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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~

第2の予言

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「闇の魔法使いが魔法界を消滅させる?1人でか?一体どうやって?」

 アッシュがエステルに矢継ぎ早に質問すると、エステルはため息をついて言った。

「詳しくは私も分からないの。断片的な夢だったから。分かるのは、男は魔法使いを憎んでいること、そして狙いはあなただということよ。あとはそちらで考えて。また夢の続きが見えたら教えるわ。」

 アッシュは真剣な顔をし、何かを考えていた。

「それはそうと····」

 エステルは、切り替えるように明るい声を出した。

「もうすぐ建国記念日じゃない!初めて夫婦として、公的な行事でお披露目できるわ。ナタリー、悪いけど、その日はこの人借してね。衣装も特注しなきゃ!」

 建国記念日。それは、昔は異能として恐れられ、人間たちから忌み嫌われていた魔法使いが、予言によって国全体を救ったとして、称えられる日でもあった。

 アッシュは魔法使いの象徴として、民衆に顔を出し、式典に参加しなければならなかった。

 ここ数年はナタリー探しに忙しく、建国記念日どころではなかった為、長らく式典は欠席していた。

「俺が顔を出す必要があるか?上級達は民衆の人気も高いし、参加すれば皆納得するさ。」

 アッシュがそういうと、エステルは信じられないというように、ため息をついた。

「あのねぇ、アッシュ。あなた、結婚したのに初夜も無視、会いにも来ない、他の女といちゃついてるのを、私は黙っていてあげてるのよ?これで式典にも参加しないんだったら、私だって考えがあるわ。教皇が黙ってないわよ。」

 エステルが怒ると、アッシュは不機嫌そうにそっぽを向いてしまった。

 ナタリーは、この2人は不思議な関係だと思った。恋愛関係にないのは一目見て分かるが、お互い何の遠慮も忖度もない。やはり前世で繋がっている者同士、言わずとも通じ合う部分があるからだろうか。

「しかし、エステル様が先程言った、闇の魔法使いが何かを仕掛けてくる可能性は?人が大勢集まりますし、誰かが紛れ込んでも分かりません。」

 ナタリーはエステルの予言が心配だった。

「それはそうだけど、予言の詳細は未だ分からないじゃない。いつ、どうやって起こるかは不明だもの。備えは必要だけど、怖がって何もしなければ相手の思う壺よ。」

 エステルがそう言うと、アッシュが珍しく同意した。

「····確かに、エステルの言うとおりだ。建国記念日に何か事を起こす可能性があるが、逆におびきだすこともできる。取り止めれば、警戒していると気付かれるしな。何も知らないふりをしていた方が、相手も油断するだろう。」

「やった!アッシュの同意も得たことだし、今から私の部屋に来て。決めなきゃいけないことがたくさんあるの。ナタリー、アッシュを借りていくわ。」

 エステルはアッシュの腕を引っ張り、半ば強引に部屋を出ていった。

 闇の魔法使い。ナタリーは、得たいの知れぬ不安が拭いきれなかった。

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