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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~
闇の力
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翌日、エステルは故郷の西部地方へ帰ることとなっていた。遠方のため、ジークリートの移動魔法を使う予定だ。
エステルは、落ち着かない様子で辺りをキョロキョロしていた。
ジークリートはため息をついて言った。
「聖女様、大魔法使い様はお越しになられません。元々、ほとんど面会されない方なのです。さぁ、行きましょう。」
エステルは悲しい顔をし、諦めたように下を向いたその時だった。
「待て」
アッシュだった。こちらに歩いてくるのが見える。
さすがのジークリートも驚いた。大魔法使いがわざわざ出向くなど、よほどのことではない限りないからだ。常に一緒にいる、ナタリーの姿もない。
「予言の日は1月後だったな。新たな予言が出る可能性もある。その時まで、聖女はセントラルにとどまれ。ジークリート、滞在を伸ばせるか?」
「はい、問題ありません。」
「そうか。」
それだけ言うと、アッシュはまたすぐに去って行った。
エステルは、歓喜に満ちた表情でアッシュの後ろ姿を見ていた。
◇
ジークリートは、ナタリーの部屋のドアをノックした。はい、どうぞ、という声が聞こえた。
ジークリートが部屋に入ると、ナタリーは書類に目を通し、仕事をしていた。
「ジークリート様!?いかがされました?」
ナタリーは、ジークリートの突然の訪問に驚いた様子だった。
「いや、少し昨日のことが気になってな。大丈夫か?」
ナタリーは、少しためらった後、こう言った
「はい。アッシュ様からは、私は何もするなと言われました。そうすれば、すべてうまくいくと。」
ジークリートは「そうか。」とだけ答えた。
ナタリーは、意を決したようにジークリートに話しかけた。
「私からもジークリート様に、1つ伺いたいことがあったんです。闇の力とは、どのようなものなのですか?」
「闇属性の力のことだな。闇属性は、破壊や死のような、負のイメージを持たれることが多いが、相手の力を無効化させたり、力を吸収したりする能力もある。光属性と相反するものではあるが、同時に相性も良い。属性については、一言では語り尽くせないな。」
「では、仮になのですが、大魔法使い様に魔力の暴走が起きていた場合、闇の力を持ったものが近くにいると、どういうことが起きますか?」
ナタリーは、緊張した面持ちで答えを待った。
「大魔法使い様は、全属性を持つ稀有な方だからな。これが当てはまるかどうかは俺にも分からないが。」
「膨大な魔力を持った者が魔力の暴走を引き起こした場合、闇属性の者が近くにいることで、闇の力を増幅させる可能性はある。要するに、魔力のバランスが崩れる感じだ。闇は他を飲み込むからな。」
「ただ、闇は吸収と調和の役割もある。使い方によっては、バランスを保つことも可能だとは思う。」
この話を聞いたナタリーは、絶望的な気持ちと、妙に納得したような気持ちになった。
「そうですか。ジークリート様、教えていただき、ありがとうございます。」
元気のないナタリーが、ジークリートは心配になってしまった。
「あ、それと、」
ジークリートが思い出したように言った。
「聖女様は、1月後まで滞在が伸びることになった。」
「え?」
ナタリーは驚いた。アッシュにあそこまではっきり拒絶されたのに、どういうことだろうか。
「今朝、大魔法使い様が直々に来られてな。予言のこともあるから、滞在を伸ばせと。」
その話は、ナタリーにとって何よりもショックであった。
ナタリーに一言もなかったところを見ると、おそらくアッシュも、何か前世の記憶を思い出したか、エステルに対して思うところがあったのだろう。
ジークリートは実直で真面目な男であったが、人の気持ちには鈍感で、空気の読めない男でもあった。
エステルは、落ち着かない様子で辺りをキョロキョロしていた。
ジークリートはため息をついて言った。
「聖女様、大魔法使い様はお越しになられません。元々、ほとんど面会されない方なのです。さぁ、行きましょう。」
エステルは悲しい顔をし、諦めたように下を向いたその時だった。
「待て」
アッシュだった。こちらに歩いてくるのが見える。
さすがのジークリートも驚いた。大魔法使いがわざわざ出向くなど、よほどのことではない限りないからだ。常に一緒にいる、ナタリーの姿もない。
「予言の日は1月後だったな。新たな予言が出る可能性もある。その時まで、聖女はセントラルにとどまれ。ジークリート、滞在を伸ばせるか?」
「はい、問題ありません。」
「そうか。」
それだけ言うと、アッシュはまたすぐに去って行った。
エステルは、歓喜に満ちた表情でアッシュの後ろ姿を見ていた。
◇
ジークリートは、ナタリーの部屋のドアをノックした。はい、どうぞ、という声が聞こえた。
ジークリートが部屋に入ると、ナタリーは書類に目を通し、仕事をしていた。
「ジークリート様!?いかがされました?」
ナタリーは、ジークリートの突然の訪問に驚いた様子だった。
「いや、少し昨日のことが気になってな。大丈夫か?」
ナタリーは、少しためらった後、こう言った
「はい。アッシュ様からは、私は何もするなと言われました。そうすれば、すべてうまくいくと。」
ジークリートは「そうか。」とだけ答えた。
ナタリーは、意を決したようにジークリートに話しかけた。
「私からもジークリート様に、1つ伺いたいことがあったんです。闇の力とは、どのようなものなのですか?」
「闇属性の力のことだな。闇属性は、破壊や死のような、負のイメージを持たれることが多いが、相手の力を無効化させたり、力を吸収したりする能力もある。光属性と相反するものではあるが、同時に相性も良い。属性については、一言では語り尽くせないな。」
「では、仮になのですが、大魔法使い様に魔力の暴走が起きていた場合、闇の力を持ったものが近くにいると、どういうことが起きますか?」
ナタリーは、緊張した面持ちで答えを待った。
「大魔法使い様は、全属性を持つ稀有な方だからな。これが当てはまるかどうかは俺にも分からないが。」
「膨大な魔力を持った者が魔力の暴走を引き起こした場合、闇属性の者が近くにいることで、闇の力を増幅させる可能性はある。要するに、魔力のバランスが崩れる感じだ。闇は他を飲み込むからな。」
「ただ、闇は吸収と調和の役割もある。使い方によっては、バランスを保つことも可能だとは思う。」
この話を聞いたナタリーは、絶望的な気持ちと、妙に納得したような気持ちになった。
「そうですか。ジークリート様、教えていただき、ありがとうございます。」
元気のないナタリーが、ジークリートは心配になってしまった。
「あ、それと、」
ジークリートが思い出したように言った。
「聖女様は、1月後まで滞在が伸びることになった。」
「え?」
ナタリーは驚いた。アッシュにあそこまではっきり拒絶されたのに、どういうことだろうか。
「今朝、大魔法使い様が直々に来られてな。予言のこともあるから、滞在を伸ばせと。」
その話は、ナタリーにとって何よりもショックであった。
ナタリーに一言もなかったところを見ると、おそらくアッシュも、何か前世の記憶を思い出したか、エステルに対して思うところがあったのだろう。
ジークリートは実直で真面目な男であったが、人の気持ちには鈍感で、空気の読めない男でもあった。
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