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48話 ファゼリー伯爵夫妻2
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ファゼリー伯爵邸へ到着すると… 伯爵夫妻は玄関ホールにずらりとならんだ使用人たちに、祝福の言葉とともにむかえられた。
「旦那様、奥様、ご結婚おめでとうございます! 使用人一同、心よりお祝い申し上げます」
ジュリーとエドガーに、先代伯爵が健在だったころから仕える執事がニッコリと微笑んだ。
「ありがとう、みんな! 急遽決まった結婚だったが、良く対処してくれた。 感謝する」
前触れもなく、突然あらわれた王太子の世話だけでも大忙しだったのに、そのうえ今日決まって今日結婚した伯爵夫人の受け入れ準備までしたのだ。
異例づくしの案件を、いくつも上手に対応した使用人たちの努力を、その場でエドガーはねぎらった。
「今日は本当にありがとう…! これからも、どうぞよろしくお願いします」
ジュリーは花嫁衣裳のまま、顔見知りの使用人たちと簡単に握手を交わす。
神殿で行われた婚姻の儀に、参列していた人たちもいる。
「奥様… 我々使用人は、まごころを込めて、奥様にお仕えいたします」
どうやら執事は、子供の時からよく知るジュリーが、エドガーの妻になったことをとても喜んでいるらしい。
「ありがとう」
新たに伯爵夫妻となった2人と、伯爵邸の使用人たちとの挨拶が終ると… エドガーは執事にたずねる。
「王太子殿下はどうしている?」
「旦那様、殿下はただいまお部屋でお食事をとられております」
「そうか… 殿下はどんな様子だった?」
「はい、奥様がとてもお綺麗だったと… ご機嫌はよろしいご様子でした」
花嫁姿のジュリーに微笑み、うなずきながら執事は答えた。
「ふふふっ… まぁそうだろうな」
エドガーは嬉しそうに笑い、ジュリーの腰を引きよせ、額にキスをする。
「旦那様のご機嫌もたいへんよろしく、何よりでございます」
ジュリーに求婚しようと男爵邸へ向かう前は… 何かと自分の思いどおりに事が運ばず、エドガーはこの上なくトゲトゲと不機嫌だった。
そのエドガーがジュリーを見ては… ニヤニヤ、デレデレとずっと笑っている。
「……」
幸せそうにジュリーもニコニコと、エドガーへ微笑みかけた。
「ジュリーは先に部屋へ行き、着替えを済ませるといい、私は殿下に挨拶をしてくるから… その後、部屋で食事をとろう」
「はい」
エドガーが客間へ行くのを見送ると…
「奥様、お部屋までご案内いたします」
「ええ」
伯爵夫人の部屋がどこにあるか、ジュリーも知っていたが… すべて執事にまかせる。
だが……
「いや、伯爵夫人の部屋には、僕が案内する… お前は自分の仕事をしろ」
それまで黙っていたジョナサンが、なぜか執事に代わりジュリーの案内役をすると言い出した。
「……」
少し驚いたが、ここでジョナサンの申し出を断る理由もなく、素直にジュリーはうなずいた。
ジョナサンがエスコートの手を差し出し、ジュリーはその手を受け入れる。
「旦那様、奥様、ご結婚おめでとうございます! 使用人一同、心よりお祝い申し上げます」
ジュリーとエドガーに、先代伯爵が健在だったころから仕える執事がニッコリと微笑んだ。
「ありがとう、みんな! 急遽決まった結婚だったが、良く対処してくれた。 感謝する」
前触れもなく、突然あらわれた王太子の世話だけでも大忙しだったのに、そのうえ今日決まって今日結婚した伯爵夫人の受け入れ準備までしたのだ。
異例づくしの案件を、いくつも上手に対応した使用人たちの努力を、その場でエドガーはねぎらった。
「今日は本当にありがとう…! これからも、どうぞよろしくお願いします」
ジュリーは花嫁衣裳のまま、顔見知りの使用人たちと簡単に握手を交わす。
神殿で行われた婚姻の儀に、参列していた人たちもいる。
「奥様… 我々使用人は、まごころを込めて、奥様にお仕えいたします」
どうやら執事は、子供の時からよく知るジュリーが、エドガーの妻になったことをとても喜んでいるらしい。
「ありがとう」
新たに伯爵夫妻となった2人と、伯爵邸の使用人たちとの挨拶が終ると… エドガーは執事にたずねる。
「王太子殿下はどうしている?」
「旦那様、殿下はただいまお部屋でお食事をとられております」
「そうか… 殿下はどんな様子だった?」
「はい、奥様がとてもお綺麗だったと… ご機嫌はよろしいご様子でした」
花嫁姿のジュリーに微笑み、うなずきながら執事は答えた。
「ふふふっ… まぁそうだろうな」
エドガーは嬉しそうに笑い、ジュリーの腰を引きよせ、額にキスをする。
「旦那様のご機嫌もたいへんよろしく、何よりでございます」
ジュリーに求婚しようと男爵邸へ向かう前は… 何かと自分の思いどおりに事が運ばず、エドガーはこの上なくトゲトゲと不機嫌だった。
そのエドガーがジュリーを見ては… ニヤニヤ、デレデレとずっと笑っている。
「……」
幸せそうにジュリーもニコニコと、エドガーへ微笑みかけた。
「ジュリーは先に部屋へ行き、着替えを済ませるといい、私は殿下に挨拶をしてくるから… その後、部屋で食事をとろう」
「はい」
エドガーが客間へ行くのを見送ると…
「奥様、お部屋までご案内いたします」
「ええ」
伯爵夫人の部屋がどこにあるか、ジュリーも知っていたが… すべて執事にまかせる。
だが……
「いや、伯爵夫人の部屋には、僕が案内する… お前は自分の仕事をしろ」
それまで黙っていたジョナサンが、なぜか執事に代わりジュリーの案内役をすると言い出した。
「……」
少し驚いたが、ここでジョナサンの申し出を断る理由もなく、素直にジュリーはうなずいた。
ジョナサンがエスコートの手を差し出し、ジュリーはその手を受け入れる。
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