはこまでにしましょう!!ほら、みんな帰ってください!ウィル早く帰れ!!」
ジークリートの足掻きも虚しく、アッシュはそのままウィルに近付いていき、胸ぐらを掴んだ。
「お前ふざけてるのか?表へ出ろ。」
ここまできたアッシュを止めることは誰もできず、ウィルが連れ出されるのを皆黙って見ていた。よりにもよってナタリーに手を出すなど、アッシュの側近であれば絶対にしないことだ。ウィルは死にたいか、死ぬのが怖くないかどちらかなんだろうと皆思った。
魔法塔の外に連れ出されたウィルは、勢いよく地面に転がされた。
「··········お前どういうつもりだ?俺の命令に従っているふりをして俺を騙していたのか?」
「───いえ。ナタリーと近しくなったのは、アッシュ様からの任が解けた後です。個人的に遊びにきて欲しいと言われていて、その内に仲良くなりました。それに、僕はアッシュ様に先に確認しました。」
「··········何だと?」
「アッシュ様は僕にはっきりおっしゃいましたよね?『ナタリーに対しては愛でも恋でもなく、結婚するつもりもない、特別な意味で触れたくなったことはない』と。僕がナタリーと結婚して、何がいけないのか分かりません。」
「───お前の戯言はもういい。覚悟しろよ。」
アッシュはウィルを許すことなど到底出来なかった。この手八丁口八丁で男慣れしていないナタリーを翻弄したんだろう。彼女を初めて抱いたのがこの男など、考えることも嫌だった。何よりアッシュが許せなかったのは自分自身だ。ナタリーの元にウィルを遣わせたことがきっかけで2人が近付いてしまったことが、悔やんでも悔やみきれなかったし、この男の誘導通りに動いた自分が馬鹿だった。
アッシュがウィルに向かって一歩踏み込んだその時、少し離れたところから声がした。
「あれ?ウィル!······とアッシュ?2人して何をしてるんですか?」
なぜか現れたナタリーに2人とも驚き、アッシュはウィルに向かって出しかけた手を握りしめ下ろした。
地面から立ち上がり、服に付いた土をはたいたウィルはナタリーに近付いていった。
「ナタリー。アッシュ様とちょっと話があって。それよりどうしたの?屋敷にいたんじゃ?」
「うん。お義兄さんが用事があるからって一緒に連れてきてもらったの。久しぶりにここに来たくなって。あなたを待ってビックリさせようと思ったのよ。」
「······兄と話したことあったっけ?───迎えに来てくれて嬉しいよ。帰ろう。」
ウィルがナタリーを連れて立ち去ろうとするのを、アッシュが呼び止めようとしたちょうどその時、エステルが小走りでやってきて、アッシュの腕に絡み付いた。
「アッシュ様!探しましたよ。会議が終わったら私の部屋に来てくださいって言ったじゃないですか!」
しがみついたエステルの腕を振り払おうとした時、エステルの腕に力が入り、ナタリーとウィルには聞こえないような小さな声でエステルはアッシュに言った。
「アッシュ様、これで良かったんです。」
意味深なエステルの言葉を表情にアッシュが気を取られている隙に、ナタリーとウィルは一礼をして去ってしまった。
アッシュはエステルの腕を振り払い、忌々しそうに怒鳴った。
「どういう意味だ!?よくも邪魔を····!」
「アッシュ様。今のあなたは魔力が不安定でしょう?ナタリーが近くにいれば、彼女を害しますよ。今はアッシュ様は彼女といるべきではありません。」
「···············帰る。」
アッシュは自信の状態をよく分かっていた。そしてそれから3日間、アッシュは部屋にこもり、外に出てくることはなかった。
エステルはアッシュに嘘をついた。アッシュの魔力が不安定なのは事実だが、今はエステルが調節をしているし、ナタリーの影響でさらにアッシュの状態が悪くなることは考えにくい。
初めてナタリーに会った日、彼女の災いがはっきりと見えた。しかも、ナタリー一人ではなく、アッシュも共に巻き込まれる運命だった。
だから、あの時ナタリーに対して、失礼を承知でなじったのだった。波風を立てたことで、案の定ナタリーに心境の変化が生まれ、自らアッシュから離れるという選択をしてくれた。
『周りを不幸にしてしまう人間』というのは、稀有だが存在する。呪われているのか、その者の性質なのか分からないが、エステルは過去に一人だけそういう類いの人間に会ったことがある。その人物は平民で、エステルの故郷にある街のごく普通の家の一人娘だった。ナタリーのように、特に目立つタイプではなく、大人しい印象だった。何が起こったのかは分からないが、小さな街で、隣り合った家同士3家族が、一晩で殺し合いをした。祖父母、両親、子どもや赤ん坊もいた。生き残ったのはその娘たった一人で、翌日の早朝、何人もの人間が横たわっている血の海の中で、震えながら踞っているのを発見された。そして数日後、その少女は自ら命を絶った。
アッシュに災いが見えたことを伝えれば、自身がどうなろうとなりふり構わず、ナタリーを側におこうとするはずだ。エステルとしては、それは避けたいことだった。
ウィルは気の毒だと思うが、自分で彼女を選んだのだから仕方がない。それが人生というものだ。
(アッシュ、私を恨まないでね········)
エステルはわずかに残った良心が傷付いたが、何事もなかったかのようにいつもの美しい笑顔を浮かべた。
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