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私と最愛の魔法使い~王女様、私の夫に惚れられても困ります!~
分岐点9 アンダーソン家
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ナタリーが休み明け、花屋に出勤しイレルと共に店の準備をしていると、遅れてジェニーが現れた。
「ジェニーおはよう。」
「ナタリー、イレルおはようございます。」
ジェニーはどこか不機嫌だった。ナタリーは、もしや2日前のパーティーの件かと思い当たった。ウィルに続きアッシュとのことがあった為、パーティーでおそらくやらかしたであろうことを忘れてしまっていた。
「おとといはありがとうジェニー。あと、なんかごめんね。先に帰っちゃって······」
「ほんとよ。あの後最悪だったんだから!男の子達はみんな帰っちゃうし、女の子達は『ジェニーなんであの子を連れてきたの!』って責められたわ。あなたのことよナタリー。」
「ごめんって·····緊張してお酒けっこう飲んじゃったのよ。女子も部屋からいなくなっちゃうし、ウィルとはしゃべるなって······しょうがないでしょ?私最初に断ったわよ。」
「───あなたって本当は魔法使いなんでしょ?『魅了の魔法』的なのを使ってるに決まってる。じゃないと説明がつかないもの!」
「あはは!なにそれ。ぜひ使ってみたいわ『魅了の魔法』!」
「笑わないで!!とにかく、金輪際こっちの界隈にはあなたは足を踏み入れないで。荒らされたらたまったもんじゃないわ。ドレスは返してよね!」
ジェニーはプリプリ怒りながら、離れて作業をし始めた。
それから普段通り仕事に励んだナタリーだったが、2日後は聖女エステルが大きな災いがあると予言した日だ。ナタリーは序盤で離脱していた為詳細は知らないが、おそらくアッシュは魔獣の殲滅に当たるだろう。ウィルは攻撃型ではなく防御型なので、魔獣が出没するであろうエリアの近隣住民の護衛指揮と聞いていた。
魔法使い達が命を張ってくれているおかげで、魔力なしの人間達は平和に暮らしていくことができる。何もできないナタリーは申し訳なく思いつつも、彼らの無事を祈ることしかできなかった。
それから2日後、人間界は何も変わらない日常を送ることができた。ということは、魔法使い達の戦略が成功し、未然に災いを防げたということであろう。ナタリーはホッと胸を撫で下ろした。
ウィルが来たのは、それから数日後の週末だった。花屋の仕事が終わり、店前の看板を下げていると突然ウィルが現れたのでナタリーは驚いた。無事に会えたことが嬉しくてウィルに抱き付いた。
「ウィル!!おかえりなさい。きっと成功したんだろうなとは思っていたけど····心配してたのよ。」
「ううん、僕は何も。戦闘班が頑張ったおかげで、護衛班は何もせずに済んだんだよ。特にアッシュはすごかった。一人で半数以上の魔獣を倒したって。」
「そうなんだ······とにかく無事で良かったわ。」
アッシュが活躍したと知りナタリーは嬉しくなった。この前ケンカ別れのようになってしまったが、アッシュが頼りになることを知っているし、彼の無事を誰よりも願ったのはナタリーだった。
「そういえば、今日来たのはナタリーを連れていきたいところがあって。明日って休みだよね?予定ある?」
「ううん、何もないけど。」
「良かった!じゃあ、今日は僕の屋敷に泊まっていって。」
「え?ウィルのお屋敷って····アンダーソン邸??無理よ!私なんかが入っていいお家じゃないわ。ご両親に卒倒されるわよ。」
「大丈夫。話は通してあるし、両親には顔見せるだけで話さなくて大丈夫。以前祖父が住んでた別邸があるんだ。今は使ってないから、そこに泊まろう。」
ウィルは、逃げ腰なナタリーを大丈夫大丈夫と半ば強引に連れ出そうとした。諦めたナタリーは、イレルに事情を話し、今夜はウィルと共に久しぶりに魔法界に足を踏み入れることにした。
「イレル、ウィルと魔法界に行ってくるから今夜は帰りません。」
「ああそうなの!いいじゃないたまには。お友達の家?」
「ええ·····そんなところです。」
なんとなく言葉を濁したナタリーだったが、ウィルが割って入ってきてイレルにはっきりと言った。
「ナタリーは今夜僕の家に泊まるんです。この前プロポーズして。家族を紹介したかったから、今夜来てもらうことにしたんです。」
ナタリーはバッとウィルを見た。イレルにそこまで教える必要があるだろうか?なんだか気恥ずかしく、顔が紅くなった。
「えぇ!?あなた達いつの間に??そうなのね。せっかくだし何日か休んできていいわよナタリー。いいじゃない、お似合いよ。結婚が決まったら教えて!お祝いしなきゃ。」
ウィルは笑顔ではいと答えるとナタリーの手を引きすぐにアンダーソン邸へ飛んだ。
目の前にそびえ立つウィルの実家は、想像よりも広大な敷地だった。改めて、『あぁ、ウィルはお坊ちゃんなんだな』と認識したナタリーだった。
「ねぇ、そういえば、ご両親に話は通してるって·······私のこと何て話したの?」
「別にそのままだよ。結婚したい女性がいて、その人は魔法使いじゃない普通の女性だから、今度紹介するって言ってある。」
◇1日前~アンダーソン邸~
ウィルは屋敷で両親、5歳上の兄フィリップと共に夕食を取っていた。
最近までウィルは落ちこぼれの家門の恥さらし扱いだったのだが、今や上級魔法使いになったことで、両親と兄は心底驚いた。ずっとウィルが実力を隠していたことで、ウィルの父は大層怒り心頭であったが、数十年ぶりにアンダーソンの家門から上級魔法使いを輩出できたことは一族の誉れであり、両親は鼻が高かった。しかし、これまで期待されていた兄のフィリップは、突然弟が人が変わったようになったこと、両親の関心が自分から弟に移ったことに戸惑い、苛立ちを隠せなかった。
「ウィル、明日は前にも言った通り、有力貴族の令嬢とお見合いに行くんだ。覚えてるな?」
「覚えてますけど断りましたよ?兄上が代わりに行っていただければどうかと。」
ウィルの父はこめかみに血管を浮かび上がらせ、テーブルをバンッと叩いた。
「本当にお前は1つも言うことを聞かないな!!フィリップはすでに見合いをいくつもしているんだ。それに、今はお前にたくさんの貴族令嬢から見合いの申し出が届いている。名家ばかりだし皆美人だ。一人でいいから会ってみろ。親の顔に泥を塗るのか!?」
「そのことですけど、僕にもうお見合いは必要ありません。結婚したい女性がいます。」
「·······何だと?どこの家の令嬢だ!?」
「貴族ではありません。魔法使いでもない。魔法使いの元で働いていた、魔力なしの普通の女性です。」
ウィルの父は殴られたように頭を抱え呻いた。ウィルの母は口を手で抑え声が出ないようで、兄のフィリップは信じられないとウィルを非難した。
「ウィル、本当に何考えてるんだ·····?なんで魔力なしの平民なんかと───なぁ、魔法使いの元で働いてたって言ったな。その魔法使いは誰だ?」
フィリップは嫌な予感がした。ウィルが以前、各属性の上級魔法使い達と関わり雑務をこなしていたのを知っていた。その場に、魔法使いの間ではある意味有名な、珍しい人間の女性がいたはずだ。
「あぁ·····大魔法使いアッシュ様です。女性の名前はナタリーといって、アッシュ様の侍女をされていた方です。」
最悪の予感が当たり、フィリップは顔面蒼白になった。
「だ、大魔法使いの侍女だと!?あの人間界から連れてきたっていう孤児の······なんだってそんな訳アリなんかと!」
「そうよウィル!考え直して!」
両親の阿鼻叫喚にうんざりした顔をしたウィルはきっぱりと言った。
「許してもらおうと思って言ったんじゃありません。ただの報告です。そこまで嫌なら、僕を勘当していただいて構いませんよ。」
ウィルは家門に未練などなかったが、上級魔法使いであるウィルに出ていかれて困るのはアンダーソン家の方であった。
「·················!!」
両親が何も言い返せないようだったので、ウィルはニッコリと笑った。
「明日屋敷に彼女を連れてきます。別邸で過ごすので関わらないと思いますが····顔を合わせたときに、失礼な態度や発言をしないでください。結婚についてはこっちで勝手にするので、放っておいてください。」
ウィルは席を立つと、両親と兄を残し広間を出ていった。
「ジェニーおはよう。」
「ナタリー、イレルおはようございます。」
ジェニーはどこか不機嫌だった。ナタリーは、もしや2日前のパーティーの件かと思い当たった。ウィルに続きアッシュとのことがあった為、パーティーでおそらくやらかしたであろうことを忘れてしまっていた。
「おとといはありがとうジェニー。あと、なんかごめんね。先に帰っちゃって······」
「ほんとよ。あの後最悪だったんだから!男の子達はみんな帰っちゃうし、女の子達は『ジェニーなんであの子を連れてきたの!』って責められたわ。あなたのことよナタリー。」
「ごめんって·····緊張してお酒けっこう飲んじゃったのよ。女子も部屋からいなくなっちゃうし、ウィルとはしゃべるなって······しょうがないでしょ?私最初に断ったわよ。」
「───あなたって本当は魔法使いなんでしょ?『魅了の魔法』的なのを使ってるに決まってる。じゃないと説明がつかないもの!」
「あはは!なにそれ。ぜひ使ってみたいわ『魅了の魔法』!」
「笑わないで!!とにかく、金輪際こっちの界隈にはあなたは足を踏み入れないで。荒らされたらたまったもんじゃないわ。ドレスは返してよね!」
ジェニーはプリプリ怒りながら、離れて作業をし始めた。
それから普段通り仕事に励んだナタリーだったが、2日後は聖女エステルが大きな災いがあると予言した日だ。ナタリーは序盤で離脱していた為詳細は知らないが、おそらくアッシュは魔獣の殲滅に当たるだろう。ウィルは攻撃型ではなく防御型なので、魔獣が出没するであろうエリアの近隣住民の護衛指揮と聞いていた。
魔法使い達が命を張ってくれているおかげで、魔力なしの人間達は平和に暮らしていくことができる。何もできないナタリーは申し訳なく思いつつも、彼らの無事を祈ることしかできなかった。
それから2日後、人間界は何も変わらない日常を送ることができた。ということは、魔法使い達の戦略が成功し、未然に災いを防げたということであろう。ナタリーはホッと胸を撫で下ろした。
ウィルが来たのは、それから数日後の週末だった。花屋の仕事が終わり、店前の看板を下げていると突然ウィルが現れたのでナタリーは驚いた。無事に会えたことが嬉しくてウィルに抱き付いた。
「ウィル!!おかえりなさい。きっと成功したんだろうなとは思っていたけど····心配してたのよ。」
「ううん、僕は何も。戦闘班が頑張ったおかげで、護衛班は何もせずに済んだんだよ。特にアッシュはすごかった。一人で半数以上の魔獣を倒したって。」
「そうなんだ······とにかく無事で良かったわ。」
アッシュが活躍したと知りナタリーは嬉しくなった。この前ケンカ別れのようになってしまったが、アッシュが頼りになることを知っているし、彼の無事を誰よりも願ったのはナタリーだった。
「そういえば、今日来たのはナタリーを連れていきたいところがあって。明日って休みだよね?予定ある?」
「ううん、何もないけど。」
「良かった!じゃあ、今日は僕の屋敷に泊まっていって。」
「え?ウィルのお屋敷って····アンダーソン邸??無理よ!私なんかが入っていいお家じゃないわ。ご両親に卒倒されるわよ。」
「大丈夫。話は通してあるし、両親には顔見せるだけで話さなくて大丈夫。以前祖父が住んでた別邸があるんだ。今は使ってないから、そこに泊まろう。」
ウィルは、逃げ腰なナタリーを大丈夫大丈夫と半ば強引に連れ出そうとした。諦めたナタリーは、イレルに事情を話し、今夜はウィルと共に久しぶりに魔法界に足を踏み入れることにした。
「イレル、ウィルと魔法界に行ってくるから今夜は帰りません。」
「ああそうなの!いいじゃないたまには。お友達の家?」
「ええ·····そんなところです。」
なんとなく言葉を濁したナタリーだったが、ウィルが割って入ってきてイレルにはっきりと言った。
「ナタリーは今夜僕の家に泊まるんです。この前プロポーズして。家族を紹介したかったから、今夜来てもらうことにしたんです。」
ナタリーはバッとウィルを見た。イレルにそこまで教える必要があるだろうか?なんだか気恥ずかしく、顔が紅くなった。
「えぇ!?あなた達いつの間に??そうなのね。せっかくだし何日か休んできていいわよナタリー。いいじゃない、お似合いよ。結婚が決まったら教えて!お祝いしなきゃ。」
ウィルは笑顔ではいと答えるとナタリーの手を引きすぐにアンダーソン邸へ飛んだ。
目の前にそびえ立つウィルの実家は、想像よりも広大な敷地だった。改めて、『あぁ、ウィルはお坊ちゃんなんだな』と認識したナタリーだった。
「ねぇ、そういえば、ご両親に話は通してるって·······私のこと何て話したの?」
「別にそのままだよ。結婚したい女性がいて、その人は魔法使いじゃない普通の女性だから、今度紹介するって言ってある。」
◇1日前~アンダーソン邸~
ウィルは屋敷で両親、5歳上の兄フィリップと共に夕食を取っていた。
最近までウィルは落ちこぼれの家門の恥さらし扱いだったのだが、今や上級魔法使いになったことで、両親と兄は心底驚いた。ずっとウィルが実力を隠していたことで、ウィルの父は大層怒り心頭であったが、数十年ぶりにアンダーソンの家門から上級魔法使いを輩出できたことは一族の誉れであり、両親は鼻が高かった。しかし、これまで期待されていた兄のフィリップは、突然弟が人が変わったようになったこと、両親の関心が自分から弟に移ったことに戸惑い、苛立ちを隠せなかった。
「ウィル、明日は前にも言った通り、有力貴族の令嬢とお見合いに行くんだ。覚えてるな?」
「覚えてますけど断りましたよ?兄上が代わりに行っていただければどうかと。」
ウィルの父はこめかみに血管を浮かび上がらせ、テーブルをバンッと叩いた。
「本当にお前は1つも言うことを聞かないな!!フィリップはすでに見合いをいくつもしているんだ。それに、今はお前にたくさんの貴族令嬢から見合いの申し出が届いている。名家ばかりだし皆美人だ。一人でいいから会ってみろ。親の顔に泥を塗るのか!?」
「そのことですけど、僕にもうお見合いは必要ありません。結婚したい女性がいます。」
「·······何だと?どこの家の令嬢だ!?」
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「ウィル、本当に何考えてるんだ·····?なんで魔力なしの平民なんかと───なぁ、魔法使いの元で働いてたって言ったな。その魔法使いは誰だ?」
フィリップは嫌な予感がした。ウィルが以前、各属性の上級魔法使い達と関わり雑務をこなしていたのを知っていた。その場に、魔法使いの間ではある意味有名な、珍しい人間の女性がいたはずだ。
「あぁ·····大魔法使いアッシュ様です。女性の名前はナタリーといって、アッシュ様の侍女をされていた方です。」
最悪の予感が当たり、フィリップは顔面蒼白になった。
「だ、大魔法使いの侍女だと!?あの人間界から連れてきたっていう孤児の······なんだってそんな訳アリなんかと!」
「そうよウィル!考え直して!」
両親の阿鼻叫喚にうんざりした顔をしたウィルはきっぱりと言った。
「許してもらおうと思って言ったんじゃありません。ただの報告です。そこまで嫌なら、僕を勘当していただいて構いませんよ。」
ウィルは家門に未練などなかったが、上級魔法使いであるウィルに出ていかれて困るのはアンダーソン家の方であった。
「·················!!」
両親が何も言い返せないようだったので、ウィルはニッコリと笑った。
「明日屋敷に彼女を連れてきます。別邸で過ごすので関わらないと思いますが····顔を合わせたときに、失礼な態度や発言をしないでください。結婚についてはこっちで勝手にするので、放っておいてください。」
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