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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~

終結

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 シェリーは翌朝、レイの腕の中で目が覚めた。

 レイは既に起きていて、シェリーの髪を触りながら、寝顔を見ていた。

 ずっと見られていたのか、とシェリーは恥ずかしくなり、

「私、よだれ垂れてなかった?」

 と聞いた。

「おはよう。僕のシェリーはよだれ垂れててもかわいいよ。」

 とレイが微笑み、抱き締めてきた。

 キスが深くなってきたので、シェリーはレイから体を離し、

「ちょっと!今日は無理よ。私その・・・初めてだったんだから。」

 シェリーが恥ずかしそうに言うと、レイは苦笑し、「無理させちゃってごめん」と謝ってきた。

 2人とも服を着て、テントの外に出た。日差しがまぶしい。

「はぁ~そろそろ帰らなきゃいけないのね。寂しいわ。」

 とシェリーが言うと、

「せっかく来たし、もう少ししてから帰ろう」

 とレイが言った。

 レイは、今日1日が何事もなく過ぎることを、切に願っていた。

 シェリーが、もう一度魚釣りがしたいというので、川に行った。

 魚釣りの途中、水が気持ち良さそうね、と言って、シェリーは川の中へザブザブ入っていった。

 楽しんでいるシェリーを川岸から見て、レイが微笑んでいると、何かとてつもなく大きなものが近づいてくる気配がした。

 ここ3年、魔力は使っていなかったが、本能的に分かる。

 アッシュがこちらに向かっている。

 シェリーは、闇の力を持っていたものの、微力だったことと、魔力のコントロールを学んでいないため、感覚はほとんど普通の人間と同じであった。

 シェリーは何も気づかず無邪気に遊んでいる。

 突然、レイの後ろにジークリートが現れ、レイは地面に押さえつけられた。

「·····!!!」

 突然のジークリートの出現に、シェリーは一瞬何が起こったのか分からず、バランスを崩し、川の中へ倒れ込みそうになった時である。

 体が宙に浮き、誰かに抱えられていた。


 アッシュだった。


「久しぶりに会えたと思ったら、呑気に川遊びか。楽しそうだなナタリー」

「アッシュ···どうして····」

 シェリーが言い終わらないうちに、アッシュが手のひらをシェリーの顔の前にスッと出した。瞬時に催眠魔法がかかり、シェリーは気を失ってしまった。

 レイを押さえ付けていたジークリートは、レイの耳元で悔しそうに言った。

「とんでもないことをしてくれたなウィル!覚悟を決めた方がいい。悪く思うな。」

 レイはジークリートに言われなくとも、覚悟を決めていた。

 アッシュを睨みながら言った。

「殺したきゃ殺せ。あんたがどんなにナタリーを縛ったところで、彼女の中で僕は生き続けるんだ。」

「····黙れ。望み通り、消してやるよ。」

 アッシュが、手のひらをレイに向け、攻撃魔法を発動させようとした時である。

 カイザーが現れた。

「アッシュ様!お待ちください!」

 アッシュは怒りに満ちた声で、

「どけ」

 と言った。

「恐れながら申し上げます。ウィル・アンダーソンは、過去に使用した魔法と魔力で判断したところ、上級魔法使いの資格を有する者でした。先程、議会での審議を終え、ウィルは既に上級魔法使いとなっています。」

 カイザーが言った。水属性の貴族達と手を組んだカイザーが、強引にウィルを上級魔法使いへと昇格させたのだった。

 アッシュは邪魔をされ、かなりイラついていた。

「その茶番はなんだ?だからどうした?」

「上級魔法使いへの攻撃は、いくら大魔法使い様でも禁じられております。罪を犯したというのであれば、議会で審議し、処分を検討する必要があります。この場で手出しはできません。」

 ジークリートも状況が飲み込めた為、アッシュの説得に回った。

 アッシュはこの場で終わらせたかったが、後から魔法使い連中に騒がれ、ナタリーについても口を出されるのは避けたい。

 仕方なく攻撃魔法を中断した。

「寿命が伸びて良かったな。」

 と吐き捨てるように言った。


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