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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~
アリス
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一つ屋根の下で暮らすようになったカーターに、アリスは次第に惹かれていった。
カーターは、アリスがこれまで見てきたどの、男性とも違った。知的で、優雅で、何を考えているか分からないところがミステリアスだった。カーターに見つめられると、アリスは何も考えられなくなってしまうのだ。
ある日、アリスが親友のアネッサと会うため、家の前で待ち合わせしてた時のことである。
ちょうど外出しようとしていたカーターに2人は出くわした。
「あら、カーターさんお出かけですか?」
「ああ、ちょっと買い出しに。」
そのやり取りを見ていたアネッサは、この異質で美しい男から目が離せなくなっていた。カーターが、アネッサを見て声をかけた。
「アリスのお友達かな?どうも、訳あって、アリスのお宅に居候させてもらってる、カーターです。」
「はい····私はアネッサです····」
カーターが微笑むと、アネッサは顔を赤くし、目をそらした。アリスは嫌な予感がしていた。この反応は、アネッサがカーターに一目惚れしたようにしか見えなかった。
その日2人はカーターと別れ、何事もない日常が続くかと思われた。
1週間後のことである。
アネッサから、話があると呼び出され、アリスはアネッサに会いに行った。アネッサは、真剣な面持ちで話始めた。
「私、カーターと付き合ってる。」
アリスは、聞き間違いかと思い、「え?」と聞き返した。
「私の聞き間違えよね?カーターさんと付き合ってるって聞こえたけど。」
「聞き間違えじゃない。もうキスもしたし、それ以上のこともした。アリスは一緒に住んでるし、カーターと話す機会も多いと思う。でも、私が付き合ってるから、それを言っておこうと思って。」
アリスはショックを受けた。アネッサとカーターが会ってから1週間しか経っていないのに、付き合っていると?アリスには何もしてくれないのに。
要するに、アネッサはアリスを牽制しているのだろう。好きな人と親友を一度に失ったような気持ちになり、アリスは家に帰った。
家に帰り、部屋にカーターがいた為、アリスはたまらずカーターに会いに行ってしまった。
「カーターさん、アネッサから聞いたんですけど。アネッサと付き合ってるんですか?」
余裕のないアリスは、直球で質問してしまった。
カーターは顔色を変えず、優しい笑みを浮かべてこう言った。
「ああ、アリスのお友達のことだね?アリスは、それを聞いてどう思った?」
アリスが質問しているのに、付き合っているのかという問いには答えず、逆にカーターから質問されてしまった。アリスは、自分の気持ちを隠すことも、虚勢も見栄もどうでもよくなってしまった。
「どうしてアネッサと····?私はカーターさんのことが好きなのに、すごく悔しいし、悲しいです。」
アリスが涙を流しながら本音を言うと、カーターはアリスに近づき、頭を優しく撫でながら言った。
「アリスは本当にかわいいね。それなら、僕のものになる?全てを捨てて、僕と一緒に生きるんだ。」
カーターの目が、妖しく光っていた。
アリスは全てをカーターに委ねてみたくなった。私はこの人のものだと思った。両親のことも、親友のことも全てがアリスにとって些細なことに思えた。
その日の夜、アリスは失踪した。同時に、アリスの家に居候していた男も失踪した為、2人は駆け落ちをしたんだろうと町では噂になった。
3年後、ピエニ町の教会の前に、世にも珍しい白銀の髪の赤子が捨てられた。
そして、翌日の朝、ピエニ町の近くの川で、溺死しているアリスの遺体が発見された。
アリスは3年ぶりに、故郷への帰還を果たしたのだった。
カーターは、アリスがこれまで見てきたどの、男性とも違った。知的で、優雅で、何を考えているか分からないところがミステリアスだった。カーターに見つめられると、アリスは何も考えられなくなってしまうのだ。
ある日、アリスが親友のアネッサと会うため、家の前で待ち合わせしてた時のことである。
ちょうど外出しようとしていたカーターに2人は出くわした。
「あら、カーターさんお出かけですか?」
「ああ、ちょっと買い出しに。」
そのやり取りを見ていたアネッサは、この異質で美しい男から目が離せなくなっていた。カーターが、アネッサを見て声をかけた。
「アリスのお友達かな?どうも、訳あって、アリスのお宅に居候させてもらってる、カーターです。」
「はい····私はアネッサです····」
カーターが微笑むと、アネッサは顔を赤くし、目をそらした。アリスは嫌な予感がしていた。この反応は、アネッサがカーターに一目惚れしたようにしか見えなかった。
その日2人はカーターと別れ、何事もない日常が続くかと思われた。
1週間後のことである。
アネッサから、話があると呼び出され、アリスはアネッサに会いに行った。アネッサは、真剣な面持ちで話始めた。
「私、カーターと付き合ってる。」
アリスは、聞き間違いかと思い、「え?」と聞き返した。
「私の聞き間違えよね?カーターさんと付き合ってるって聞こえたけど。」
「聞き間違えじゃない。もうキスもしたし、それ以上のこともした。アリスは一緒に住んでるし、カーターと話す機会も多いと思う。でも、私が付き合ってるから、それを言っておこうと思って。」
アリスはショックを受けた。アネッサとカーターが会ってから1週間しか経っていないのに、付き合っていると?アリスには何もしてくれないのに。
要するに、アネッサはアリスを牽制しているのだろう。好きな人と親友を一度に失ったような気持ちになり、アリスは家に帰った。
家に帰り、部屋にカーターがいた為、アリスはたまらずカーターに会いに行ってしまった。
「カーターさん、アネッサから聞いたんですけど。アネッサと付き合ってるんですか?」
余裕のないアリスは、直球で質問してしまった。
カーターは顔色を変えず、優しい笑みを浮かべてこう言った。
「ああ、アリスのお友達のことだね?アリスは、それを聞いてどう思った?」
アリスが質問しているのに、付き合っているのかという問いには答えず、逆にカーターから質問されてしまった。アリスは、自分の気持ちを隠すことも、虚勢も見栄もどうでもよくなってしまった。
「どうしてアネッサと····?私はカーターさんのことが好きなのに、すごく悔しいし、悲しいです。」
アリスが涙を流しながら本音を言うと、カーターはアリスに近づき、頭を優しく撫でながら言った。
「アリスは本当にかわいいね。それなら、僕のものになる?全てを捨てて、僕と一緒に生きるんだ。」
カーターの目が、妖しく光っていた。
アリスは全てをカーターに委ねてみたくなった。私はこの人のものだと思った。両親のことも、親友のことも全てがアリスにとって些細なことに思えた。
その日の夜、アリスは失踪した。同時に、アリスの家に居候していた男も失踪した為、2人は駆け落ちをしたんだろうと町では噂になった。
3年後、ピエニ町の教会の前に、世にも珍しい白銀の髪の赤子が捨てられた。
そして、翌日の朝、ピエニ町の近くの川で、溺死しているアリスの遺体が発見された。
アリスは3年ぶりに、故郷への帰還を果たしたのだった。
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