13 / 50
絵
しおりを挟む
食堂に戻ると、やっとブドウを食べ終えたララが満足げな表情をして2人を迎え入れた。
「おかえりなさい!」
「ララ、今朝のブドウはどうだった?」
「昨日のも美味しかったけど、今朝のブドウもすごく美味しかったです!」
毎朝ブドウの皮剥きをしているのかと思いながら、レックスはララを改めてまじまじと見た。フワフワの栗色の巻き髪はボリュームがあり、触ると柔らかそうだった。華奢で色白で、薄いそばかすと潤んだ大きな目が印象的だ。貴族令嬢にも、平民の女の子にもいないような雰囲気で、どこか浮世離れしたような神秘的な感じがした。突然この子が目の前に現れ『神からのお導きだ』と心を奪われてしまった母の気持ちも分からなくはないなとレックスは思った。
「そうだ!ララ、レックスにあなたの描いた絵を見せてあげたら?すごく上手よ!私はちょっと出掛けるから、2人で仲良くしててね。」
初日から2人っきりにはしないでほしかったのだが、兄妹で仲良くさせようという作戦なのだろうか?仕方がないと諦めたレックスはララに話しかけた。
「絵が得意なの?良ければ見せてほしい。」
絵などさほど興味はなかったのだが、何か話すきっかけを作らなければララのことは探れないと思った。
アリシアがいなくなった途端、ララはレックスに対してよそよそしい態度を取った。少し距離を開け、「こっちです。」と小さな声で呟くと、後ろをチラチラと見ながらララの部屋まで案内された。
ララの部屋は、まるで小さな女の子の部屋だった。書きかけの画用紙が何枚か散乱していた。ベッドの中に大きな熊のぬいぐるみが寝かされていて、人間のように丁寧に毛布がかけられており、レックスは苦笑した。
床に落ちていた画用紙を拾い上げ、描いた絵を見てみると、意外にもレックスが見たこともないくらい色鮮やかな味のある絵で驚いた。レックスは外国と絵画の取引をしており、日々多数の画家の絵を見慣れているが、ララの絵は、描写も細かくダイナミックで、常人には描けないような類いのものであった。ララの好きなブドウの絵だった。
「君、絵が上手いんだね。他のを見ても?」
ララが小さく頷いたので、床に散らばっていた絵を広い集めてじっくりと見た。食べ物や風景の絵が多い中、一枚だけ人物が描かれた絵があった。
大きな木の根本に子どもが2人入り込んで、仲良く本を読んでいる絵だ。これだけ妙に描写が細かく、レックスは気になってしまった。
「この絵は········女の子の方はララ?男の子は?」
この絵について聞かれた時、ララは急に赤面し恥ずかしそうに下を向いた。
「あ······それは、物語で·····王子様です。」
物語を読んで、ララと本の中に出てくる王子様が一緒に遊んでいることを想像して描いたということだろうか。
「そうなんだ。素敵な絵だね。」
レックスが褒めると、ララは少し嬉しそうにはにかんだ。かわいいなと感じ微笑み返してしまった自分にはっとし、レックスは首を横に振った。
「あの··········レックス様は────」
「様はいらない。兄さんとかでいいよ。」
「··········兄さん──は、私がいて居心地が悪いでしょう?ごめんなさい。」
突然ララが申し訳なさそうに謝ってきたので、レックスは驚いた。ララは自分のことなど何も気にしていないと思ったのに、微妙な表情や態度を感じ取っていたのだろうか。そう思うと、レックスは疑っていることを悟らせてしまったことがなんだか申し訳なくなった。
「いや、全然·······俺も妹が欲しかったんだ。君が来てくれて嬉しいよ。」
社交辞令として言ったのだが、それを聞いたララの表情がぱぁっと明るくなった。
「············本当ですか!?私も、お母様や兄さんのような優しい方たちに出会えて幸せです。あの·····迷惑かもしれませんが、仲良くしてください!」
ララはレックスの手を両手で掴み、ブンブンと振ってきた。握手のつもりだろう。レックスの方が何故か照れてしまい、自然に笑うことができなくなった。
「そうだ!兄さん一緒に来てください。見せたい場所があるんです!」
ララはレックスの手を掴んだまま、早く早くと庭園に連れ出した。
あんなによそよそしかったのに、気を許したのか、急に距離を詰められレックスは戸惑っていた。これが彼女の手口なんだろうか。だとしたら、自分はまんまと罠にはまっているし、演技であれば女優も顔負けである。
庭園に来たララは、パンジーの花の方へ近付いていくと、何かを手に乗せレックスに見せてきた。
見てみると、赤と黒の芋虫がララの手に乗っていた。仮にも王子として育ったレックスは、虫取遊びは経験がなかった為、一瞬怯んでしまった。平民ならまだしも、貴族で虫取に興じる男児も女児もまずいないだろう。
「この虫は·······なんだっけ。」
「ツマグロヒョウモンの幼虫です!暖かくなったらサナギになって、綺麗なチョウになるんですよ。パンジーの葉っぱをよく食べるので、この辺りに多いんです。兄さんも触ってみます!?」
『いや結構』と言おうとしたのだが、キラキラとした目で問いかけられ、しかも女の子が触れているのに、年上の男である自分が虫を触れないのは格好悪い気がして、レックスは恐る恐る手を伸ばした。手に乗せられた芋虫をよく見ると、動きが以外にも可愛らしく、見れば見るほど愛着が湧いてきた。
「ララは······虫が好きなの?」
「はい!虫は、個体によって形も性質も違うし、みんな精一杯生きていて尊敬します。───人間は······意地悪をするし、なんだか難しいから。」
ララのような性格だと、周囲から苛められるだろうし辛い思いをしてきたのだろう。友達は虫しかいなかったのかもしれない。守ってくれる家族もおらず、結果的に今は、赤の他人の思い込みでここにいるのだから、彼女のことを『かわいそう』だと思わざるをえなかった。
「あ───でも、私をかわいそうだと思わないでください。」
心を読まれたのかと思い、レックスはドキリとした。
「周りに迷惑をかけてきたのは本当です。姉さんはみんなを笑顔にできるのに、私はできなかったから。───だから、今こうしてお母様や兄さんに出会えた私は、本当に幸せ者なんです。毎日がもったいないです。」
ララの笑顔を見ていると、なんだか心が苦しくなった。
この短時間で、ララのいくつもの顔を見た気がした。その度にレックスの心の中は嵐が吹き荒れているような感覚だった。レックスは、常に人と接するときは、無意識のうちに主導権を握っていて、相手を振り回すことの方が多かった。だが、今は明らかにレックスの方がララに振り回されていて、以外にもそれが楽しく心地好かった。ララのような人間にこれまで会ったことがなかったので、これから何が起こるのか全く予想がつかず、心なしかワクワクしていた。
結局、その後もアリシアが帰ってくるまでララと遊んだ。遊びが楽しかったというよりは、コロコロと変わるララの表情や仕草を見ていることに飽きず、アリシアが帰ってきた時は『あぁ、母さんもう帰ってきたんだな』と少し残念に思ったほどだった。
「おかえりなさい!」
「ララ、今朝のブドウはどうだった?」
「昨日のも美味しかったけど、今朝のブドウもすごく美味しかったです!」
毎朝ブドウの皮剥きをしているのかと思いながら、レックスはララを改めてまじまじと見た。フワフワの栗色の巻き髪はボリュームがあり、触ると柔らかそうだった。華奢で色白で、薄いそばかすと潤んだ大きな目が印象的だ。貴族令嬢にも、平民の女の子にもいないような雰囲気で、どこか浮世離れしたような神秘的な感じがした。突然この子が目の前に現れ『神からのお導きだ』と心を奪われてしまった母の気持ちも分からなくはないなとレックスは思った。
「そうだ!ララ、レックスにあなたの描いた絵を見せてあげたら?すごく上手よ!私はちょっと出掛けるから、2人で仲良くしててね。」
初日から2人っきりにはしないでほしかったのだが、兄妹で仲良くさせようという作戦なのだろうか?仕方がないと諦めたレックスはララに話しかけた。
「絵が得意なの?良ければ見せてほしい。」
絵などさほど興味はなかったのだが、何か話すきっかけを作らなければララのことは探れないと思った。
アリシアがいなくなった途端、ララはレックスに対してよそよそしい態度を取った。少し距離を開け、「こっちです。」と小さな声で呟くと、後ろをチラチラと見ながらララの部屋まで案内された。
ララの部屋は、まるで小さな女の子の部屋だった。書きかけの画用紙が何枚か散乱していた。ベッドの中に大きな熊のぬいぐるみが寝かされていて、人間のように丁寧に毛布がかけられており、レックスは苦笑した。
床に落ちていた画用紙を拾い上げ、描いた絵を見てみると、意外にもレックスが見たこともないくらい色鮮やかな味のある絵で驚いた。レックスは外国と絵画の取引をしており、日々多数の画家の絵を見慣れているが、ララの絵は、描写も細かくダイナミックで、常人には描けないような類いのものであった。ララの好きなブドウの絵だった。
「君、絵が上手いんだね。他のを見ても?」
ララが小さく頷いたので、床に散らばっていた絵を広い集めてじっくりと見た。食べ物や風景の絵が多い中、一枚だけ人物が描かれた絵があった。
大きな木の根本に子どもが2人入り込んで、仲良く本を読んでいる絵だ。これだけ妙に描写が細かく、レックスは気になってしまった。
「この絵は········女の子の方はララ?男の子は?」
この絵について聞かれた時、ララは急に赤面し恥ずかしそうに下を向いた。
「あ······それは、物語で·····王子様です。」
物語を読んで、ララと本の中に出てくる王子様が一緒に遊んでいることを想像して描いたということだろうか。
「そうなんだ。素敵な絵だね。」
レックスが褒めると、ララは少し嬉しそうにはにかんだ。かわいいなと感じ微笑み返してしまった自分にはっとし、レックスは首を横に振った。
「あの··········レックス様は────」
「様はいらない。兄さんとかでいいよ。」
「··········兄さん──は、私がいて居心地が悪いでしょう?ごめんなさい。」
突然ララが申し訳なさそうに謝ってきたので、レックスは驚いた。ララは自分のことなど何も気にしていないと思ったのに、微妙な表情や態度を感じ取っていたのだろうか。そう思うと、レックスは疑っていることを悟らせてしまったことがなんだか申し訳なくなった。
「いや、全然·······俺も妹が欲しかったんだ。君が来てくれて嬉しいよ。」
社交辞令として言ったのだが、それを聞いたララの表情がぱぁっと明るくなった。
「············本当ですか!?私も、お母様や兄さんのような優しい方たちに出会えて幸せです。あの·····迷惑かもしれませんが、仲良くしてください!」
ララはレックスの手を両手で掴み、ブンブンと振ってきた。握手のつもりだろう。レックスの方が何故か照れてしまい、自然に笑うことができなくなった。
「そうだ!兄さん一緒に来てください。見せたい場所があるんです!」
ララはレックスの手を掴んだまま、早く早くと庭園に連れ出した。
あんなによそよそしかったのに、気を許したのか、急に距離を詰められレックスは戸惑っていた。これが彼女の手口なんだろうか。だとしたら、自分はまんまと罠にはまっているし、演技であれば女優も顔負けである。
庭園に来たララは、パンジーの花の方へ近付いていくと、何かを手に乗せレックスに見せてきた。
見てみると、赤と黒の芋虫がララの手に乗っていた。仮にも王子として育ったレックスは、虫取遊びは経験がなかった為、一瞬怯んでしまった。平民ならまだしも、貴族で虫取に興じる男児も女児もまずいないだろう。
「この虫は·······なんだっけ。」
「ツマグロヒョウモンの幼虫です!暖かくなったらサナギになって、綺麗なチョウになるんですよ。パンジーの葉っぱをよく食べるので、この辺りに多いんです。兄さんも触ってみます!?」
『いや結構』と言おうとしたのだが、キラキラとした目で問いかけられ、しかも女の子が触れているのに、年上の男である自分が虫を触れないのは格好悪い気がして、レックスは恐る恐る手を伸ばした。手に乗せられた芋虫をよく見ると、動きが以外にも可愛らしく、見れば見るほど愛着が湧いてきた。
「ララは······虫が好きなの?」
「はい!虫は、個体によって形も性質も違うし、みんな精一杯生きていて尊敬します。───人間は······意地悪をするし、なんだか難しいから。」
ララのような性格だと、周囲から苛められるだろうし辛い思いをしてきたのだろう。友達は虫しかいなかったのかもしれない。守ってくれる家族もおらず、結果的に今は、赤の他人の思い込みでここにいるのだから、彼女のことを『かわいそう』だと思わざるをえなかった。
「あ───でも、私をかわいそうだと思わないでください。」
心を読まれたのかと思い、レックスはドキリとした。
「周りに迷惑をかけてきたのは本当です。姉さんはみんなを笑顔にできるのに、私はできなかったから。───だから、今こうしてお母様や兄さんに出会えた私は、本当に幸せ者なんです。毎日がもったいないです。」
ララの笑顔を見ていると、なんだか心が苦しくなった。
この短時間で、ララのいくつもの顔を見た気がした。その度にレックスの心の中は嵐が吹き荒れているような感覚だった。レックスは、常に人と接するときは、無意識のうちに主導権を握っていて、相手を振り回すことの方が多かった。だが、今は明らかにレックスの方がララに振り回されていて、以外にもそれが楽しく心地好かった。ララのような人間にこれまで会ったことがなかったので、これから何が起こるのか全く予想がつかず、心なしかワクワクしていた。
結局、その後もアリシアが帰ってくるまでララと遊んだ。遊びが楽しかったというよりは、コロコロと変わるララの表情や仕草を見ていることに飽きず、アリシアが帰ってきた時は『あぁ、母さんもう帰ってきたんだな』と少し残念に思ったほどだった。
188
お気に入りに追加
428
あなたにおすすめの小説
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる