なんでも 1ばん

hanahui2021.6.1

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#3

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「ぼくは、きみを【きちんとした大人】にするべく、はけんされてきたペン。
だけど、きみは、ぜんぜん ぼくのはなしをきく気がないみたいだし…
じつを言うと、ぼくのほうも、そろそろ【げんかい】ペンよ。
しかたないから…おこられるのかくごで、【かえろー】かとおもっていたペン」
あかされた、ないじょう。

そのないように、これまでのじぶんは、【おどらされていた】気ぶんになり、
一気に、りきんでいたからたから、ちからがぬける。 

「かえるなよ…」
みじかくつぶやき
「ボク…どーしたらいい…?」
はじめて口にする、なんじゃくなことば。
だって、しょうがないじゃん!
こんなこと、だれも、おしえてくれなかった。
なぐさめるほうほう、なんて。

ボクを見入ったまま、しばらく、なにかをかんがえていたサラダが
「そーだーなぁ」
やがて口をひらく。
ポンと、手(はね?)をたたき
「きみのばあい、なおさないといけないところが、たくさんあるんだけど…」
そこまで言いかけたところで、
みるみるうちに赤くそまっていくボクのかおを見て、
わずかに、かおをしかめる。

『ざけんなっ!!てかっ!たちなおりはやくねぇ!?』
しっかり、人のかおを見てるくせに 

「まずは、あいての【目を見る】ことからはじめたらイイんじゃないかな!?」
どういをもとめるように、しせんを合わせてくる。
「ふだん、かいわしてるとき【あいてにふかいなおもいをさせない】ってことは、あたりまえだけど、
それいじょうに、あいてが【きみのけってん】(わるいところ)をしてきしてくるときは、かならず、その人の【目を見る】ことがたいせつだペン。

むかしから【目は口ほどにものを言う】ってことばがあるように、ほんとうにつたえたいことは、目をとおしてはいってくるペン。
だから、それを【きちんとりかいしようとする】なら、その人の【目を見る】というこういに、つながるペン」 

なおも、サラダの口はとまらない。
「ちなみに、人というのは【ねんれいイコール】ではないペン。
【じぶんかって】なまま、としをかさねただけの【ねんぱいしゃ】もいれば、
またそのぎゃくで、おさないのに、まわりに気をつかえる子どももいるペン。

ようするに、【人を見た目で、はんだんしてはイケナイ】ということペン」

「やったー、おわり、だよな!?」
『キツっ!!…そろそろ、まじめにきくのげんがいだったんだよなー』
おもわず、ほんねをこぼしたボクを、あざわらうように、
サラダはまた、口をひらく。。 

「ついでにもう一つ、おしえとく。【人のはなしをきかない人】って、せいちょうしないペン。

【げんじょう】でまんぞくしてしまうから、それいじょうのどりょくをやめてしまうペン。
まさに、いまのきみペンね。なにをしてもほめられる。ソレになれてしまって、なににたい
しても【がんばる】ことをやめてしまったペン。
そうやって【お山のたいしょう】をしているうちに、みんなにぬかされ、いつしか【ウサギとカメ】のウサギじょうたいになっているペン。ちなみに、ウサギとカメは、ウサギとカメがかけっこのきょうそうをする、あのゆうめいなはなしだペン」 

そこまではなしたサラダは、『ひとしごとした』とばかりに、
「あぁーーー」
大きくのびをした。

しかし、ボクはまたしても、ばくはつすんぜんだった。

あたってる。
たしかに、サラダのいうことは、正しいのかもしれない。
でも…むしゃくしゃする。

ボクはせめてものはんげきと
「なぁ、【かわりみのじゅつ】は?」
サラダにたずねた。
そんなボクを、ジトーとさげすんだあと
「いまのはなし、ちゃんときいてた?」
かくにんするように、たずねかえされた。 

「たしかにさいしょは【かわりみのじゅつ】をやるつもりだったけど、きみのじょうたいが、そのじゅつをおしえるいぜんの、もんだいだって気づいたペン」
「それに、いちどに、たくさんのことをやろうとするのは、あんまりオススメしないペン。
しっぱいにつながるペンよ」

はんげきだとおもってあげたのろしは、はんたいに、ボクをおとしめる向かい風だったらしい。 

「…っ…」
だまるしかなかった。
もうれつにあたまにきてるけど、ペンギンのいうことはあたってる。
このイライラを ぶつけてたいけど、ペンギンに言いかえすことばが見つからない。
ぼくは、ひさびさに【かんしゃく】をおこしたくなった(ゆかにひっくりかえり、手足をジタバタする)が、そんなことしたら、ヤツのおもうつぼ。
せいだいにバカにするにきまってる。

だから、りょう手どうしをつよくにぎりあい、ガマン。

そんなボクを まんぞくそうに見てたペンギンはまた、うんちくをかたりはじめた。 

「そうならないように、ちゅういしよう という【いましめ(ちゅうこく)のことわざ】に【にと おうもの、いっとも えず】ってことばがあるペン。
いっと、にと、というのは、ウサギのことだペン。
いちどに2ひきのウサギをおいかけて、けっきょく1ぴきのウサギのも手に入らなかった、というはなしだペン。
まさに いま、きみがしようとしているこういだペンよ。
ちゃくじつにじぶんをよくしたいなら、いちどによくばらず、一つずつ、かくじつにみにつけることがたいせつペンよ」
グダグタ言うペンギンに、あたまにきて、
「じゃあ、【なかなおり】は、どうしたらいいのさ?…まさひろとケンカしたままか!?」
わめきちらすボクに 


「【たりき ほんがん】も、たいがいにするペン!!
なんでもかんでも【人のせい】にばかりしてないで、すこしは、じぶんでかんがえろペン!
もとはといえば、すべて【じぶんでまいた たね】…じぶんでかりとるのは、あたりまえだろ!!」
「それにきみが、ほんきで【じぶんをかえよう】と しないかぎり、こんかい なかなおりしたとしても、またすぐ おなじことがおこるペン。
だって、そーだろ【げんいん】が、なに一つ、かわってないんだから。
ついでに言うと、【じゅつ】をおしえたからといって、かならず、なかなおりできるわけじゃないペン。 
きみが、ソレをつかうことで、【じぶんをかえりみるキッカケ】の一つになれたら とかんがえたペンよ」

まとめると、
まず【人の目を見る】
そのさい【あいてをえらばないこと】からはじめるペン。 

まぁー!あくまで、きみが【じぶんをかえたい】と、ほんきでかんがえてるならのはなし、ペンね。
しょうらい【はだかのおうさま】みたく、みんなにわらわれるにんげんになってもいいなら べつだけど…」
そこでいちどことばをきると、さりげなくボクから目をそらし、すこしとおくを見つめた。 

そんなペンギンに、おもわずつめよる。
「なぁ?ボクは、いっしょう【かわりみのじゅつ】わからないままなのか?」
つかまれたりょううで(りょうほうのはね!?)をほどきながら
「そんなことないペン。きみのせいちょうを見ながら、またかお出すかもしれないし、
そんなことしなくても、きみがいろいろなたいけんしていくうちに『コレのことかもな!?』ってきづくかもしれないペン」
そして、かくじつにボクと目をあわせ
「だいじょうぶ!!きみなら、きちんと出来るペン!」
わずかにかんじていたふあんを、ペンギンはキレイにふきとばし、

 
「きみは【すなお】だ。そして【じしんか】でもあるペン。
そのうえ、まだこのよにうまれて 5ねんしかたっていない。
【しっばい】も【まちがい】も、まだしてあたりまえだとおもうペン。
そのてんでは、どうじょうするけど…
だからといって、まわりの人たちにすこしでもほめられると、とたんに【えいゆう】なってしまうという【けってん】は、いただけないペンね。

こんご、そのことにちゅういしてこうどうするようにすれば、よいこと、わるいこと、わかるようになるペン。
きみなら、だいじょうぶ。ちゃんとできるペンよ!!」
さいごに、もういちど ボクをはげまし、サラダはおわりにした。 
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