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プロローグ
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「では、今日の講義はここまで、じゃあ来週までにレポート提出よろしくー」
2限目の講義が終わった。
「おい!睦月、終わったぞ!」
眠気が吹っ飛ぶ程のドブみたいな汚い声で俺を起こさないでくれ。
「なんだ、俺はそういう趣味は無いぞ...」
「どういう趣味だよ・・・まだ、寝ぼけてんのか?」
「昨日も徹夜だったんだよ・・・zzz」
「おい寝るなよ!はぁ・・・やっぱちげーな売れっ子作家さん」
この俺、一堂 睦月(いちどう むつき)はごく普通の大学2年生でありライトノベル作家。
高校2年から書き始めた小説がこの間アニメ1期が終わり2期も決定している人気作家だ。
「お前もなんかやりゃーいいじゃん、どうせ暇なんだろ?」
「何を言ってるんだ?俺には毎週大切なデートがあるんだよ!」
先ほどから気持ち悪い笑みを浮かべながらこちらを見てくるこいつは、佐藤 新司(さとう しんじ)である。
事実上は俺の親友らしい。
そしてどうしようもないオタクだ。
「どうせまた、美少女フィギュア持って秋葉ぶらぶらするだけだろ?それは、デートとは言わん!」
「お前、女の子と一緒に出かけるんだからデートだろ!これだから、童貞は」
新司は呆れた顔をして、首を振った。
これをデートと言ってしまうこいつは、どうしようもないダメオタクだ。
あとお前も童貞だろうが。
「こんな不毛な話してないで飯食い行こうぜ」
「そうだな、お前にはこの幸福が、一生わからん」
そんな会話をした後に俺達は学食へ向かう。
そして、学食に着くとどことなく不穏な空気を感じた。
「今日は騒がしいな」
ざわざわした雰囲気の中、皆の視線は一点に集中していた。
そこには、明らかに他とは違う雰囲気を出している小さな美少女がひとり静かに本を読んでいる。
少し見とれたあと、学食でカレーを買い席についた。
「おい、睦月。凄かったな!」
「まぁ、お前が好きそうな感じだな」
「おう、俺の範囲内だ!」
聞かなければ良かった・・・このロリコン野郎が。
「新司、今まであんな奴見たことあったか?」
「いや、あんな美少女見たら俺が忘れるわけねーだろ!」
「だよな...てかお前3次元もいけるのな」
「当たり前だろ!可愛いは正義だ!」
こいつって以外とそういう所はしっかりしてんだな。
それよりやっぱり見たことないよな・・・。
そんな事を考えていると、美少女は本を閉じ、立ち上がり俺の方へ近づいてくる。
そして、俺の目の前に来た。
「あなたは...本書くの好きですか?」
恥ずかしそうにしている美少女の口から放たれたその言葉は、小さく囁き俺の脳裏に響いた。
少しの沈黙のあと、俺はその言葉に答える。
「えー・・・まぁ・・・好きですけど」
片言になってしまった。
だけど、美少女が目の前にいるだけで男は固まってしまうものなのだ。
「えっと、どこかで会いました?」
俺が美少女にした質問の答えは・・・
顔を真っ赤にして逃げるだった。
え、俺が悪いの?
周りからは、根も葉もない言葉が飛び交う。
「おい!おまえあの美少女と知り合いなのか?」
新司が鬼の形相でこちらを睨んでくる。
俺はとっさに答えた。
「知らねーよ!」
その時から新司に残りの講義、電車の中、トイレ、とあらゆる所で質問攻めにされた。
家に帰り、リビングのソファーに座る。
ん?なんか横から見覚えのある違和感が・・・。
恐る恐る見てみるとそこには、先ほどの美少女がメイド服を着て正座でこちらを見てくる。
「おかえりなさいませ。ご主人様!」
静かな部屋にその甲高い声が響き渡った。
理解が追いついてない俺は5秒ほどその声に浸ったあと、ゆっくり口を開く。
「why?」
やってしまった・・・片言に続いて二度までも・・・
すると、美少女がぼそぼそ独り言を言い出した。
「あれ~?学校ではこうやって言えって習ったんだけどな...」
顎に手を添え首を傾げながら考え込んでしまった。
「あのー・・・とりあえず、お茶でいいですか?」
「それは、私の仕事ですから!」
大きな胸を叩き美少女は、台所へ走っていった。
そして、2人は向かい合い俺はお茶を一口飲んだ。
少しの沈黙のあと話を切り出す。
「とりあえず、説明してもらえますか?」
「はい!私の名前は三葉(みつば)・フォン・ナタリアといいます!この家のメイドになりました。」
この出会いが俺の人生を変えてしまった。
2限目の講義が終わった。
「おい!睦月、終わったぞ!」
眠気が吹っ飛ぶ程のドブみたいな汚い声で俺を起こさないでくれ。
「なんだ、俺はそういう趣味は無いぞ...」
「どういう趣味だよ・・・まだ、寝ぼけてんのか?」
「昨日も徹夜だったんだよ・・・zzz」
「おい寝るなよ!はぁ・・・やっぱちげーな売れっ子作家さん」
この俺、一堂 睦月(いちどう むつき)はごく普通の大学2年生でありライトノベル作家。
高校2年から書き始めた小説がこの間アニメ1期が終わり2期も決定している人気作家だ。
「お前もなんかやりゃーいいじゃん、どうせ暇なんだろ?」
「何を言ってるんだ?俺には毎週大切なデートがあるんだよ!」
先ほどから気持ち悪い笑みを浮かべながらこちらを見てくるこいつは、佐藤 新司(さとう しんじ)である。
事実上は俺の親友らしい。
そしてどうしようもないオタクだ。
「どうせまた、美少女フィギュア持って秋葉ぶらぶらするだけだろ?それは、デートとは言わん!」
「お前、女の子と一緒に出かけるんだからデートだろ!これだから、童貞は」
新司は呆れた顔をして、首を振った。
これをデートと言ってしまうこいつは、どうしようもないダメオタクだ。
あとお前も童貞だろうが。
「こんな不毛な話してないで飯食い行こうぜ」
「そうだな、お前にはこの幸福が、一生わからん」
そんな会話をした後に俺達は学食へ向かう。
そして、学食に着くとどことなく不穏な空気を感じた。
「今日は騒がしいな」
ざわざわした雰囲気の中、皆の視線は一点に集中していた。
そこには、明らかに他とは違う雰囲気を出している小さな美少女がひとり静かに本を読んでいる。
少し見とれたあと、学食でカレーを買い席についた。
「おい、睦月。凄かったな!」
「まぁ、お前が好きそうな感じだな」
「おう、俺の範囲内だ!」
聞かなければ良かった・・・このロリコン野郎が。
「新司、今まであんな奴見たことあったか?」
「いや、あんな美少女見たら俺が忘れるわけねーだろ!」
「だよな...てかお前3次元もいけるのな」
「当たり前だろ!可愛いは正義だ!」
こいつって以外とそういう所はしっかりしてんだな。
それよりやっぱり見たことないよな・・・。
そんな事を考えていると、美少女は本を閉じ、立ち上がり俺の方へ近づいてくる。
そして、俺の目の前に来た。
「あなたは...本書くの好きですか?」
恥ずかしそうにしている美少女の口から放たれたその言葉は、小さく囁き俺の脳裏に響いた。
少しの沈黙のあと、俺はその言葉に答える。
「えー・・・まぁ・・・好きですけど」
片言になってしまった。
だけど、美少女が目の前にいるだけで男は固まってしまうものなのだ。
「えっと、どこかで会いました?」
俺が美少女にした質問の答えは・・・
顔を真っ赤にして逃げるだった。
え、俺が悪いの?
周りからは、根も葉もない言葉が飛び交う。
「おい!おまえあの美少女と知り合いなのか?」
新司が鬼の形相でこちらを睨んでくる。
俺はとっさに答えた。
「知らねーよ!」
その時から新司に残りの講義、電車の中、トイレ、とあらゆる所で質問攻めにされた。
家に帰り、リビングのソファーに座る。
ん?なんか横から見覚えのある違和感が・・・。
恐る恐る見てみるとそこには、先ほどの美少女がメイド服を着て正座でこちらを見てくる。
「おかえりなさいませ。ご主人様!」
静かな部屋にその甲高い声が響き渡った。
理解が追いついてない俺は5秒ほどその声に浸ったあと、ゆっくり口を開く。
「why?」
やってしまった・・・片言に続いて二度までも・・・
すると、美少女がぼそぼそ独り言を言い出した。
「あれ~?学校ではこうやって言えって習ったんだけどな...」
顎に手を添え首を傾げながら考え込んでしまった。
「あのー・・・とりあえず、お茶でいいですか?」
「それは、私の仕事ですから!」
大きな胸を叩き美少女は、台所へ走っていった。
そして、2人は向かい合い俺はお茶を一口飲んだ。
少しの沈黙のあと話を切り出す。
「とりあえず、説明してもらえますか?」
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