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「うわぁ、どうしようー!!」
あさ、キッチンでごはんをつくっていたおかあさんがひめいをあげました。
「どうしたの?」
おどろいて、かけつけます。
「あしたのあさ、ことりちゃんがたべるパンがなくなっちゃったの」
まゆをよせ、よわったかおを見せるおかあさん。
「オバケみたいに、きえちゃったの?」
そぼくにたずねるけど、それは少しちがったみたいで
「ううん。たべおわっちゃったってことなんだけど、赤ちゃんいるから、かいにいかれないし、どうしよー」
おかあさんはこまって、そのまましゃがみこんでてしまいました。
いつも、ことりはおかあさんにフレンチトーストをつくってもらっています。
あのあまくてフワフワーとしたところが大すきで、いまではスッカリ【あさのおやくそく】になっていました。
だからあしたのあさ、あれがないのは、とてもざんねんです。
「じゃあ、ことりがかってくるよ」
『えっへん!!』と、すこしえらそうにむねをはります。
ことりは、もう年長さんなのです。
ようちえんでも、ちゃんと、じぶんのことはじぶんでするように言われています。
もう、【りっぱなおねえさん】なのです。
「だって雨ふってるのよ」
おかあさんはよわったように まゆをひそめました。
きょうは、あさから雨がふっているのです。
ときどき、大きなあまつぶが、まどにあたって、大きな音をたてていました。
「そんなの、かささしていけば、だいじょうぶだよ」
じつは、ことりは雨がすきなのです。
くまのついた赤い長くつは、かわいくてことりのおきにいり。
それとおそろいの赤いかさをさしたら、もうりっぱなレディのでき上がり。
なのにおかあさんは、ちっともうなづいてくれません。
かわりに
「雨、やんでからにしようよ」
ていあんしてきました。
『おかあさん、いじわるしてるんだわ。わたしだけレディになってズルイって』
そうおもいましたが、ことりは、だまっていました。
だって、おかあさんがかわいそうだからです。
ことりが言ってしまったら、もうキラキラのレディにもどれないおかあさんは、ないてしまうかもしれません。
けっきょく、雨がやんでから出かけることになりました。
赤い長くつは、はいていきます。でも、おそろいの赤いかさは、きょうはおやすみです。
がっかりしていると、おかあさんが、どこかから【きいろのカッパ】をもってきました。
これにも、かわいいくまさんがかいてあります。
ことりはすぐに気にいり、きょうはこれをきていくことにしました。
あさ、キッチンでごはんをつくっていたおかあさんがひめいをあげました。
「どうしたの?」
おどろいて、かけつけます。
「あしたのあさ、ことりちゃんがたべるパンがなくなっちゃったの」
まゆをよせ、よわったかおを見せるおかあさん。
「オバケみたいに、きえちゃったの?」
そぼくにたずねるけど、それは少しちがったみたいで
「ううん。たべおわっちゃったってことなんだけど、赤ちゃんいるから、かいにいかれないし、どうしよー」
おかあさんはこまって、そのまましゃがみこんでてしまいました。
いつも、ことりはおかあさんにフレンチトーストをつくってもらっています。
あのあまくてフワフワーとしたところが大すきで、いまではスッカリ【あさのおやくそく】になっていました。
だからあしたのあさ、あれがないのは、とてもざんねんです。
「じゃあ、ことりがかってくるよ」
『えっへん!!』と、すこしえらそうにむねをはります。
ことりは、もう年長さんなのです。
ようちえんでも、ちゃんと、じぶんのことはじぶんでするように言われています。
もう、【りっぱなおねえさん】なのです。
「だって雨ふってるのよ」
おかあさんはよわったように まゆをひそめました。
きょうは、あさから雨がふっているのです。
ときどき、大きなあまつぶが、まどにあたって、大きな音をたてていました。
「そんなの、かささしていけば、だいじょうぶだよ」
じつは、ことりは雨がすきなのです。
くまのついた赤い長くつは、かわいくてことりのおきにいり。
それとおそろいの赤いかさをさしたら、もうりっぱなレディのでき上がり。
なのにおかあさんは、ちっともうなづいてくれません。
かわりに
「雨、やんでからにしようよ」
ていあんしてきました。
『おかあさん、いじわるしてるんだわ。わたしだけレディになってズルイって』
そうおもいましたが、ことりは、だまっていました。
だって、おかあさんがかわいそうだからです。
ことりが言ってしまったら、もうキラキラのレディにもどれないおかあさんは、ないてしまうかもしれません。
けっきょく、雨がやんでから出かけることになりました。
赤い長くつは、はいていきます。でも、おそろいの赤いかさは、きょうはおやすみです。
がっかりしていると、おかあさんが、どこかから【きいろのカッパ】をもってきました。
これにも、かわいいくまさんがかいてあります。
ことりはすぐに気にいり、きょうはこれをきていくことにしました。
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