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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~

あの日のこと

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 次の休日、ナタリーはケイリーと一緒に、建国記念日に来ていくドレスを選びに行こうと誘われていた。ナタリーは普段着で行く予定だったが、ケイリーが大反対した。

「ナタリー!建国祭は、魔法使いが主役の日なのよ!?普段国家平和に貢献している私たちがこんな時に目立たなくてどうするのよ?」

 ナタリーは魔力はあるものの、一応普通の人間として通っているから主役ではないんだけどな、と思いながらも、久々の気分転換にケイリーと買い物に行くことに決めた。

 外出する時は、必ずアッシュに声をかけるように言われていたので、ナタリーはアッシュの部屋へ向かった。行き先を必ず言わねばならないのは億劫だったが、ナタリーが逃げた過去や、闇の魔法使いの予言のこともあり、ナタリーも報告は仕方がないと思っていた。

「アッシュ、今度の休みに職場のケイリーと市場に行ってくる。建国記念日に着るドレスが欲しいの。」

 ナタリーの外出の旨を聞き、アッシュは何か言おうと口を開きかけた。すかさず、ナタリーが

「何も言わない約束よね?私への嫌みも禁止よ。」

 と言うと、「まだ何も言ってないだろう」と口を尖らせていた。

「行くのはいいが、護身の為、防御魔法はかけさせてもらうぞ。こっちへ来てくれ。」

 アッシュに言われ、ナタリーはおずおずと近付いた。3年前、アッシュからされる『夜の日課』を心待ちにしていたことを思い出し、どうしても恥ずかしさと気まずさがあった。

「そう警戒するな。別に何もしない。」

 アッシュはナタリーの両手を取り、目をつぶって防御魔法をかけ始めた。念入りに、強力な魔法をかけているのか、体がほのかに熱くなってきた。しばらくすると、アッシュが目を開け、「終わったぞ」と言った。アッシュはまだ手を離さなかった。

 アッシュは少し笑って言った。

「思えば、俺もタイミングが悪い男だな。」

「····何が?」

「3年前、お前から俺にキスしてきた日、本当はそれ以上のこともしたかったんだ。でも魔力がいうことを聞かなくてな。拒むことしかできなかった。今は、こんな口実がないとお前に触れられない。」

 ナタリーは、一番蒸し返されたくないことを蒸し返され、赤面してしまった。

「····あなたって人は!なんで今そのことを言うのよ!?」

 ナタリーが顔を赤くしながら怒ると、それを見たアッシュが片手でナタリーの頬に触れ、「可愛いな」と目を細めて笑った。

 ナタリーはアッシュの手を振り払い、慌てて部屋を飛び出した。このまま部屋にいるのはとてもまずい気がした。

 本当にデリカシーがない男だ。あの事を蒸し返してくるなんて予想外だった。ウィルだったら絶対こんなこと言わないのに。ナタリーは、顔の火照りを冷ますのに必死だった。
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