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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~

母と娘

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 ナタリーはアネッサの家の中へ通され、紅茶を出された。ナタリーは何を話していいか分からず、紅茶を飲みながらしばらく黙っていると、アネッサが話し出した。

「あなたから、会いたいと連絡をもらって本当に嬉しかったわ。もう10年以上前に手紙を出したっきり、生きている間に会ってはもらえないものだと思っていたから。こんな私に会ってくれて、本当にありがとうナタリー。そして、謝って済むものではないけれど、本当にごめんなさい。あなたを捨てたこと、ずっと後悔してたの。」

 アネッサは嗚咽するくらい泣き始めた。

 ナタリーは、彼女への怒りも、強い感情もなかった為、少し困ってしまった。ナタリーは生まれながらに親がいなかった。母親の愛がどういうものか分からなかった。

「あの····泣かないでください。私はあなたを憎んでいません。ただ、私を産んだ人が、どんな人なのか気になったんです。父親のことも教えてくれませんか?」

 アネッサは、ナタリーが憎んでないと言ったことで、心の荷が降りたのか、小さい声で「ありがとう。」と言った。

「私は若くて、本当に馬鹿だったの。一時の感情で、あなたの父親と関係を持ってしまった。その人は、町の外から来た男性で、付き合っていると思っていたのは私だけだった。私は捨てられて、あなたを身籠ったわ。親からも勘当され、1人では育てられなくなり、教会に置き去りにした。

「つまり、私の父親は町の外から来て、すぐにいなくなったということですか?」

 アネッサは小さく頷いた。

 ナタリーは、アネッサが気の毒になってしまった。18歳といえば、まだまだ子どもである。田舎町で普通の生活をしていた女の子が、外から来た悪い男に騙され、逃げられ、身籠った。頼る当てもなく、赤ん坊の命を優先し、やむ無く教会に預けたとすれば、ナタリーは命があるだけマシなのかもしれないと思った。

「どんな人だったんですか?私の父は。」

「····彼は、普通と違ってた。」

「普通と違う····?」

「異様に美しくて、魅惑的だった。悪魔が人の形をしているとすれば、あんな感じだと思う。」

 アネッサは、昔の男の姿を思い浮かべているのか、どこか恍惚とした表情になった。


 ◇


 その頃、アッシュとジークリートは、アネッサの雑貨屋の前をウロウロしていた。

「アッシュ様、ナタリーは積もる話しもあるでしょうし、まだしばらくかかります。せっかく人間界に来たんですから、散策してみましょう。綺麗な町じゃないですか。」

 ジークリートがそう提案すると、アッシュは不機嫌そうに答えた。

「なぜ俺が、お前と散策などしなきゃならない?行きたきゃ1人で行ってこい。俺はここにいる。」

 ジークリートは、アッシュの頑固さに呆れてしまった。ナタリーがどこかへ行ってしまうとでも思っているのか、忠犬のようにこの場から離れようとしなかった。

 いよいよ待ちきれなくなったアッシュが、
「遅すぎる」と言い、雑貨屋の中に入っていった。


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