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十二話 秘密を探り

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 了は巨大な骨の妖怪と対峙していた。

 事の始まりは少し時間をさかのぼる。


 満月が昇る深夜。日本の時代劇のような街並みの人里で、団子屋を営む男が包丁を持ち、老いた母親の前で悩んでいた。
「どうしてこうなった」

 男は自分の身に降りかかった不幸を思い返す。
 ことの始まりは、街の田畑、巨大な人骨の姿を持つがしゃどくろが出現して人里に住む者に対して、財産の全てをよこせと要求したことだ この要求に怒った者たちは、退治しようと突撃した。しかし一人を残して半殺しにされ、診療所送りになった。

 人々は妖怪の力に恐れた。そして団子屋の男こそが、唯一無事であった者だ。がしゃどくろは彼を送り返す代わり、要求を突きつけた。
 がしゃどくろが要求したのは、団子屋の親族の心臓だった。そしてこの要求を断れば、人里全体に危害を加えると話した。
 団子屋の男は悩んだ。彼には子はいないが、親はいる。親の生き血をささげなければならない。男が悩んでいると、母親が言葉を発した。

「私ならどうなってもいいよ」
「何言ってんだ!?」

 男は泣きながら否定した。しかし生き血をささげなければ周りに被害が及ぶ。彼はどうすればいいのか悩み叫んだ。
「だれか 助けてくれ?」

「もしもし」

 突然、女の声が玄関の扉から聞こえた。男は「誰だ」ろ答えて扉を恐る恐る開けた。
そこには美しい少女がたっていた。着ているものは白のエナメルジャケットと、黒いスカートにブーツを履いていた。男は少女の恰好に驚いていると少女が話しかけた。

「私の名前は了。あんたの悩みを解決してやるよ」
「なんだって」

 少女の提案に男は、喜ぶどころか、不安な気持ちでいっぱいだった。
「相手は妖怪だぞ。君みたいな少女に何ができる」

「だからこそ私に任せな」

「何で助けてくれるんだ」

「困ったときはお互いさま。それに団子がほしいからさ。 私は甘党なんでね」
 少女はそういってこの場から去ろうとした。そして去り際に、
「事件解決したら、団子をくれよな」

 そう男に告げた。男はそれに「そんなんでいいのかよ」と答えて、了を見送った。
夜の田畑、人間はおらず、虫の鳴き声があたりを支配していた。いや真の意味で支配していたのは、田畑の中心に存在するす巨大な骨の妖怪だった。がしゃどくろは人の怨念がもとになった妖怪であるそんな妖怪に近づく人影がいた。了である。彼女は相手に怯えず近づきく。そんな了に反応したのか、がしゃどくろは了に話しかけた。

「貴様は何者だ」
「私の名は了と申すもの。がしゃどくろ貴様をことを知り、退治しに来たものだ」
それを聞いた相手は、大きな手を振りかぶりたたきつけようとした。だがその攻撃を了は予見していた。

掌が直撃する前に彼女は素早くエルカードを発動。
〈アイアン〉

 体が鉄に変身して、相手の骨を逆に砕いた そして、間髪入れず、新たにカードを発動した。〈オーガ〉了の体に鬼の力が備わった。こうなった彼女に敵はない。彼女は大きな手の甲を砕き、巨大な腕を伝い、がしゃどくろの眼前に迫ったそして、
拳を力限り、叩き込んだ。
 
ぴしり
 巨大な顔の骨に亀裂が走り、相手を砕いた。相手はどすんと大きな音を立てて、バラバラになって地面に砕け散った。了はその光景を見て、戦いが早期に終わった事を喜んだ。峨社ドクロの体の一部から魂が抜けだして、了に恨み言を発した。

「おのれ、よくも私の体を……」

「先に手を出したのはお前だ、時間があればもとにもどるだろ。なぜ今回の事件を起こした」

「それは五年前の恨みだ ゆえに人の街に復讐を誓ったのだ」

「五年前大災害のか!? しかしあれは先導師が起こしたものでないか」

「あれには、ほかの人間の手が」
 そう言った瞬間、話していた魂に矢がいられた。矢には魂を滅する札が巻き付けていた。がしゃどくろの魂はその札によって滅された。突如の攻撃に了は驚き、矢が来た方向に目をむけた。
その子には赤いドクロがおぼろげに、浮かんでいた。そして闇に紛れて消えてしまった。了は正体不明の赤いドクロに、冷汗をかいた。

その後彼女は今回の事件解決に伝えると、人々は喜んだ。そうして了のもとに団子を送った。了は団子をもらって喜んだが、がしゃどくろの言葉と赤いドクロの存在を不思議に思った。

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