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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~
アッシュ 対 ウィル
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後日、アッシュは、エステルの第2の予言が無視できないとして、上級魔法使い全員を召集し会議を行っていた。
アッシュとウィルが顔を合わせるのは、エステルとの婚姻式以来であり、会議開始前、2人は睨み合い、室内はなんとも重苦しい雰囲気に包まれていた。
風属性の上級魔法使いイースは、ウィルの様子を見て
「あの雑用係だった男が、こんな問題児だとは思わなかった。人は見かけに依らないな」
と隣に座っていたカイザーに耳打ちした。
時刻となり、アッシュが口を開いた。
「聖女の新たな予言があった。闇の魔法使いが魔法界全体の消滅を目論み、近々何か事を起こしてくるという内容だ。時期や内容は未だ不明だ。」
予言の内容が内容なだけに、その場にいた者全員が息をのんだ。
ジークリートがはっとした表情になり発言した。
「闇の魔法使い・・・まさか、20年以上前に一家惨殺の後、姿を消した、アルヴェイン・ウォレスが戻ってきたんでしょうか?」
「·····その可能性はある。」
アッシュがそう言うと、今度はカイザーが口を開いた。
「しかし、アルヴェインといえど、1人で魔法界全体を消滅させるなど不可能です。総攻撃を仕掛けてくるというよりは、我々を混乱させるような目論みがあるように思えます。近々行われる建国記念日は、厳重な警備をする必要があるかと。」
すると、今まで黙って聞いていたウィルが、初めて発言した。
「狙いは、大魔法使い様では?」
アッシュがウィルを見て「何?」と言った。
「魔法界を混乱させることが目的なら、トップである大魔法使い様を真っ先に狙うのでは?正面から攻撃してきても、相手に勝ち目はないでしょうから、大魔法使い様の弱味をついてくるはず。例えば、聖女エステル様・・・あとは」
「元侍女のナタリー。」
ウィルの口からナタリーの名前が出たので、その場にいた3人は驚き、アッシュの逆鱗に触れないかと肝を冷やした。ウィルは平然と言葉を続けた。
「聖女様は、当日は常に大魔法使い様のお側を離れないでしょうからいいとして、ナタリーは上級魔法使いの護衛が必要です。ジークリート様は、戦闘員の配置指揮をとられるでしょうし、イース様とカイザー様は、特性上、会場全体の監視に長けているはず。私が適任です。」
そこまで言い切ったとき、アッシュ以外の3人は、『ああ、コイツは命が惜しくないんだろうな』と思った。
アッシュはウィルの言葉に呆れ、乾いた笑いが出た。
「よりにもよってお前がナタリーの護衛をすると?」
「·····俺をなめているのか?」
アッシュの凄みのある声に、その場は凍りついた。だが、ウィルはひるまず、
「まさか。ナタリーの護衛という意味で、最も適しているのは私であると、大魔法使い様が一番よくご存じのはずです。」
と火に油を注ぐようなことを言った。カイザーが、助け船を出すように、
「確かに、ウィルの言う通りです!ナタリーの安全を最優先に考えるならば、ウィルが適任です。ジークリート、イースもそう思わないか?」
ジークリートとイースは突然話を振られ、狼狽えたが、2人とも「そう思います。」とカイザーに同意した。
アッシュは爆発寸前だったが、ナタリーの安全の確保と、それぞれの役割を考えれば、ウィルの言ったことはあながち間違ってはいないと認めざるを得なかった。
アッシュは不服そうな顔をしたものの、異を唱えなかった為、ジークリートが
「では、戦闘員配置は私が、会場の監視と警備はカイザーとイースが、ナタリーの護衛はウィルということで、詳細は後日詰めましょう。」
と言い、会議は終了となった。カイザーはジークリートに、『お前はあっちを頼む』と目配せをした。
「アッシュ様、急ぎ報告が必要な案件がありますので、こちらにお願いします。」
とジークリートはアッシュを急かした。アッシュはウィルを睨み、何か言いたげだったが、ジークリートから「お急ぎを」と言われ、しぶしぶ会議室を出ていった。
会議室のドアがバタンと閉まると、イースとカイザーは安堵の声を漏らした。
「ウィル。肝が冷えたぞ。どうしてお前はそう無茶ばかりするんだ?」
カイザーが言うと、イースも同意するように頷いた。
「まさかあの人の前で、ナタリーの護衛権を勝ち取ってしまうとはね。ある意味一番ヤバイやつだよ君。」
アッシュとウィルが顔を合わせるのは、エステルとの婚姻式以来であり、会議開始前、2人は睨み合い、室内はなんとも重苦しい雰囲気に包まれていた。
風属性の上級魔法使いイースは、ウィルの様子を見て
「あの雑用係だった男が、こんな問題児だとは思わなかった。人は見かけに依らないな」
と隣に座っていたカイザーに耳打ちした。
時刻となり、アッシュが口を開いた。
「聖女の新たな予言があった。闇の魔法使いが魔法界全体の消滅を目論み、近々何か事を起こしてくるという内容だ。時期や内容は未だ不明だ。」
予言の内容が内容なだけに、その場にいた者全員が息をのんだ。
ジークリートがはっとした表情になり発言した。
「闇の魔法使い・・・まさか、20年以上前に一家惨殺の後、姿を消した、アルヴェイン・ウォレスが戻ってきたんでしょうか?」
「·····その可能性はある。」
アッシュがそう言うと、今度はカイザーが口を開いた。
「しかし、アルヴェインといえど、1人で魔法界全体を消滅させるなど不可能です。総攻撃を仕掛けてくるというよりは、我々を混乱させるような目論みがあるように思えます。近々行われる建国記念日は、厳重な警備をする必要があるかと。」
すると、今まで黙って聞いていたウィルが、初めて発言した。
「狙いは、大魔法使い様では?」
アッシュがウィルを見て「何?」と言った。
「魔法界を混乱させることが目的なら、トップである大魔法使い様を真っ先に狙うのでは?正面から攻撃してきても、相手に勝ち目はないでしょうから、大魔法使い様の弱味をついてくるはず。例えば、聖女エステル様・・・あとは」
「元侍女のナタリー。」
ウィルの口からナタリーの名前が出たので、その場にいた3人は驚き、アッシュの逆鱗に触れないかと肝を冷やした。ウィルは平然と言葉を続けた。
「聖女様は、当日は常に大魔法使い様のお側を離れないでしょうからいいとして、ナタリーは上級魔法使いの護衛が必要です。ジークリート様は、戦闘員の配置指揮をとられるでしょうし、イース様とカイザー様は、特性上、会場全体の監視に長けているはず。私が適任です。」
そこまで言い切ったとき、アッシュ以外の3人は、『ああ、コイツは命が惜しくないんだろうな』と思った。
アッシュはウィルの言葉に呆れ、乾いた笑いが出た。
「よりにもよってお前がナタリーの護衛をすると?」
「·····俺をなめているのか?」
アッシュの凄みのある声に、その場は凍りついた。だが、ウィルはひるまず、
「まさか。ナタリーの護衛という意味で、最も適しているのは私であると、大魔法使い様が一番よくご存じのはずです。」
と火に油を注ぐようなことを言った。カイザーが、助け船を出すように、
「確かに、ウィルの言う通りです!ナタリーの安全を最優先に考えるならば、ウィルが適任です。ジークリート、イースもそう思わないか?」
ジークリートとイースは突然話を振られ、狼狽えたが、2人とも「そう思います。」とカイザーに同意した。
アッシュは爆発寸前だったが、ナタリーの安全の確保と、それぞれの役割を考えれば、ウィルの言ったことはあながち間違ってはいないと認めざるを得なかった。
アッシュは不服そうな顔をしたものの、異を唱えなかった為、ジークリートが
「では、戦闘員配置は私が、会場の監視と警備はカイザーとイースが、ナタリーの護衛はウィルということで、詳細は後日詰めましょう。」
と言い、会議は終了となった。カイザーはジークリートに、『お前はあっちを頼む』と目配せをした。
「アッシュ様、急ぎ報告が必要な案件がありますので、こちらにお願いします。」
とジークリートはアッシュを急かした。アッシュはウィルを睨み、何か言いたげだったが、ジークリートから「お急ぎを」と言われ、しぶしぶ会議室を出ていった。
会議室のドアがバタンと閉まると、イースとカイザーは安堵の声を漏らした。
「ウィル。肝が冷えたぞ。どうしてお前はそう無茶ばかりするんだ?」
カイザーが言うと、イースも同意するように頷いた。
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