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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~
第一部 最終話
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「シェリー、おはよう。朝だよ。」
シェリーが目を覚ますと、隣には肘をついてシェリーを見つめている、レイの美しい顔があった。
「レイおはよう。私ったら、どうしていつもあなたより早く起きられないのかしら。」
シェリーはそういうと、眠い目を擦りながら、いつものようにレイの胸元に顔を埋め抱きついた。
「僕は君の寝顔を見るのが好きだから、その方が都合がいいよ。」
2人は笑いながらしばらくじゃれあっていたが 、シェリーははっとして「いけない!納品に間に合わなくなっちゃう!」と慌ててベッドから降りた。
2人がこの家に戻ってきてから、半年が経っていた。以前住んでいたときは、突然アッシュから連れ戻された為、仕事をすべてすっぽかす形となってしまい、取引先には迷惑をかけてしまっていた。
既に数ヵ月経ってしまってはいるが、取引先へ2人で謝罪に行った。すると、皆「突然いなくなったから、何か事件にでも巻き込まれたかと思って心配した。無事で良かった!」と口々に言い、引き続き取引を申し出てくれた為、非常にありがたかった。
この美しいフィガロの町で暮らしていると、セントラルでの血生臭い、混乱と怒涛のような日々が嘘のように感じる。
半年前、人間の軍隊が、魔法界が拠点とするセントラルに到達した時には、魔法使い達は逃げてしまった後で、もぬけの殻であった。人間達は、魔法使いの反逆とみなし、魔法使いと疑わしき人物がいれば、専門機関へ通報を義務付けた。
捕まった魔法使いがどうなるのかは、公にはなってはいないが、ひどい扱いを受けているか、または異能を人間に利用されているか、どちらかだろう。
幸い、レイとシェリーは、事件よりも前に生活の拠点を作っていた為、魔法使いと怪しまれることは今のところなかった。
家に戻ったら結婚しようと言う約束は、1ヶ月後に果たされた。とは言っても、正体を隠している身なので、戸籍上役所に届ける正式な夫婦ではなく、2人だけの結婚の誓いだ。
家の前の草むらに座り、2人で愛を誓い合った。
「シェリー愛してる。思えば、君があの日、僕に逃げたいと相談しなかったら、今僕たちはここにいなかったよね。強引にでも、ついていく!って言い切ったあの日の自分を褒めてやりたい。これから何が起こっても、僕がする行動はすべて、君を愛してるからだってこと忘れないで。」
「うん分かった。レイ、私も愛してる。私からもレイに1つだけお願いがあるの。」
「珍しいな。何?」
「例え私を守る為だとしても、私に何も言わずに危険なことはしないで。あなたっていつも、私に内緒で一人で決めちゃうでしょ?それであなたに何かあったら、私は生きていられないの。約束してくれる?」
レイは、シェリーの言葉にすぐに頷かず、深く考え込んでしまった。
「·····シェリー、悪いけど約束はできない。努力はする。隠し事は嫌だけど、必要な時もある。」
シェリーはレイの頑固さに苦笑した。いつもは軽口ばかり叩くくせに、こういう場面では絶対に折れなかった。しかし、シェリーはレイのこういう自分に正直なところが好きだった。
レイは、ポケットから銀の指輪を取り出した。指輪の裏側に、『レイ・シェリー』と名前が彫ってあった。
「うそ····指輪?レイ、これいつの間に用意したの?」
「セントラルにいる時に。シェリーといつかまた、暮らせる日が来ますようにって願いも込めて作ったんだ。そしたら叶った。でも、魔法の指輪じゃなくてただの指輪だよ。受け取ってくれる?」
シェリーは「ありがとう」と言い、嬉しくて涙を流した。お互いの左手の薬指に指輪をはめ、抱き合い笑い合った。
レイを愛し、愛される日々は幸せだった。
しかし、シェリーは夜になると、白銀の髪の彼のことを思い出すのだ。今どうしているのだろうか?無事に生き延びているのだろうか?側にいてくれる人はいるのだろうか?
強いようで弱い一面のある彼を1人きりにしてしまったことが、ナタリーの心の奥でずっとひっかかっていた。
レイとのかけがえのない幸せに感謝しつつも、散り散りになったジークリート、カイザー、ケイリー、エステル、その他の魔法使い達の無事を祈る日々は変わらなかった。自分達だけが平穏に過ごせている気がして、すべてを忘れることができなかった。
そして、アッシュが恋しかった。
「またいつか会えるかな。」
シェリーはそう呟き、窓の外の真っ暗闇を眺めていた。アッシュがいつものように、「何をボーッとしている?」と声をかけてきそうな気がしたが、望んだ声は聞こえてこなかった。
レイがある時言っていた。
「僕は、もう一生レイとシェリーがいいな。ウィルとナタリーの名前を使う日が来ないことを祈るよ。」
そう遠くない未来に、再びその名前を使う日が来ることを、この時のレイとシェリーは知る由もなかった。
~第一部 完~
ご愛読ありがとうございました。
シェリーが目を覚ますと、隣には肘をついてシェリーを見つめている、レイの美しい顔があった。
「レイおはよう。私ったら、どうしていつもあなたより早く起きられないのかしら。」
シェリーはそういうと、眠い目を擦りながら、いつものようにレイの胸元に顔を埋め抱きついた。
「僕は君の寝顔を見るのが好きだから、その方が都合がいいよ。」
2人は笑いながらしばらくじゃれあっていたが 、シェリーははっとして「いけない!納品に間に合わなくなっちゃう!」と慌ててベッドから降りた。
2人がこの家に戻ってきてから、半年が経っていた。以前住んでいたときは、突然アッシュから連れ戻された為、仕事をすべてすっぽかす形となってしまい、取引先には迷惑をかけてしまっていた。
既に数ヵ月経ってしまってはいるが、取引先へ2人で謝罪に行った。すると、皆「突然いなくなったから、何か事件にでも巻き込まれたかと思って心配した。無事で良かった!」と口々に言い、引き続き取引を申し出てくれた為、非常にありがたかった。
この美しいフィガロの町で暮らしていると、セントラルでの血生臭い、混乱と怒涛のような日々が嘘のように感じる。
半年前、人間の軍隊が、魔法界が拠点とするセントラルに到達した時には、魔法使い達は逃げてしまった後で、もぬけの殻であった。人間達は、魔法使いの反逆とみなし、魔法使いと疑わしき人物がいれば、専門機関へ通報を義務付けた。
捕まった魔法使いがどうなるのかは、公にはなってはいないが、ひどい扱いを受けているか、または異能を人間に利用されているか、どちらかだろう。
幸い、レイとシェリーは、事件よりも前に生活の拠点を作っていた為、魔法使いと怪しまれることは今のところなかった。
家に戻ったら結婚しようと言う約束は、1ヶ月後に果たされた。とは言っても、正体を隠している身なので、戸籍上役所に届ける正式な夫婦ではなく、2人だけの結婚の誓いだ。
家の前の草むらに座り、2人で愛を誓い合った。
「シェリー愛してる。思えば、君があの日、僕に逃げたいと相談しなかったら、今僕たちはここにいなかったよね。強引にでも、ついていく!って言い切ったあの日の自分を褒めてやりたい。これから何が起こっても、僕がする行動はすべて、君を愛してるからだってこと忘れないで。」
「うん分かった。レイ、私も愛してる。私からもレイに1つだけお願いがあるの。」
「珍しいな。何?」
「例え私を守る為だとしても、私に何も言わずに危険なことはしないで。あなたっていつも、私に内緒で一人で決めちゃうでしょ?それであなたに何かあったら、私は生きていられないの。約束してくれる?」
レイは、シェリーの言葉にすぐに頷かず、深く考え込んでしまった。
「·····シェリー、悪いけど約束はできない。努力はする。隠し事は嫌だけど、必要な時もある。」
シェリーはレイの頑固さに苦笑した。いつもは軽口ばかり叩くくせに、こういう場面では絶対に折れなかった。しかし、シェリーはレイのこういう自分に正直なところが好きだった。
レイは、ポケットから銀の指輪を取り出した。指輪の裏側に、『レイ・シェリー』と名前が彫ってあった。
「うそ····指輪?レイ、これいつの間に用意したの?」
「セントラルにいる時に。シェリーといつかまた、暮らせる日が来ますようにって願いも込めて作ったんだ。そしたら叶った。でも、魔法の指輪じゃなくてただの指輪だよ。受け取ってくれる?」
シェリーは「ありがとう」と言い、嬉しくて涙を流した。お互いの左手の薬指に指輪をはめ、抱き合い笑い合った。
レイを愛し、愛される日々は幸せだった。
しかし、シェリーは夜になると、白銀の髪の彼のことを思い出すのだ。今どうしているのだろうか?無事に生き延びているのだろうか?側にいてくれる人はいるのだろうか?
強いようで弱い一面のある彼を1人きりにしてしまったことが、ナタリーの心の奥でずっとひっかかっていた。
レイとのかけがえのない幸せに感謝しつつも、散り散りになったジークリート、カイザー、ケイリー、エステル、その他の魔法使い達の無事を祈る日々は変わらなかった。自分達だけが平穏に過ごせている気がして、すべてを忘れることができなかった。
そして、アッシュが恋しかった。
「またいつか会えるかな。」
シェリーはそう呟き、窓の外の真っ暗闇を眺めていた。アッシュがいつものように、「何をボーッとしている?」と声をかけてきそうな気がしたが、望んだ声は聞こえてこなかった。
レイがある時言っていた。
「僕は、もう一生レイとシェリーがいいな。ウィルとナタリーの名前を使う日が来ないことを祈るよ。」
そう遠くない未来に、再びその名前を使う日が来ることを、この時のレイとシェリーは知る由もなかった。
~第一部 完~
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※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
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