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39話 淑女をやめたミレイユ クレマンside
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自分も論文を出す勉強がしたいのだと、ミレイユから打ち明けられ… 思わずクレマンは黙りこみ、眉間にしわを寄せた。
「……」
勉強?! 僕と同じ勉強かぁ… うう~んん……?
クレマンは渋い表情を浮かべた。
「やっぱり、あなたも反対なのね、クレマン!?」
腕の中から顔をあげたミレイユは、クレマンの渋い表情を見あげ…
顔を真っ赤にして、ドンッ…! とクレマンの胸を突き飛ばし、華奢な身体を離した。
「やっ…?! 違う、違うよ… ミレイユ!」
ええええ?! ミレイユ、何でそうなるんだ?! 僕は少しも反対なんて、していないのに?!
クレマンはあわててミレイユの手を取ろうとするが、パシッ…! と振り払われてしまう。
「私には… あなたのように、出来ないと思っているの?! それとも、女の子は勉強なんて出来ない方が、可愛いと思っているの?!」
大きな瞳に涙を浮かべて、怒鳴るミレイユに… クレマンは首を大きく横に振った。
「ミレイユ違うよ! 僕はミレイユが勉強するのは、大賛成だよ!」
「…うそっ!! だったらなぜ、そんな嫌そうな顔をするの?!!」
勇気を出して伝えた気持ちを、クレマンに反対されたと… 怒鳴りながら、ミレイユは涙をポロポロとこぼす。
クレマンの前で淑女をやめると宣言したミレイユは、さっそく淑女らしからぬ大きな癇癪をおこした。
「ミレイユ…?!」
うわっ?! こんなに短気なミレイユは初めて見たぞ?! うわわっ…?!
なだめようとクレマンがのばした手を… ミレイユは、小さな拳を振りまわして、拒絶する。
「いやいやいやいやっ…! ミレイユ、本当に違うから…?! 僕と君とでは… 学園で学ぶ講義の内容が違うよね…?! 論文を書く勉強の仕方をするにしても… 僕やドミニクとは、まったく同じ内容の勉強じゃないなぁ? …と思っていただけだよ?!」
同じ学園生でも、騎士課の学園生と、男子と、女子では、普段からそれぞれ、学舎で受けている講義の内容が違うから…?! うわっ… どうしよう?? さっそく、ミレイユを泣かせてしまったぁ…!! うわあぁぁぁ!!!
軽いパニックになるクレマン。
「……?!」
クレマンに言われて、自分の勘違いにきづき、ピタリッ… 怒鳴るのをやめたミレイユ。
「僕にはほとんど、君に助言ができないから… 君の望みをかなえるには… 誰に頼めば良いのか、考えていただけなんだけど?!」
「……あ」
ミレイユの瞳からこぼれ落ちる涙が止まる。
「僕は男だから、同じ男のドミニクに教えてもらったけれど?! ドミニクに、女子のことを聞いても… わかるかなぁ…? と思って?」
「本当に?」
ミレイユは涙で濡れた目元を指でぬぐう。
「ミレイユ、本当に誤解だよ?」
「まぁ……」
「だって… ミレイユと一緒に、別館の図書室で勉強をできるかもしれないし?!」
「あらっ……?」
目を吊り上げて怒っていたミレイユの表情が、恥ずかしそうな表情へと変わる。
「少しでも長くミレイユのそばにいられるのなら、僕としては大歓迎だし…?」
「クレマン……!」
「とりあえず… 勉強のことは、ドミニクに聞いてみようか…?」
「ええ……」
「良かった……!」
クレマンは振り払われないかと、ビクビクッ… と怯えながら、恐る恐るミレイユの小さな手を取る。
おとなしくなったミレイユに、拒絶されないとわかると、クレマンは少し大胆になり、手の甲にキスをして… ニコリッ… と笑った。
恥ずかしそうなミレイユも、つられてフワリッ… と笑う。
リンッ…! リンッ…!
クレマンのポケットの中で、休憩時間の終わりを告げる、懐中時計の時鐘が鳴った。
「いけない! 早く学舎にもどらないと、講義に遅刻してしまう!」
ううっ… クソッ! ちょうど良いところだったのに?!
「本当だわ、急ぎましょう!」
「少し走ろう…!」
ミレイユとクレマンは手をつないで、仲良く学舎に向かって走った。
午後からの講義が始まっても… クレマンのニヤニヤ笑いは止まらなかった。
「……」
ああ~… 可愛かった! ミレイユが僕の前で癇癪をおこすなんて…? すごく新鮮で、本当に可愛かった!! 淑女をやめたミレイユが、あんなに可愛いなんて…?! さっきは僕の心臓が、爆発しなかったのが、不思議なぐらいだよ?!
あ~… 早く図書室へ行きたいっ…!! ミレイユに会いたい!
さぁ、何がなんでも頑張るぞ!!
パトリシアの騒動以前よりも… 自分のミレイユへの気持ちが、日々強くなってゆくのがわかり… クレマンは婚約破棄されなくて心底、良かったと改めて思う。
「……」
勉強?! 僕と同じ勉強かぁ… うう~んん……?
クレマンは渋い表情を浮かべた。
「やっぱり、あなたも反対なのね、クレマン!?」
腕の中から顔をあげたミレイユは、クレマンの渋い表情を見あげ…
顔を真っ赤にして、ドンッ…! とクレマンの胸を突き飛ばし、華奢な身体を離した。
「やっ…?! 違う、違うよ… ミレイユ!」
ええええ?! ミレイユ、何でそうなるんだ?! 僕は少しも反対なんて、していないのに?!
クレマンはあわててミレイユの手を取ろうとするが、パシッ…! と振り払われてしまう。
「私には… あなたのように、出来ないと思っているの?! それとも、女の子は勉強なんて出来ない方が、可愛いと思っているの?!」
大きな瞳に涙を浮かべて、怒鳴るミレイユに… クレマンは首を大きく横に振った。
「ミレイユ違うよ! 僕はミレイユが勉強するのは、大賛成だよ!」
「…うそっ!! だったらなぜ、そんな嫌そうな顔をするの?!!」
勇気を出して伝えた気持ちを、クレマンに反対されたと… 怒鳴りながら、ミレイユは涙をポロポロとこぼす。
クレマンの前で淑女をやめると宣言したミレイユは、さっそく淑女らしからぬ大きな癇癪をおこした。
「ミレイユ…?!」
うわっ?! こんなに短気なミレイユは初めて見たぞ?! うわわっ…?!
なだめようとクレマンがのばした手を… ミレイユは、小さな拳を振りまわして、拒絶する。
「いやいやいやいやっ…! ミレイユ、本当に違うから…?! 僕と君とでは… 学園で学ぶ講義の内容が違うよね…?! 論文を書く勉強の仕方をするにしても… 僕やドミニクとは、まったく同じ内容の勉強じゃないなぁ? …と思っていただけだよ?!」
同じ学園生でも、騎士課の学園生と、男子と、女子では、普段からそれぞれ、学舎で受けている講義の内容が違うから…?! うわっ… どうしよう?? さっそく、ミレイユを泣かせてしまったぁ…!! うわあぁぁぁ!!!
軽いパニックになるクレマン。
「……?!」
クレマンに言われて、自分の勘違いにきづき、ピタリッ… 怒鳴るのをやめたミレイユ。
「僕にはほとんど、君に助言ができないから… 君の望みをかなえるには… 誰に頼めば良いのか、考えていただけなんだけど?!」
「……あ」
ミレイユの瞳からこぼれ落ちる涙が止まる。
「僕は男だから、同じ男のドミニクに教えてもらったけれど?! ドミニクに、女子のことを聞いても… わかるかなぁ…? と思って?」
「本当に?」
ミレイユは涙で濡れた目元を指でぬぐう。
「ミレイユ、本当に誤解だよ?」
「まぁ……」
「だって… ミレイユと一緒に、別館の図書室で勉強をできるかもしれないし?!」
「あらっ……?」
目を吊り上げて怒っていたミレイユの表情が、恥ずかしそうな表情へと変わる。
「少しでも長くミレイユのそばにいられるのなら、僕としては大歓迎だし…?」
「クレマン……!」
「とりあえず… 勉強のことは、ドミニクに聞いてみようか…?」
「ええ……」
「良かった……!」
クレマンは振り払われないかと、ビクビクッ… と怯えながら、恐る恐るミレイユの小さな手を取る。
おとなしくなったミレイユに、拒絶されないとわかると、クレマンは少し大胆になり、手の甲にキスをして… ニコリッ… と笑った。
恥ずかしそうなミレイユも、つられてフワリッ… と笑う。
リンッ…! リンッ…!
クレマンのポケットの中で、休憩時間の終わりを告げる、懐中時計の時鐘が鳴った。
「いけない! 早く学舎にもどらないと、講義に遅刻してしまう!」
ううっ… クソッ! ちょうど良いところだったのに?!
「本当だわ、急ぎましょう!」
「少し走ろう…!」
ミレイユとクレマンは手をつないで、仲良く学舎に向かって走った。
午後からの講義が始まっても… クレマンのニヤニヤ笑いは止まらなかった。
「……」
ああ~… 可愛かった! ミレイユが僕の前で癇癪をおこすなんて…? すごく新鮮で、本当に可愛かった!! 淑女をやめたミレイユが、あんなに可愛いなんて…?! さっきは僕の心臓が、爆発しなかったのが、不思議なぐらいだよ?!
あ~… 早く図書室へ行きたいっ…!! ミレイユに会いたい!
さぁ、何がなんでも頑張るぞ!!
パトリシアの騒動以前よりも… 自分のミレイユへの気持ちが、日々強くなってゆくのがわかり… クレマンは婚約破棄されなくて心底、良かったと改めて思う。
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