46 / 50
言いたかった言葉
しおりを挟む
レックスは、応募者『ビースト』の待つ部屋をノックしドアを開けた。
「初めまして、私はL商会代表の、レックス・オルレアンと申しま··········」
ビーストは座っていた椅子から立ち上がり、レックスの方を振り向いた。
ビーストを見た瞬間、レックスは一瞬時が止まった。
「····················兄さん?」
「·······レックス。────初めまして。ディアン・ビーストです。」
◇
ディアンは王宮から姿を消した後、各地を転々とし放浪の生活をしていた。王宮でしか暮らしたことのなかったディアンにとって、外の世界は驚きと発見の連続で、意外にもディアンは放浪の旅を楽しんでいた。
しかし、元々金を少ししか持ち出さずに王宮を出たこともあり、しばらくして資金が底をついてしまった。金を稼ぐため仕事を探していたところ、外交員の募集を見つけた為応募してきたとのことであった。
「兄さん········継承権を辞退したとはいっても、兄さんは王族だろ?突然消えて、一文無しになって、民間の求人に応募する王子がどこにいるんだ?───全く、変なところで世間知らずなんだから········」
レックスが呆れた声を出すと、ディアンは不服そうな顔をした。
「何だよ!これでも色んな経験したんだぞ。酒場で仲良くなったご老人の家に泊めてもらったこともあるし、賭場にも行ったよ!そのせいでお金無くなったけど······でも、まさかここでレックスに会うとは思ってなかった。社長だったんだな!すごいよ。」
「別にすごくない。でも、兄さんここで働きたいって本気か?王宮に戻れば?兄さんならいくらでも就ける役職があるよ。わざわざ平民の暮らしをしなくても·····」
「いや。王宮には戻らない。もう決めたんだ。それに、僕は今の方がずっと楽しい。───役に立てるように努力しますので、ここで私を雇っていただけませんか?社長。」
どこか晴れ晴れとしたディアンは、かつてのように厳格な雰囲気の青年ではなくなっていた。真面目そうなのはそのままだが、目は生き生きとしていて、何にでもなれそうな柔軟な雰囲気を持っていた。
「当たり前だろ。兄さんほど優秀な人間は他にいないよ。」
「ありがとう。それと、兄さんはもう止めてくれ。今は『ディアン・ビートル』って名乗ってる。」
「分かったよ。でも、なんでビートル?ちょっと変だよ。」
レックスが笑いながら聞くと、ディアンは少しためらいながら答えた。
「カブトムシ·········ララが好きだったから。」
◇
ララはいつものように海辺に座り、地平線に日が沈むのを見ていた。日が完全に隠れてしまうと、辺りが一気に夜の様相を纏うのが好きだ。
ララは、遠い昔の事を思い出していた。
『ディアン、ディアンは行ってみたい場所はある?』
『行ってみたい場所?うーん·····海かな。』
『海?どうして?』
『どこへでも行ける気がするから。それに、ララは知ってる?海の彼方に日が飲み込まれると夜になるんだって。··········いつか、君と一緒に見れたらいいなって。』
ララはその話を聞いてから海が好きになった。今では、毎日のようにその光景を見ている。ディアンは海を見れただろうか?
ここにいれば、いつか彼に会える気がして、ララは僅かな期待を込めて毎日ここに来てしまうのだ。
「ララ」
背後から自分を呼ぶ声がした。木漏れ日のように落ち着く、ララの大好きな声だ。
ララがゆっくりと振り返ると、そこにはララの待ち人が立っていた。
「──────ずっと··········言いたかったんです。あの時、そのまま会えなくなってしまったから。···········お帰りなさいディアン。」
「················ただいま。僕もララにすごく会いたかったよ。」
ララは勢いよくディアンの胸に飛び込み、涙で濡れた顔を埋めた。ディアンは会えなかった時間を埋めるように、大切そうにララの身体を包み込んだ。
「今日は君の兄さんの代わりに迎えに来たんだ。家まで送るよララ。」
ディアンは抱き締めていたララの身体を離し、手を繋いで海岸沿いを歩いた。
ララの部屋の前に着くと、ディアンはララの繋いでいた手を離し別れを言おうとした。
「じゃあ、ララ。今日は会えて嬉しかったよ。僕はこれで·········」
帰ろうとしたディアンの袖を、ララは思い切って掴んだ。
「ま、待ってください!帰らないでディアン·············やっと会えた。離れたくないです。」
恥ずかしくて俯いたララに、ディアンは真剣な目をして問いかけた。
「ララ、··········今度は、僕は途中で止められないと思う。ただ家の中で話がしたいって意味なら、今日は僕は帰るよ───」
ディアンが言い切る前に、ララはディアンに一方近づき、背伸びをしてディアンの唇を奪った。
ララの答えを受け取ったディアンは、互いに深く唇を重ねながら、もつれ合うように部屋に入り、扉を閉めた。
◇
「レックスー!君から飲みに誘うなんて珍しいじゃないか!嬉しいよ。」
ネイサンは久しぶりのレックスからの飲みの誘いに上機嫌だった。
既に酔いが回りテーブルに突っ伏していたレックスは、ビール瓶片手に顔を上げた。
「今日はどうしても飲みたい気分なんだよ!」
「君、何かあったの?それにしても、僕は君を見直したよ。ララと2人で暮らすって聞いた時は、この人でなしの兄は妹の初めてを100パーセント奪う気だなって思ったんだ。それなのに、君は結局今もララのいい兄でいるだろ?本当に意外だった。」
「·········うるさい!!それに、ララの初めては既に他の奴に奪われてるんだよちくしょう!」
「え?そんなことないと思うよ?君がララに手を出したのかどうか気になって、以前ララに聞いたことがあるんだ。『誰かに虫でいう交尾をされたことはある?』って。そしたら、『したことない。』って。『そういう役目があったけど断られた。』って言ってたよ。よく意味分からなかったけど······」
「はぁ!?なんてこと聞いてんだよ!?セクハラだぞ!───────じゃあ、ララは経験がなかったのか?それじゃあ今日ララは··········しかも俺が馬鹿みたいにお膳立てして······はは!───今から家に帰ろうかな。」
レックスがララと一線を越えようとしなかったのは、ディアンへの負い目もあったが理由はそれだけではなかった。
ララは、『初めてを捧げた相手』以外の誰かと、深い関係になることは望まないだろうと考えたからだった。
「やめなよレックス。皆巣立って行くのさ。泣いてもいいぞ親友。」
ネイサンがレックスの肩を抱きそういうと、レックスは本当に泣き出した。
「うぅ········本当に好きだったんだよ!!」
「分かるよ······君にとって初めての失恋だな。」
悲壮なレックスに対し、ネイサンは心なしか嬉しそうだった。
それから明け方まで2人で酒を飲み、ネイサンは途中で気分が悪いと帰っていった。
レックスは千鳥足になりながら、ララがいつもいる海岸沿いを歩き、砂浜に座り込んだ。
レックスは、ララと初めて会った時のことを思い出していた。初めはおかしな子だと思ったが、優しく繊細で、笑顔が堪らなく可愛かった。明るいようで自分に自信のない面があり、放っておけなくなった。いつしかララは、レックスの心の真ん中に住み着き、彼の全てになっていた。
自分は、ララの幸せをただ喜び、側で見守ることができる、良き兄になれるだろうか。例えなれなくても、なりきるしかない。それが、レックスがこの先ずっとララの側にいられる唯一の方法だと分かっていた。
日が昇るのをボーッと眺めながら、レックスはそのまま砂浜の上に寝転がり目を閉じた。そして気が付いたら眠っていた。
「初めまして、私はL商会代表の、レックス・オルレアンと申しま··········」
ビーストは座っていた椅子から立ち上がり、レックスの方を振り向いた。
ビーストを見た瞬間、レックスは一瞬時が止まった。
「····················兄さん?」
「·······レックス。────初めまして。ディアン・ビーストです。」
◇
ディアンは王宮から姿を消した後、各地を転々とし放浪の生活をしていた。王宮でしか暮らしたことのなかったディアンにとって、外の世界は驚きと発見の連続で、意外にもディアンは放浪の旅を楽しんでいた。
しかし、元々金を少ししか持ち出さずに王宮を出たこともあり、しばらくして資金が底をついてしまった。金を稼ぐため仕事を探していたところ、外交員の募集を見つけた為応募してきたとのことであった。
「兄さん········継承権を辞退したとはいっても、兄さんは王族だろ?突然消えて、一文無しになって、民間の求人に応募する王子がどこにいるんだ?───全く、変なところで世間知らずなんだから········」
レックスが呆れた声を出すと、ディアンは不服そうな顔をした。
「何だよ!これでも色んな経験したんだぞ。酒場で仲良くなったご老人の家に泊めてもらったこともあるし、賭場にも行ったよ!そのせいでお金無くなったけど······でも、まさかここでレックスに会うとは思ってなかった。社長だったんだな!すごいよ。」
「別にすごくない。でも、兄さんここで働きたいって本気か?王宮に戻れば?兄さんならいくらでも就ける役職があるよ。わざわざ平民の暮らしをしなくても·····」
「いや。王宮には戻らない。もう決めたんだ。それに、僕は今の方がずっと楽しい。───役に立てるように努力しますので、ここで私を雇っていただけませんか?社長。」
どこか晴れ晴れとしたディアンは、かつてのように厳格な雰囲気の青年ではなくなっていた。真面目そうなのはそのままだが、目は生き生きとしていて、何にでもなれそうな柔軟な雰囲気を持っていた。
「当たり前だろ。兄さんほど優秀な人間は他にいないよ。」
「ありがとう。それと、兄さんはもう止めてくれ。今は『ディアン・ビートル』って名乗ってる。」
「分かったよ。でも、なんでビートル?ちょっと変だよ。」
レックスが笑いながら聞くと、ディアンは少しためらいながら答えた。
「カブトムシ·········ララが好きだったから。」
◇
ララはいつものように海辺に座り、地平線に日が沈むのを見ていた。日が完全に隠れてしまうと、辺りが一気に夜の様相を纏うのが好きだ。
ララは、遠い昔の事を思い出していた。
『ディアン、ディアンは行ってみたい場所はある?』
『行ってみたい場所?うーん·····海かな。』
『海?どうして?』
『どこへでも行ける気がするから。それに、ララは知ってる?海の彼方に日が飲み込まれると夜になるんだって。··········いつか、君と一緒に見れたらいいなって。』
ララはその話を聞いてから海が好きになった。今では、毎日のようにその光景を見ている。ディアンは海を見れただろうか?
ここにいれば、いつか彼に会える気がして、ララは僅かな期待を込めて毎日ここに来てしまうのだ。
「ララ」
背後から自分を呼ぶ声がした。木漏れ日のように落ち着く、ララの大好きな声だ。
ララがゆっくりと振り返ると、そこにはララの待ち人が立っていた。
「──────ずっと··········言いたかったんです。あの時、そのまま会えなくなってしまったから。···········お帰りなさいディアン。」
「················ただいま。僕もララにすごく会いたかったよ。」
ララは勢いよくディアンの胸に飛び込み、涙で濡れた顔を埋めた。ディアンは会えなかった時間を埋めるように、大切そうにララの身体を包み込んだ。
「今日は君の兄さんの代わりに迎えに来たんだ。家まで送るよララ。」
ディアンは抱き締めていたララの身体を離し、手を繋いで海岸沿いを歩いた。
ララの部屋の前に着くと、ディアンはララの繋いでいた手を離し別れを言おうとした。
「じゃあ、ララ。今日は会えて嬉しかったよ。僕はこれで·········」
帰ろうとしたディアンの袖を、ララは思い切って掴んだ。
「ま、待ってください!帰らないでディアン·············やっと会えた。離れたくないです。」
恥ずかしくて俯いたララに、ディアンは真剣な目をして問いかけた。
「ララ、··········今度は、僕は途中で止められないと思う。ただ家の中で話がしたいって意味なら、今日は僕は帰るよ───」
ディアンが言い切る前に、ララはディアンに一方近づき、背伸びをしてディアンの唇を奪った。
ララの答えを受け取ったディアンは、互いに深く唇を重ねながら、もつれ合うように部屋に入り、扉を閉めた。
◇
「レックスー!君から飲みに誘うなんて珍しいじゃないか!嬉しいよ。」
ネイサンは久しぶりのレックスからの飲みの誘いに上機嫌だった。
既に酔いが回りテーブルに突っ伏していたレックスは、ビール瓶片手に顔を上げた。
「今日はどうしても飲みたい気分なんだよ!」
「君、何かあったの?それにしても、僕は君を見直したよ。ララと2人で暮らすって聞いた時は、この人でなしの兄は妹の初めてを100パーセント奪う気だなって思ったんだ。それなのに、君は結局今もララのいい兄でいるだろ?本当に意外だった。」
「·········うるさい!!それに、ララの初めては既に他の奴に奪われてるんだよちくしょう!」
「え?そんなことないと思うよ?君がララに手を出したのかどうか気になって、以前ララに聞いたことがあるんだ。『誰かに虫でいう交尾をされたことはある?』って。そしたら、『したことない。』って。『そういう役目があったけど断られた。』って言ってたよ。よく意味分からなかったけど······」
「はぁ!?なんてこと聞いてんだよ!?セクハラだぞ!───────じゃあ、ララは経験がなかったのか?それじゃあ今日ララは··········しかも俺が馬鹿みたいにお膳立てして······はは!───今から家に帰ろうかな。」
レックスがララと一線を越えようとしなかったのは、ディアンへの負い目もあったが理由はそれだけではなかった。
ララは、『初めてを捧げた相手』以外の誰かと、深い関係になることは望まないだろうと考えたからだった。
「やめなよレックス。皆巣立って行くのさ。泣いてもいいぞ親友。」
ネイサンがレックスの肩を抱きそういうと、レックスは本当に泣き出した。
「うぅ········本当に好きだったんだよ!!」
「分かるよ······君にとって初めての失恋だな。」
悲壮なレックスに対し、ネイサンは心なしか嬉しそうだった。
それから明け方まで2人で酒を飲み、ネイサンは途中で気分が悪いと帰っていった。
レックスは千鳥足になりながら、ララがいつもいる海岸沿いを歩き、砂浜に座り込んだ。
レックスは、ララと初めて会った時のことを思い出していた。初めはおかしな子だと思ったが、優しく繊細で、笑顔が堪らなく可愛かった。明るいようで自分に自信のない面があり、放っておけなくなった。いつしかララは、レックスの心の真ん中に住み着き、彼の全てになっていた。
自分は、ララの幸せをただ喜び、側で見守ることができる、良き兄になれるだろうか。例えなれなくても、なりきるしかない。それが、レックスがこの先ずっとララの側にいられる唯一の方法だと分かっていた。
日が昇るのをボーッと眺めながら、レックスはそのまま砂浜の上に寝転がり目を閉じた。そして気が付いたら眠っていた。
196
お気に入りに追加
428
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
【取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる