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⑤ あれから
しおりを挟む約一月後。
「ママーただいまー」 と、飛びつくひなちゃんのとなりで
「ただいまー、まむちゃん」
あたしは、にこやかにほほ笑みながら、おばさんに近づいた。
今日は。ひなちゃん家で 遊ぶ日だった。
あれから パパに本音をぶつけた結果、 パパがが迎えにくるまでの時間を 時々 ひなちゃん家で 過ごせるようになっていた。
お弁当の件も、キチンとおばあちゃんにあやまって、
今後、おばさんが作ってくることになっていた。
ちなみに おばさんのことを 【ひなちゃんママ】 でなく。【まむちゃん (外国ではお母さんのことを そう呼ぶ国もある)】と呼ぶようになっていた。
それにコレは、 予想外なことだけれど
ひなちゃんが 以前に比べ、まむちゃんに ひっつくようになったこと。
ちょっと考えれば わかったかもしれないけど、
あの時は けっこう あたしも いっぱいいっぱいで、
正直ひなちゃんのことにまで 気をつかってる余裕 無かったんだよね。
少し 対抗心のようなものが 生まれちゃってるのかな?
ちょっと 甘えちゃうことはあるけど、
ちゃんと あたしの中で まむちゃんは、【ひなちゃんのママ】って わかってるから 大丈夫なんだけどな。
取っちゃう気なんて、 さらさら無い。
むしろ それより、
あたしは ひなちゃんと 姉妹になれたみたいで…
一緒にいられる時間がふえたことの方が、すっごく うれしいんだけどな。
でも、もしも?
ひなちゃんと 立場の入れ替わることがあったとしたら、あたしも同じこと しちゃうのかもしれないな?
だから、責めるんじゃなくて、あたしの気持ち…
ひなちゃんと 姉妹になれたみたいで嬉しいって、
いつか 言えたらいいなぁ。
「さくらちゃーん」
あっ!ひなちゃん 呼んでる。
あいかわらず 可愛らしい声だな!
「はーい」
好きな人に 名を呼ばれる心地よさを 感じながら、元気よく あたしは かけだした。
おしまい
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